京都市会だより 令和3年

最終更新日:令和3年2月15日

京都市会だより第113号(HTML版)

  • 令和3年(2021年)2月15日発行
  • 発行/京都市会
  • 編集/京都市会事務局
  • 〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地
  • TEL.075(222)3697  FAX.075(222)3713

【目次】

11月市会の報告

 11月市会では、9月市会において継続審査とした市税条例の一部改正市長から提出された令和2年度一般会計補正予算などの議案について、常任委員会や予算特別委員会で詳しく審査したうえで、本会議で可決しました。

\33年ぶりの継続審査/
 市税条例の一部改正による個人市民税の減免措置の廃止

 税の公平性の観点や減免措置の廃止による福祉施策への影響、令和6年以降の経過措置などについて、常任委員会で様々な観点から徹底的に議論しました。

議論の一部
 影響を受ける市民の状況を把握したうえで、できる限り負担とならないよう財源を確保し、柔軟に対応するべき。
 具体的な経過措置の内容が見られない。経過措置の決定時期や適用の判断基準を明確にしておくべき。

付帯決議
 市民生活への影響を最小限に
 福祉施策の影響への対応に全力で取り組むとともに、検討経過を市会に報告するなど、議論を尽くすこと。
 必要な福祉サービスを提供できるよう柔軟で適切な措置を行い、財源の確保に努めること。

※付帯決議…可決した議案に付ける、市会から市長への意見や要望のこと

 
\ここに注目/
新型コロナウイルス感染症対策等補正予算
(第6弾 1億4,000万円)(第7弾 2億1,700万円)

 感染の再拡大を踏まえて、中小企業や宿泊施設等を支援するとともに、ひとり親世帯への臨時特別給付金を再支給することとしました。

内容の一部
 宿泊観光の促進による地域経済活性化

事業内容
 閑散期を迎え苦境にある観光関連事業者を支援するため、府市協調で平日の宿泊観光を促進し、消費喚起につなげるためのキャンペーンを行う。

議論の一部
 旅館など様々な宿泊施設が偏りなく利用されるようPRの手法を検討すべき。

付帯決議
 本市の2030年度の目標を確実に達成するため、施策ごとの目標を定め、年度ごとに検証すること。
 公共事業・施設での再生可能エネルギー導入の計画を示すこと。

 \ここに注目/
 地球温暖化対策条例の一部改正
 2050年二酸化炭素の排出量正味ゼロの目標実現に向けて対策をさらに推進するため、条例を改正しました。

議論の一部
 機運を高める観点から、市役所が率先して地球温暖化対策を実施すべき。

決議
 ~脱炭素社会の実現に向け、あらゆる主体と共に、対策に取り組むことを宣言。~

 市会として気候非常事態を宣言するとともに、市民や事業者等と危機感や目標を共有し、自主的・積極的に地球温暖化対策に取り組みます。

※決議…市会としての意思表示・意見表明

○12月1日の本会議で9名の議員が代表質問を行いました!
代表質問とは?
 本会議において、議員が各会派を代表して、市長等に対し、市政のあらゆる事業や取組等について、現在の状況や将来に向けての方針等の確認、政策提案などを行うものです。

11月市会の詳しい審議結果については、こちらから御覧ください。

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本会議の代表質問から

自民党=自由民主党京都市会議員団
共産党=日本共産党京都市会議員団
公明党=公明党京都市会議員団
民主市民フォ=民主・市民フォーラム京都市会議員団
京都党=地域政党京都党市会議員団

録画映像はこちらから

自民党

寺田 一博議員(上京区)


【令和3年度予算編成に向けた全庁を挙げての財源確保策】
Q多額の予算不足が見込まれるが、市長自ら難局を乗り切る覚悟を示してほしい。財政状況改善のため、市内の未利用地の所有者に一定の負担をいただく新制度の構築、CO2排出量の削減にも貢献する本市施設の照明のLEDなどを提言するが、何よりも市民の理解と協力が重要だ。


A全項目をゼロベースで検討し、歳出構造改革の方針を示し、3年間を集中改革期間として取り組む。未利用地は財源獲得と地域活性化の視点で更に検討を進め、LED化は来年度から実施する。市長をトップに行財政改革推進本部を立ち上げ、歳出改革や資産活用等に全身全霊で取り組む。


【自治会・町内会の加入率向上と健康長寿のまちの推進】
Q自治会や町内会では、高齢化に伴う担い手不足が課題となっている。加入者を増やし、地域活性化を図るため、健康づくりサポーターなどの協力を得てラジオ体操を行い、地域の店で利用可能なチケットを配布するなど、参加者が増えて健康寿命も延伸でき、生活を健康で豊かにする政策の実施を提言する。


