京都市会だより 令和5年
最終更新日:令和5年4月14日
京都市会だより第128号(HTML版)
- 令和5年(2023年)4月15日発行
- 発行/京都市会
- 編集/京都市会事務局
- 〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地
- TEL.075(222)3697 FAX.075(222)3713
【目次】
2月市会前半の報告
令和5年2月市会開催期間:2月16日~3月22日○令和4年度補正予算を可決!
子ども・子育て世帯の安心安全対策などの令和4年度補正予算(国庫支出金等を含む138億9,600万円)の主な内容を紹介します。
●子ども・子育て世帯の安心安全対策(10億9,600万円)
事業内容
妊娠期から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援と現金給付、子どもの送迎バスへの安全装置導入支援など
議論の一部
・出産・子育て応援事業を丁寧に周知し、少子化対策として着実に進めるべき。
・安全装置の設置が4月に義務化されるため、施設に対して、徹底的な周知・確認を行うよう求める。
●デジタル化による市民サービスの向上(2億6,900万円)
事業内容
大型ごみ収集におけるインターネット受付の導入、持込ごみ搬入における事前予約システム及びキャッシュレス決済の導入など
議論の一部
・市民サービスの向上と併せて、デジタル弱者へのサービスが低下しないよう取り組むとともに、受付方法の変更点をしっかりと周知すべき。
・市民と事業者双方の利便性が向上するよう取り組む必要がある。
●防災・減災・老朽化対策と地域公共交通の維持(44億9,800万円)
事業内容
道路の補修・橋りょうの耐震補強・河川整備等や、老朽化した学校校舎の長寿命化改修、公共交通事業者に対する燃料高騰分等の支援など
議論の一部
・チェックシートの活用などにより、学校施設の老朽化の状況を適切に把握する必要がある。
・地域の公共交通を守るため、国に対して支援の拡充を求めるべき。
●市民生活の安心安全対策(54億2,700万円)
事業内容
道路・河川・公園・学校等の安全対策や、増加する救急需要に対応するための救急車両整備など
議論の一部
・限られた財源の下で優先順位を定めて区役所の計画的な修繕を進めるなど、ハード面での来庁者の安心安全に向けて取り組む必要がある。
・救急隊の増員や増隊と併せて、搬送先となる医療機関等との連携をしっかりと図るべき。
○全員制中学校給食の早期実施の請願を採択!
全員制中学校給食の早期実現を目指し、持続可能な制度となるよう効率的・効果的な手法の検討や、国への必要な支援などを求める請願を全会一致で採択しました。
○令和5年度当初予算では、22年ぶりに収支均衡を達成
京都の魅力を維持・充実するための予算について、徹底的に議論しました。
主な事業
子ども医療費支給制度の拡充、保育料の軽減、全員制中学校給食実施に係る調査、空き家・既存住宅の活用・流通促進に関する取組、企業立地促進制度補助金の充実 など
令和5年度当初予算などを審議した2月市会後半の結果については、次号(5月15日発行)で紹介します。
2月27日、28日の本会議で17名の議員が代表質疑を行いました!
代表質疑とは?
本会議において、議員が各会派を代表して、市長等に対し、提出された翌年度の当初予算議案を中心に質疑を行うものです。
令和5年2月市会の詳しい審議結果はこちらから。
本会議の代表質疑から
2月27日、28日の本会議では、次の17名の議員が各会派を代表して、令和5年度予算案等に対して市長や関係理事者に質疑を行いました。ここでは、その主なものをお伝えします。
自民党=自由民主党京都市会議員団
共産党=日本共産党京都市会議員団
公明党=公明党京都市会議員団
京都党・維新=地域政党京都党・日本維新の会市会議員団
民主・市民フォ=民主・市民フォーラム京都市会議員団
立憲民主党=立憲民主党京都市会議員団
録画映像はこちらからご覧いただけます。
自民党
橋村 芳和議員(伏見区)
【市長就任以来の財政運営の振返りと令和5年度予算編成】
Q市長就任時の財政危機から今日までを振り返り、どのように財政運営を行ってきたのか。令和5年度予算編成に対しては、財政健全化を図りながらも、子育て世代や若年層への対策の充実、文化を基軸とした都市経営など、現在の課題への対応を強く求めてきた。市長の考えを伺う。
A市長就任以降、担税力の強化、歳入増、地方交付税の確保、行財政改革等に取り組み、令和5年度予算では、22年ぶりに収支均衡を達成し、財政難克服に道筋を付けた。今後も市民との協働を根幹に、子育て支援・教育の充実、若い世代が住みやすい住居・働く場の創出に一層取り組む。
