令和7年定例会(9月市会)

最終更新日:令和7年10月30日

採択請願

簡易宿所開業への指導(上京区主税町)[受理番号387]
(令和7年9月30日採択)

 上京区竹屋町通千本東入主税町812-21における簡易宿所「京の宿 結」(以下「当該簡易宿所」という。)は、2024年10月末より空き家を改築し、開業に向けた工事が進められていたが、当該簡易宿所の開業や改築工事の内容については、地域住民に周知されなかった。その後進められた工事では、近隣住民が騒音振動、粉じん等の迷惑を被り続け、工事開始からほぼ3か月が経過した頃には、隣接する住民宅内で終日悪臭が発生するという事案が起こった。
 原因は、当日の作業者が防水塗装作業に使用した有機性化学物質入りの混合溶液を、道路の雨水ますに捨てられたことによるものと考えられる。後日、上下水道局下水道部きた下水道管路管理センターにより現地調査が行われ、工事作業者に注意喚起が行われた。しかし、その後も当該簡易宿所工事が完了するまで、近隣住民は種々の迷惑行為を被り続けた。このように事業者の我々に対する配慮のなさから、将来的な不安、不信を深めたため、2025年4月14日に京都市に対して、当該簡易宿所反対の陳情を行った。さらに7月25日には、この道路を利用する子供を持つ周辺住民も子供たちの安心安全を守る目的で開業反対の陳情を行った。
 そもそも当該簡易宿所は、幅員(2.39メートル)の狭い密集市街地にあり、当該簡易宿所の半径10メートル程度の範囲内には、未就学児や視覚障害(全盲)を持った方も生活しており、かつ通学路でもあるため、とりわけ家主不在の簡易宿所という不特定多数が出入りする施設については、近隣住民のみならず、周辺住民に対しても細部に行き届いた配慮が不可欠であるにもかかわらず、今日に至っても事実でない内容を書面で配布するなど条例の趣旨に合った許可申請とは言えず、9月9日の環境福祉委員会においても委員から、地域の理解を得るまでは許可すべきではないのではとの指摘もされたところである。
 我々地域住民は、事業者が行政の指導に従い、地域住民の理解を得られるよう努力することを求めるが、実態はそのような状況ではないにもかかわらず、旅館業法の許可要件に反しないものは標準処理期間を大幅に超過して留保することができず、許可せざるを得ないとして、当該簡易宿所は許可された。
 ついては、許可された以上、事業者は開業に向けた準備を行うと考えるが、京都市民の安心安全のため、京都市は事業者に対して、事業の運営に当たり、常に地域住民との協調を図り、住民理解の下、住民生活に配慮すること、当該簡易宿所の利用者に対しマナーの周知徹底を図る体制を確立することについて、協定書で合意形成するよう当該立地の特徴と住環境等に十分配慮した指導を徹底することを願う。