A自治会等の協力を得て、健康づくりサポーターとの連携による地域に根差した健康づくり活動など、地域活性化につながる取組のモデル的な実施を検討する。安心や住み心地の良さにつながる施策を地域コミュニティと融合させて取り組む。


田中 明秀議員(西京区)


【文化財の保存・活用に向けた今後の保護行政】
Q京都文化遺産(※)として文化財の維持継承を図ることとしているが、従来の文化財だけでなく、食文化や年中行事など市民の生活により近い伝統的な文化を文化財として積極的に保存・活用すべき。新たな観光資源の発掘、魅力発信につなげ、観光客が再訪したいと思えるよう取り組むべき。


A文化遺産を確実に受け継ぐため、保存と活用の好循環を構築する。文化財保存活用地域計画の策定を市民参画で進め、あらゆる主体が文化遺産の保存・活用に取り組めるよう検討を深めている。文化庁とも連携し、観光等を通じて文化遺産を将来に伝えるとともに魅力発信に取り組む。


※京都文化遺産
 人々の生活や歴史・文化の理解に欠くことができない有形無形の文化遺産。今後策定する文化財保存活用地域計画において位置付ける予定。


【市立芸術大学跡地の活用と洛西地域の活性化】
Q洛西地域は府域全体の発展の要となる地域であり、広域行政の視点が必要。市立芸大の跡地には、拠点となり職住近接のまちづくりや洛西ニュータウンの活性化につながる新産業の誘致を求める。庁内には、情報を共有し戦略的に検討する体制が必要だ。

A跡地活用は、地域資源を生かした仕事の創出、イノベーションを生み出す産学公連携、市全体の活性化の3つの視点を持ち、関係局区からなる検討会議を立ち上げ、取組を進める。企業や研究機関等の誘致を念頭に、地域の意見も踏まえ、事業者等へ働き掛けるとともに、広域的な視点を持ち国や府等と連携していく。


下村 あきら議員(下京区)


【冬の閑散期における宿泊観光の振興】
Q冬の閑散期における宿泊観光は、国の施策の効果もいかしつつ、継続的に支援すべきだ。全国から多くの観光客を迎えるため、府と一層連携し府内の観光資源を広域的にいかすべき。旅館をはじめとする市内宿泊施設に対する現状認識と今後の取組を伺う。


A宿泊施設は、コロナ禍で長期にわたり深刻な状況で、GoToトラベルの効果も行き届いていない。感染拡大防止と事業継続の両立に努力する観光事業者を支えるため、冬の閑散期の振興策を府市協調で実施する。平日の府内での宿泊観光客に、抽選で地域クーポン券や食事券をプレゼントするなど消費喚起につなげていく。


【総合支援学校の児童生徒数増加への対応】
Q障害のある子どもや保護者の願いも踏まえ、一人一人の子どもにとって適切な教育環境を整えることが大切だ。今後、総合支援学校を必要とする子どもの増加が見込まれる中で、施設整備等の教育環境の更なる充実・改善が必要ではないか。


A医療技術の進歩等により総合支援学校の児童生徒数は10年間で約14%増加しており、呉竹総合支援学校の全面改築、更には、元格致小学校を活用した北総合支援学校の分校新設などに取り組んでいる。今後も、障害のある児童生徒や保護者のニーズに応え、総合育成支援教育の一層の充実に努める。



共産党

平井 良人議員(中京区)


【コロナ禍における雇用の維持・確保と労働者保護】
Q失業者数の増加や就業者・雇用者数の減少が続く等、労働情勢が厳しい。国に対して休業支援金・給付金制度(※)の柔軟な運用や期限の延長を求め、企業等には雇用の維持・確保を訴えるべき。また、雇用創出と労働者保護を担当する部署の復活を求める。


A休業支援金・給付金制度の柔軟な制度運用や対象期間延長を国に要望し、期間の延長が実現した。雇用の維持・確保に向け、雇用調整助成金等を活用した雇用維持や失業者・新卒者の雇入れへの配慮等を経済団体等に要請している。雇用・労働政策の体制を強化し支援制度を創設しており、雇用の維持・創出を後押しする。


※休業支援金・給付金
 新型コロナウイルス感染症の影響で休業した中小企業の労働者のうち、休業手当を受け取ることができなかった方に、支援金・給付金を支給するもの。



【市バス・地下鉄路線の充実】
Qコロナ禍で市バス・地下鉄は大幅な減収が見込まれるが、市民の足を守る観点が求められる。市民も利用するバス1日券などの企画券の値上げやダイヤ見直し等の負担増やサービス削減ではなく、市民に寄り添い、市バス・地下鉄路線を充実させるべき。