【国と連携した更なる子育て・教育施策の充実】
Q府市協調での子ども医療費助成の拡充や、国が示した子育て支援策の推進を受けた全員制中学校給食実施を見据えた調査予算計上など、更なる子育て支援、教育環境充実に着手しようとしている。国の施政方針を踏まえた、子育て環境充実の取組への決意は。
A府市協調で政令市トップ水準まで子ども医療費の負担額を引き下げる。国の子育て政策を最重要とする方針を受け、全員制中学校給食の実現に向け、令和5年度予算案に調査費を計上した。施策の実現には国等との緊密な連携が不可欠であり、市会と連携し必要な支援を求める。全国トップ水準の子育て環境を更に充実する。
中村 三之助議員(上京区)
【文化庁移転を踏まえた今後の文化行政】
Q令和5年度以降、文化庁関連業務を総合企画局から文化市民局に移し、文化行政をより重視した体制を構築すべき。今回は文化庁全体の約7割の移転であり、東京の関係団体は移転しないため、将来的には移転等の働きかけや受入れ環境整備が必要。文化庁と連携した「文化による地方創生」をけん引する政策展開を求める。
A本市の総合窓口を文化市民局へ移管して文化政策アドバイザーを配置し、執行体制を強化する。文化芸術による少子化・人口減少対策等、文化による地方創生を推進する。関係団体の移転についても、府市連携のもと、環境づくり等に努めていく。
みちはた 弘之議員(伏見区)
【人口減少対策の取組】
Q12月公表の本市の人口分析結果では、結婚・子育て・就職期の市外転出が大きな課題とされた。今日の分析を踏まえて、具体的にどう取り組むのか。また、取組を進めるうえで、局横断的に総合企画局がリーダーシップを発揮し、市としての体制強化が必要。
A令和5年度は、企業立地促進、ニーズに合った居住環境創出、空き家等の活用・流通促進のほか、子育て・教育環境の更なる充実、文化芸術による少子化・人口減少対策など総合的に取り組む。現在、総合企画局を中心に関係局区等によるワーキングチームを設置しているが、新たなポストの設置を含め、体制を強化する。
田中 たかのり議員(右京区)
【マーケティングの手法を取り入れた行政運営】
Q本市施策は他都市以上に進んでいるものが多いのに、市民に伝わらず満足度が低いのは、市民が求める価値とずれているからではないか。これまで以上に市民の声を聴き、誰のために何をするのかを明確に示し、市民の信頼度や期待度を高めるため、マーケティングの手法を取り入れるべき。
A一層多様化している市民ニーズを的確に把握するため、市民意見やニーズの把握手法等を点検のうえ、マーケティングの研修等を通じ、職員意識やスキルの向上を図る。加えて、SNSの活用、広報アドバイザーの知見をいかし、市民に伝わる広報等、戦略的な情報発信に努める。
共産党
くらた 共子議員(上京区)
【行財政改革計画の撤回と市民のくらしの拡充】
Q経済低迷、人口流出を招く行財政改革計画は撤回すべき。福祉前進に向け、全員制中学校給食や子ども医療費の18歳までの無料化、学生への給付制奨学金制度、公共の現場労働者の賃金引上げ等を提案する。市民のくらし、子育て応援、福祉を拡充してこそ、人口増、税収増、持続可能な財政確立という好循環が生まれる。
A行財政改革計画は高い水準の施策を維持し持続可能な在り方へ見直すもの。収支均衡や負債解消、人口増、税収増につながる都市の成長戦略の推進が必要。今後も、市民福祉増進に向け、改革の必要性や財政運営の目標を明記した計画を策定し改革を進める。
【相国寺北ホテル建設計画の特例許可適用反対】
Q相国寺北ホテル建設計画の問題の本質は、本市がホテル建設を規制してきた第二種中高層住居専用地域に、市長が特例で建設を認めていることにある。都市計画ルールを破壊し、市民の反対を無視したホテル建設は断じて認められない。市長が特例許可適用を撤回することを強く求める。
A宿泊施設の立地が制限される区域においても、一定の条件のもと、建築審査会の同意を経て、許可を受け建築が可能となる。本件は住民に丁寧に説明のうえ用途許可申請され、2月の建築審査会で同意に向け審議が行われた。引き続き審議予定であり、法令に従い、適正に手続を進める。
山本 陽子議員(山科区)
【高さ規制の緩和と都市計画の見直しの中止】
Q都市計画の見直しで山科区の外環状線沿道の高さ規制が無制限となるが、山科盆地中心部の景観は守るべき。高さ規制の緩和は住民のくらしや歴史的景観を壊すものだ。市民意見に耳を傾け慎重に検討し、高さ規制の緩和、都市計画の見直しは中止すべき。
