令和4年定例会(11月市会)

最終更新日:令和4年12月12日

採択請願

京北地域における宅地造成及び特定盛土等規制法に基づく区域の指定[受理番号1218]
(令和4年12月12日採択)


 京北は京都市の北西部、桂川の源流域に位置しており、総面積は217.68平方キロメートル、その93パーセントが森林で占められた緑あふれる地域である。平成17年に京都市に編入合併されて以降も、豊かな自然に恵まれた環境の中、住民が心豊かに暮らしている。
 ただ近年、自然災害が激甚化、頻発化しており、京北地域においても豪雨や台風により様々な災害が発生している。特に平成25年9月の台風13号、翌年8月の豪雨、平成30年9月の台風21号においては、山が崩れ、多くの木が倒れ、道路・水路等のインフラが破壊される等、これまで余り経験しなかった壊滅的な被害が多くの箇所で発生した。
 令和3年7月の豪雨による静岡県熱海市で発生した土砂災害は、27名の尊い命が犠牲となり、また、多くの貴重な財産が失われ、人為的に行われた大量の盛土が被害の甚大化につながったとの報道がされた。熱海市の災害を受け、国は、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制が行えるよう本年5月に宅地造成等規制法(宅造法)を全面改正し、新たに宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)を制定し、令和5年にも施行される予定であると聞いている。盛土規制法は、森林や農地などを含め、盛土等により人家等に被害を及ぼしうる区域を規制区域として指定し、その行為や手続も広範囲に及び、違反した場合の罰則が強化されるなど、宅造法に比べ大変厳しい法令となっており、規制区域は京都市が指定できるとのことである。
 これまで、京北地域は宅造法の規制区域に指定されておらず、不適切な工法や対策が不十分な危険な盛土から私たち地域の暮らしを守るための法の規制がない状況となっている。また、土砂の処分は規制の緩い地域に集中するとの報道もあり、規制が加わらない現状のままでは、将来的に危険な盛土行為が横行するのではないかと危惧している。
 京北地域の住民が将来にわたり安心して暮らすことができるよう、危険な盛土等から京北地域住民の生命、財産を守るため、新法に基づく規制区域から京北地域が除外されることのないよう強く求める。
 ついては、京北地域における土砂災害の発生状況や地形などを調査したうえで、宅地造成及び特定盛土等規制法に基づき、危険な盛土等を規制する区域として、現行の規制区域に捕らわれることなく京北地域を含めて広く指定することを願う。