A運賃収入の減少が両事業計100億円を超え、危機的な経営状況だ。市バスの急行系統は昼間時間帯の利用が大きく減少しており、通勤・通学のダイヤは維持し、お昼のダイヤ見直しに取り組みたい。市バスは各種割引乗車券により、実際の乗車運賃が均一運賃の7割未満だ。割引乗車券を見直し、持続可能な経営に繋げる。


森田 ゆみ子議員(南区)


【CO2吸収対策としての森林整備】
Q気候危機の克服には、脱炭素社会の実現が必要。2050年までにCO2排出量正味ゼロにするためには、排出されるCO2を吸収する森林の整備も重要だ。森林の保全・育成を所有者だけに任せず、行政が責任を持ち、林業が産業として成り立つよう取り組むべき。


A間伐の促進や林道等の整備など生産性の向上、公共施設等での市内産木材の利用拡大に取り組んでいる。また、間伐材等の未利用木材も木質バイオマス発電所等への供給体制を構築し、燃料材としての活用を進めるなど、「2050年ゼロ」の実現に向け、地域や事業者と全力で取り組む。


【文化芸術活動への支援】
Qコロナ禍を受け、劇団の公演中止が相次ぐなど、文化芸術に係る活動が制限され、関係者の負担が重くなっている。芸術活動を生業とする方を守り、文化の灯を消さないために努力してこられた文化団体を支援するため、赤字補填や活動資金に充てられる補助金制度の創設が必要。


Aコロナ禍にある文化芸術関係者に対しては、活動継続のための緊急奨励金制度(※)や、「文化芸術総合支援パッケージ(※)」等により、切れ目なく支援している。また、感染拡大防止と文化芸術活動の両立支援補助金(※)により、会場使用料や感染症対策経費を補助し、活動の継続・再開を支援する。


※(文化芸術活動)緊急奨励金
 発表・制作等の機会を失っている文化芸術関係者の活動を支援するため、現在の状況で安全かつ適切に実施できる文化芸術活動(企画・制作・実施等)を募集し奨励金を交付するもの。


※文化芸術総合支援パッケージ
 ウィズコロナ社会における文化芸術関係者に対する総合相談窓口の開設、クラウドファンディングを活用した活動再開の支援、オンライン配信のサポートなど。


※感染拡大防止と文化芸術活動の両立支援補助金
 公演・展示等の発表機会を失った文化芸術関係者の活動継続・再開を支援するため、安全な発表・鑑賞・制作環境の整備を支援する補助金。 


公明党

平山 よしかず議員(西京区)


【ウィズコロナ社会における市民の孤立防止】
Q新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し市民の孤立が進めば、地域の中で困難を抱える方への気付きが遅れ、支援が届かなくなることが危惧される。人のつながりを強くする地域組織とそれに携わる方々への支援と同時に、困難に直面する方々に気付き必要な施策へつなげていく取組をどう強化していくのか伺う。


A地域活動等のヒントを掲載した冊子の作成等に加え、孤立防止支援の一環として、ひきこもり支援充実のための体制を確保し、取組を進めている。地域で活動いただく皆様と連携して必要な支援を行い、ウィズコロナ時代の地域共生社会づくりを進める。


国本 友利議員(左京区)


【京都観光における危機管理】
Q新型コロナウイルス感染拡大を受けて、京都観光の危機管理の在り方を見直し、自然災害や感染症等の多様な危機に備えることが重要。DMO(※)である観光協会と連携し、京都観光全体が迅速かつ柔軟に動ける体制を構築し、レジリエンス力を高める取組を進めるべきと考えるが、いかがか。


A様々な危機に対応できる持続可能な観光を実現するためには、観光協会や観光事業者、地域等と連携した危機管理体制の強化や、様々な危機を想定した平時からの備えが重要。この間の経験を踏まえ、さらに観光協会の機能強化を支援し、連携を図り、危機管理体制を強固にしていく。


※DMO(観光地域づくり法人)
 観光地経営の視点に立って、地域の稼ぐ力を引き出し、地域への誇りと愛着を醸成する舵取り役となる法人。多様な関係者と協同で、明確なコンセプトに基づく観光地域づくりを実現するため、戦略を策定し着実に実施する調整機能を備える。



【コールセンターの改善】
Qコロナ禍の影響で、市民の暮らしを守る支援策に関するコールセンターが設置されたが、電話がつながらないと苦情が多く寄せられた。事業開始前半に回線を多く設置し、随時縮小する等の工夫が必要。順番につながる仕組みの導入など、不安・不満の軽減に向けた改善を求める。