A都市計画の見直しは、景観・住環境・都市機能を考慮して、検討している。山科区の外環状線沿道でも、景観の守るべき骨格を堅持して、若年・子育て世帯のニーズに合った居住環境を創出する。見直しは約5年の慎重な議論を経て進めており、市民意見に丁寧に見解を示している。期待の声が多く中止の考えはない。
ほり 信子議員(右京区)
【学生への奨学金等の経済的支援】
Q働き方のアンケートで国や自治体への要望として、家賃や奨学金返済支援があった。学生に対する食料支援や教材の補助等を拡充させてきたが、賃金が上がらない状況で、奨学金返済等の補助が必要だ。本市独自の返済不要の奨学金制度の創設等を求める。
A学生は府県を跨いで進学するため、奨学金等の経済的支援は国で統一的に対応する必要がある。奨学金等に係る国の令和5年度予算案は大きく増額され、返還免除を含む制度拡充の議論がされている。本市独自で各大学の経済的支援等の補助をしてきたが、令和5年度からはふるさと納税寄付金を活用し継続して後押しする。
公明党
大道 義知議員(南区)
【物価高騰対策】
Q物価高騰は一層厳しい局面が予想されており、市長には、国の予算に機動的に対処し、国・府との連携のもと、市民のくらしを守り抜くことが求められる。京都の事情を十分に踏まえた、きめ細かな独自支援策の検討も必要であり、今後も予断を許さない物価高騰にどう対応するのか。
A福祉・子育て施設の食材費利用者負担、学校給食費の保護者負担の軽減や、地域公共交通の運行維持支援を継続するための予算を提案している。また、中小企業の相談窓口体制の強化、府・金融機関・信用保証協会と一体でのゼロゼロ融資(※)の借り換え支援など地域企業等の下支えも行う。
※ゼロゼロ融資
新型コロナウイルス感染症の影響によって業績が悪化した中小企業や個人事業主を対象とし、実質無利子・無担保で融資を受けられる制度。
青野 仁志議員(中京区)
【子どもの幸せを最優先する社会の実現に向けた取組】
Q全局の連携強化を図るとともに、各局が「こどもまんなか」をテーマに、子どもに視点を置いた、子ども優先の施策創出に取り組むべきと考える。「子どもの幸せを最優先する社会」実現に向け、社会全体で支援する仕組みづくりについて市長の考えは。
A充実した子育て支援策(※)をわかりやすく伝え、子育て家庭のみならず、市民の皆様が、子育て支援に関心を持っていただけるよう取り組んでいく。加えて、「こどもまんなか社会の実現」という視点に立ち、子育て支援や教育施策はもとより「しごと」「すまい」などあらゆる施策を分野横断的に連携し体制を強化する。
※充実した子育て支援策
子ども医療費助成の大幅な拡充や、保育料軽減措置の継続、保育所等の老朽度調査、ヤングケアラーへの支援、医療的ケア児支援体制強化、小・中学校のバリアフリー化推進などの取組。
兵藤 しんいち議員(北区)
【精神に障がいのある方への障害者医療制度の適用】
Q精神に障がいのある方への一般医療費の自己負担分を助成する重度心身障害者医療費助成制度の適用は、ほとんどの自治体で実施している中、京都府下では、未だ制度化されていない。制度化の実現は、待ったなしの状況であり、引き続き府市の協議を行い、早急に制度化すべき。
A先日の府議会において、知事は「遅くとも今年の秋には新たな制度案をとりまとめたい」と表明された。今後、障害程度の範囲を重度の方としている現行制度の趣旨や、財源確保等の課題がある中、府や他市町村としっかり議論し、早期実施に向けて精力的に取り組んでいく。
京都党・維新
森 かれん議員(上京区)
【市立中学校における吹奏楽部の今後の在り方】
Q中学校の吹奏楽部において、「拠点式合同部活(※)」を導入することは、費用負担の軽減、専門性の高い技術指導の提供、地域間での不公平感の解消などにつながる。市内中心部は、学校間の距離が短く、公共交通機関が発達しているため、区単位で試験的に実施を検討することを求める。
A本市では既に「ブロック内選択制」等で拠点式合同部活と同趣旨の仕組みを導入し、運動部を中心に活用されている。一方、吹奏楽部は、楽器等の保管や運搬に係る費用負担等の課題がある。今後、全国的な状況も踏まえ、文化部に所属する生徒が活動する環境の一層の充実に努める。
※拠点式合同部活
在籍校に希望する部活動がない、希望する部活動はあるが専門的に指導できる顧問がいない場合に、参加を希望する生徒を一つの学校が受け入れる方式。
菅谷 浩平議員(北区)
【退職手当への市長の認識】
Q持続可能な行財政運営を進めるに当たり、市民負担は継続させる一方で、市長や職員の給与カットが期間限定であるのは、市民からも不満の声があがっている。市長が財政運営の責任を取らず、退職手当を受け取った場合、市民の理解は到底得られない。
