令和4年定例会(令和5年2月市会)

最終更新日:令和5年3月22日

意見書・決議

認知症の人も家族も安心な社会の構築を求める意見書

(令和5年3月22日提出) 

日本における認知症の人の数は推計値で約600万人、京都市においても約75,000人と推計される中、高齢化率の上昇に伴い、今後も増加が見込まれており、将来を見据えての備えの拡充が求められている。
 今日、認知症の方への介護や医療の分野においては、認知症に対する知識・経験の蓄積や、認知症を進行させる要因の解明など、大きな進展が見られる。
 また、地域や家庭においては、家族をはじめ周囲の人々の正しい知識と理解の下、認知症の人の尊厳と日常を守る、認知症との共生型社会への転換が求められている。
 よって国におかれては、認知症の人も家族も安心して暮らせる地域の構築のために、また、認知症の人や家族の困難を最小限に抑えるために、以下の事項について特段の取組を求める。

                   記

1 認知症の人に初期の段階から、家族や周囲の人々が適切に対応するための、認知症サ
 ポーター等の育成や継続した活動を推進するとともに、身近な介護施設等で相談窓口の開
 設を支援すること。

2 認知症の重症化抑制や認知機能の維持のための、当事者や家族との連携を重視しながら
 の、薬や治療法等の研究開発体制を強化すること。

3 認知症グループホームへの低所得者の負担軽減や住所地以外での入所の仕組み作りな
 ど、認知症の人と家族に寄り添う制度を整備すること。

4 認知症の予防につながる生活習慣や栄養管理など、国民の日常をサポートする知識や情
 報を提供する体制を整備すること。

5 認知症に対する施策を、国と地方が一体となって、総合的かつ総体的に推進するた
 めの、「(仮称)認知症基本法」を整備すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 

(提出先)
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣

新型コロナウイルス感染症の後遺症の方々の日常を守る取組の強化を求める意見書
(令和5年3月22日提出)

新型コロナウイルス感染症のり患者の中で、疲労感・けん怠感などのり患後症状、いわゆる後遺症を訴える方が増えている。実際に、けん怠感、呼吸困難感、集中力の低下、記憶力の低下、睡眠障害など、仕事や学業の継続が困難になる方も多いといわれている。
 後遺症は社会生活上、非常に影響が大きく、例えば、子どもの場合は自分から症状を訴えることが難しいため、怠けていると捉えられてしまうおそれもある。
 京都市では、令和3年11月に専用相談窓口「きょうと新型コロナ後遺症相談ダイヤル」を府市協調で設置し、後遺症に悩まれる方々へ個別症状に応じた相談対応を行ってきたが、今後、感染症法上の取扱いの見直し等が図られるなど新型コロナへの向き合い方も変わる中で、後遺症に悩み生活に大きな影響を受けている方々の治療法等の確立は大変に重要な課題である。
 よって国におかれては、新型コロナウイルス感染症の後遺症の方々に寄り添い、一人一人の日常を守るために、下記の事項について積極的な取組を求める。

                   記

1 新型コロナウイルス感染症の後遺症の発生状況について、非常に近い症状の筋痛性脳脊
 髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)との関連も含めた、実態調査を推進すること。

2 一部医療機関で実施されている、Bスポット療法(EAT・上咽頭擦過療法)等の検証
 を進めるとともに、療法の標準化により、後遺症に対応できる医療機関や相談窓口を拡充
 すること。

3 自己免疫疾患との関連など、新型コロナウイルス感染症による後遺症の原因究明と新た
 な治療法の確立に向けた研究予算を確保すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣

アスベスト被害を抑える対策の強化を求める意見書
(令和5年3月22日提出)

現在、アスベストの健康被害が生じた場合は、労働者災害補償保険制度(労災保険制度)による補償や、石綿健康被害救済制度や建設アスベスト給付金制度による給付金等が支給されている。しかし、アスベストによる健康被害は今も増え続けており、アスベストの健康被害を受けた方々からは、一日も早い治療法の確立が求められている。京都市では市民の安心・安全な市街地環境を確保するとともに、アスベストの被害を未然に防止するため、民間の建築物に使用された吹付けアスベストの対策について、アスベスト含有調査助成事業・アスベスト除去等助成事業の支援を行っている。
 また、今後は、アスベスト建材の使用ピークから約50年が経過し、当時建築されたビルや家屋の老朽化による解体もピークとなる。
 よって国におかれては、今後のアスベストによる健康被害者の治療法の一日も早い確立と、アスベスト被害の発生防止に向け、下記の事項に全力で取り組むことを強く求める。

