令和元年定例会(9月市会)
最終更新日:令和元年10月30日
意見書・決議
関西電力の金品受領問題の全容解明を求める意見書
(令和元年10月30日提出)
関西電力の役員らが,高浜原子力発電所の工事発注先の関係者から,不透明かつ多額の金品を受け取っていたことが明らかになった。
公益性が極めて高い電力事業の経営責任者による本事案は,道義に反するあるまじき事態であることはもちろんのこと,市民・国民の信頼を失墜させた責任は重大である。
加えて,原子力発電を含め,エネルギーの需給に関する施策を総合的に策定し,実施する責務は,エネルギー政策基本法に基づき国が有しているところ,本事案は,その根幹を揺るがしかねないと言っても過言ではない。
よって国におかれては,本事案について,当事者である関西電力に任せきりにすることなく,電気事業法に基づく電気事業の運営に係る監督官庁として,徹底的に全容解明されることを強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,経済産業大臣
気候危機・気候非常事態を前提とした地球温暖化対策の更なる強化を求める意見書
(令和元年10月30日提出)
昨今の自然災害に鑑みれば,気候危機・気候非常事態と言える時代に突入しており,地球温暖化対策は喫緊の課題である。2018年に,国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)において,「1.5℃目標」に関する特別報告書が発表された。そこでは,産業革命以前からの気温上昇を1.5℃までに抑えることが,地球環境を持続可能なものとするために必要であるとされている。京都市では,これまでから地球温暖化対策について様々な施策に取り組んできた。
また,IPCC第49回総会京都市開催記念シンポジウムの中では,門川市長が,「2050年までの二酸化炭素排出量正味ゼロを目指す覚悟」を表明した。その表明を受けて,シンポジウムに同席した関係者が登壇し,「IPCC1.5℃特別報告書」を踏まえ,世界の平均気温の上昇を1.5℃以下に抑えるために,2050年頃までの二酸化炭素排出量の「正味ゼロ」に向けて,あらゆる方策を追求し具体的な行動を進めていくことを決意し,世界に訴える「1.5℃を目指す京都アピール」を発表した。
ただし,地球温暖化対策という問題は,地球規模の問題であり,世界,国,自治体全ての主体が取り組まなければ達成できるものではなく,とりわけ国が果たす役割は大きいものとなる。
よって国におかれては,2030年度目標(2013年度比26パーセント削減)の達成に向け着実に地球温暖化対策を推進するとともに,再生可能エネルギーの最大限の導入に向け大胆かつ意欲的な目標値を示し,さらには,目標値の上積みに向け地方自治体が実施する施策への支援を拡充することを求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,環境大臣
高齢者の安全運転支援と移動手段の確保を求める意見書
(令和元年10月30日提出)
高齢者の安全運転支援と移動手段の確保を求める意見書
(令和元年10月30日提出)
東京・池袋で87歳の高齢者が運転する車が暴走し,母子2人が亡くなった事故以降も,高齢運転者による事故が続いている。
近年,交通事故の発生件数は減少傾向にあるが,75歳以上の高齢運転者の死亡事故の割合は高まっており,単純ミスによる事故も目立つ。
警察庁は,昨年末時点で約563万人いる75歳以上の運転免許保有者が,2022年には100万人増えて663万人に膨らむと推計している。
こうした状況を踏まえ,国は,2017年施行の改正道路交通法で,75歳以上の運転免許保有者は違反時や免許更新時に認知機能検査を受けることを義務付けた。
京都市においては,2014年に,運転免許を返納された高齢運転者への支援物品の提供を始めたほか,2017年からは,自主返納を促すリーフレットを作成するなど,周知・啓発活動を実施している。また,2018年からは,京都府警察と共同して,高齢者向けの交通事故防止教室を各区において実施しているが,高齢運転者が当事者となる事故が後を絶たない。高齢者の安全対策及び安全運転支援の取組は待ったなしの課題である。
また,過疎地域を中心に,いまだ「生活の足」として車が欠かせない高齢者も多い中,自主的に運転免許を返納した場合などの地域における移動手段の確保も重要な取組である。
よって国におかれては,地方自治体や民間事業者とも連携しながら,総合的な事故防止策として,高齢運転者の安全運転支援と地域における移動手段の確保を進めるため,下記の事項について早急に取り組むことを強く求める。
記
1 | 自動ブレーキやペダル踏み間違い時の急加速を防ぐ機能など,ドライバーの安全運転を支援する装置を搭載した「安全運転サポート車」(サポカーS)や,後付けの「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の普及を一層加速させるとともに,高齢者を対象とした購入支援策を検討すること。 |
2 | 高齢運転者による交通事故を減らすため,自動ブレーキなどを備えた「安全運転サポート車」(サポカーS)に限定した運転免許の創設や,走行できる場所や時間帯などを制限した条件付き運転免許の導入を検討すること。 |
3 | 運転免許を自主返納した高齢者が日々の買物や通院などに困らないよう,コミュニティバスやデマンド(予約)型乗合タクシーの導入など,「地域公共交通ネットワーク」の更なる充実を図ること。また,地方自治体などが行う,運転免許の自主返納時における,タクシーや公共交通機関の割引制度などを支援すること。 |
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,経済産業大臣,国土交通大臣,国家公安委員会委員長