Aお困りの方に寄り添った対応に努めてきたが、相談窓口によっては電話がつながりにくい状況が発生した。指摘を教訓とし、状況に応じて回線数やオペレータ体制を迅速・柔軟に変更する等改善を重ねる。市民・事業者の不安解消や支援策等の円滑な活用につながるよう取組を進める。


民主市民フォ

天方 ひろゆき議員(西京区)


【今後の市政運営】
Q来年度からの次期基本計画では、公債償還基金等の取崩しからの脱却を念頭に予算をつくる予定であったが、来年度の一般会計収支で約500億円の財源不足が見込まれている。門川市政は、財政運営が苦しい中、レジリエンスやSDGs、社会福祉や子育て等の施策を大切にしてきたが、今後どう市政運営をしていくのか。


A公債償還基金を取り崩して現在の施策水準を維持することは、もはや限界。真に必要な施策への重点化、選択と集中に取り組み、民間資金を獲得する等歳入・歳出全般に踏み込んだ行財政改革を加速させ、持続可能な財政を確立し、市民の暮らしを支える。



【学校施設の活用促進】
Q学校施設を地域に開放し、 生涯学習の推進等に取り組んできたが、学校コミュニティプラザ事業(※)は事業開始から期間が経過し周知が十分でなく、あまり利用されない例もある。また、教職員の事務負担となる場合もあると考える。事業の在り方を点検し、地域住民の活用促進を図り、生涯学習社会の充実につなげるべき。


A当該事業は、地域や学校での引継が不十分な場合など事業の趣旨や内容自体が共有されていない例がある。今後、パンフレット等を刷新して地域や学校に周知するとともに、毎年の利用調査を活用して活動の在り方や教職員の負担軽減の検討を行う。

※学校コミュニティプラザ事業
 生涯学習ゾーンを設定したうえで、ゾーン内の小・中学校に生涯学習施設を整備し、地域住民に開放する事業。

京都党

小山田 春樹議員(右京区)


【企業の本社誘致と定住人口増加の取組】
Q本市にとって税収増は大切な課題だ。コロナ禍で働き方が変わってきた今、本社を市内へ誘致するチャンス。魅力的な環境の整備、新しい都市ビジョンの策定を提案する。またエリア別に建築物の高さ制限等を緩和し、若者が住みたいと思う魅力的な住まいの建設を可能にすることが必要。


Aオンラインセミナーで京都への進出に興味を持つ企業のニーズを把握するなど、ポストコロナ社会を見据えた企業移転や新ビジネス創出などのトレンドを捉え、税収・雇用確保に取り組む。高さ規制については、地域のまちづくりを推進する特例制度の創設に向けて手続を進める。

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11月市会の審議結果   

 11月市会で審議した市長提出議案52件,議員提出議案6件の審議結果は,令和2年定例会(11月市会)【議案・審議結果】から御覧ください。

2月市会の開催予定 2月17日(水)~3月26日(金)

 京都市の未来を見据え、令和3年度の当初予算等を徹底的に議論します。

○本会議 代表質疑 2月24日(水)・25日(木) 市民の声を届ける!
 翌年度の当初予算議案を中心に、議員が各会派を代表して、市長等に対する代表質疑を行います。

○予算特別委員会 総括質疑 3月17日(水)・18日(木) 白熱の一問一答に注目!
 連日開催される局ごとの審査を経て、市長・副市長等と熱い議論を行います。

(マタリーヌ)令和3年度からの都市経営の基本となる新たな京都市基本計画についても審査する予定なのよ。
(またきち)全ての本会議や委員会で生中継と録画放映を実施しています。パソコンやスマートフォンで御覧ください!

詳しい日程は市会ホームページから御覧いただけます。(※日程は変更になる場合があります。)

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市会からのお知らせ

インターネット議会中継
 本会議や委員会の生中継と録画をインターネット配信しています。

テレビ放映
 本会議の代表質疑・質問の模様をKBS京都でテレビ中継しています。

本会議等の傍聴
 新型コロナウイルス感染症の予防及び拡大防止のため、本会議の傍聴は当面の間できるだけお控えいただきますようお願い申し上げます。

※傍聴の御案内については、変更の可能性があります。最新の情報は、「傍聴するには」ページを御確認ください。

市会だより112号(令和2年12月15日発行)の4面に次のとおり、誤りがありました。お詫びして、訂正いたします。

訂正箇所9月市会審議結果「議案名 その他の議案」の欄
(誤)祟仁市営住宅増築工事(祟仁南部新3棟及び新4棟(仮称)新築工事)請負契約の変更→(正)崇仁市営住宅増築工事(崇仁南部新3棟及び新4棟(仮称)新築工事)請負契約の変更


市会だよりに関する御連絡・お問い合わせは
市会事務局調査課
TEL:222-3697  FAX:222-3713

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