A市長の給与及び期末手当については、市長就任以降カットを継続し、令和3年度からの3年間はカット率を20%から30%に引き上げている。退職手当は地方自治法等に基づく一般的な制度で、退任時等に、任期に応じた手当額が支給される。その水準は本市と同規模の政令指定都市と均衡するなど、適切なものである。
同会派のその他の質疑議員
宇佐美 賢一議員(左京区)
神谷 修平議員(下京区)
民主・市民フォ
天方 ひろゆき議員(西京区)
【婚活支援】
Q生活は忙しいが、結婚生活は楽しい、子育ては楽しいと思っておられる方々の事例等を紹介できるような仕組みづくり、また、民間事業者やインターネットでの婚活に不安を覚える方も多い中、本市が活動の手助けをできればと考えるがいかがか。
A府の「きょうと婚活応援センター」が出会いの場を提供し、市は仕事と子育ての両立等に関する事例をホームページで発信するなど、仕事や子育てに不安を抱える方に寄り添った取組を行っている。引き続き、情報発信に努め、総合的な少子化・人口減少対策を進めて、若い世代が京都で住み続けられるよう取り組む。
同会派のその他の質疑議員
中野 洋一議員(東山区)
立憲民主党
安井 つとむ議員(伏見区)
【市営住宅の居住性能の向上への取組】
Q市営住宅が今後の断熱性能の強化等により、家計にやさしい環境に配慮した住宅となれば、若い子育て世代の入居促進、地域の雇用や経済振興などにつながる効果が期待できる。国庫補助金等を活用し、今後の市営住宅管理や建築・改修計画の進捗を期待する。
A今後も、若者・子育て世帯に魅力を感じていただけるよう、市営住宅の建替えの際に、これまで以上の省エネルギー性能の向上を図るなど、「新築住宅の良質化の推進」と「住宅ストックの良質化」につながるよう、国の支援策も活用し、市民や事業者をけん引していく。
京都市会のココが知りたい!第15回 意見書について
市会に関する基本的なことや、その時々の話題について、皆さんに分かりやすくお伝えするコーナーです(不定期掲載)。今回は、「意見書」について解説します。Q.1意見書って何?
A.地方自治法第99条に基づき、京都市全体に共通する利益などについて、市会としての意見や要望を、国会又は関係行政庁に提出するものだよ。
Q.2どんな内容の意見書を提出しているの?
A.令和4年度は、「女子差別撤廃条約選択議定書の批准に関する環境整備を求める意見書」や「保育士配置基準の抜本的な見直しを求める意見書」などが提出されたよ。
市民生活や保健・福祉、教育など、様々な分野の意見書が提出されているんだ。
Q.3意見書が提出されるまでの流れは?
A.
1)各集中審議期間において、各会派が意見書(案)を提出
2)本会議で議決
3)可決後に議長名で国会又は関係行政庁へ提出
という流れだよ。
Q.4一年間で何件の意見書が、国へ提出されているの?
A.直近だと、令和2年度は18件、令和3年度は15件、令和4年度は19件が提出されたよ。
提出された意見書は、国の政策の参考にされているんだ。
(またきち)
可決された意見書の全文はこちらから見ることができるよ。ぜひチェックしてみてね!
子ども議場見学
市会を身近に感じ興味や関心を持っていただくため、市内の小・中学生を対象に、社会学習の一環として議場見学を実施しています。
令和4年度は、11校、計164名の皆さんに見学していただきました。
参加校
小学校 醍醐西小学校 安朱小学校 養正小学校 市原野小学校 鞍馬小学校
中学校 二条中学校 西ノ京中学校 山科中学校 凌風小中学校 松尾中学校 藤森中学校
(田中明秀議長)参加した皆さんには、議席に座って、市会の仕組みや議会の役割などについて学んでいただきました。
(またきち)新型コロナウイルスの感染防止対策を十分に講じて実施しました。
(マタリーヌ)これからも皆さんに身近な市会を目指していくので、ご注目ください!
市会からのお知らせ
令和5年度に開催する定例会の日程は、決定次第市会ホームページ等でお知らせします。テレビ中継
本会議の代表質疑・質問の模様をKBS京都テレビで中継しています。
本会議等の傍聴・委員会のモニター視聴
手指消毒やマスクの着用など、新型コロナウイルス感染症対策を講じたうえで、実施します。なお、傍聴・モニター視聴のご案内については、変更の可能性があります。最新の情報は、 「傍聴するには」のページをご確認ください。
本会議や委員会の生中継と録画の映像をインターネット配信しています。ぜひ、ご視聴ください。
インターネット議会中継はこちらからご覧いただけます。
市会だよりに関するお問い合わせは
市会事務局調査課
TEL:222-3697 FAX:222-3713