                   記

1 アスベストによる健康被害者の治療や進行抑制に効果のある研究・開発を促進し、その
 ための安定的な予算を確保すること。

2 地域の建築物におけるアスベストが含まれる建材の使用の有無の事前調査と解体・処分
 までの追跡調査を強化すること。

3 改正大気汚染防止法施行による建物の解体などにおける飛散防止対策の実施状況調査を
 強化すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、国土交通大臣、環境大臣

食料安全保障の確立に向けて地域の特色をいかした農業振興対策の強化を求める意見書
(令和5年3月22日提出)

京都市の農業は、安価な外国産による農産物の価格低迷や、自然災害等による収益性の悪化や所得の不安定等、担い手の減少にも歯止めが掛からない状況にある。
 少量多品目栽培により、振売りや直販のほか、様々な農産物の販路が築かれているといった農業の特性を踏まえ、令和3年3月に策定した新たな「京都市農林行政基本方針」において、農業の成長産業化とレジリエンスの向上を図り、「ひとと農地・森林をいかした持続可能な「新しい農林業」」を目指すこととしている。
 国においては、令和2年3月策定の「食料・農業・農村基本計画」において、将来にわたって国民生活に不可欠な食料を安定的に供給することを目指し、食料自給率の向上と食料安全保障を確立させることとしている。
 よって国におかれては、食料自給率向上のためにも、地域の特色をいかした農業振興、多様な農業の担い手を育成・確保するための施策の充実を実現するよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、農林水産大臣

エネルギー・食料品をはじめとした価格高騰等への追加対策を求める意見書
(令和5年3月22日提出)

ロシアによるウクライナへの侵略に端を発した資源価格高騰の影響等による世界的な物価高騰が、国民生活や事業活動に大きな影響を与える中、物価上昇の主因であるエネルギー・食料品や、特に影響を大きく受ける低所得者への支援に焦点を当て、これまで予備費の活用や総合経済対策・補正予算による対応など累次にわたって重層的な対策が講じられてきた。こうした対策は、ガソリン価格の上昇抑制や、本年2月からは電気・ガス料金の激変緩和措置が消費者物価の上昇を1%程度抑制するなど、生活者・事業者の負担軽減に確実な成果を挙げている。
 他方、これまでの資源高、円安による食料品を中心とした物価高騰は続いており、また、ウクライナ情勢の先行き等が依然不透明な中、世界的な物価高騰や我が国経済に与える影響は予断を許さない。こうした中、電気料金の値上げをはじめ、今後の物価動向について市民や事業者の皆様から不安の声が届いており、こうした声をしっかりと受け止め、万全の対策を講じることで、何としても市民生活・事業活動を守り抜いていかなければならない。本市においても「京都市中小企業等物価高騰対策支援金」の申請件数が想定を超えるなど、物価高騰の影響は大きく、きめ細かな支援の一層の強化が不可欠である。
 よって国におかれては、総合経済対策・補正予算の執行の更なる加速と共に、これを補強するため、エネルギーと食料品等について、低所得者、とりわけ低所得の子育て世帯へのきめ細かな対応を含め、効果的な追加策を速やかに実行することを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、農林水産大臣、内閣府特命担当大臣(金融)、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

こども政策の強化に向けた意見書
(令和5年3月22日提出)

急速に進展する少子化により、こども政策の強化は先送りの許されない喫緊の課題である。令和5年4月には、「こども家庭庁」が設立され、令和5年6月の「経済財政運営と改革の基本方針」において、将来的な予算倍増に向けた大枠を提示するとされている。岸田総理は、次元の異なる子育て支援策の推進を表明しており、こども政策は大きな局面を迎えている。
 よって国におかれては、こども政策の強化に向け、下記について取り組むよう求める。

                   記

1 保育士配置基準の抜本的な改善に取り組むとともに、保育所等の老朽化対策等の施設整
 備に係る補助率のかさ上げ等の財政措置を講じること。

2 多子世帯の保育料の負担軽減について、子どもの人数に応じた軽減が受けられるよう、
 所得制限や年齢制限の撤廃等、施策の拡充を図ること。

3 放課後児童クラブ等の運営費において、効率的な運営の促進に要する経費及び施設を確
 保・維持するための補助単価の増額など財政措置の拡充を図ること。

4 児童手当を中心とした経済的支援の強化について、安心して、子どもを産み・育てるこ
 とができる環境を整え、子ども医療費助成制度についても、長期的に安定した持続可能な
 全国の一律の制度を創設すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣(少子化対策)、こども政策担当大臣

地域のグリーントランスフォーメーション(GX)の促進を求める意見書
(令和5年3月22日提出)

気候変動により、世界中で大規模な自然災害が発生するなど、気候変動への対応は今や人類共通の課題となっている。世界的に脱炭素への機運が高まる中、我が国においても2030年度の温室効果ガス46%削減、2050年のカーボンニュートラル実現という目標を掲げている。
 そのような中、京都市においては自治体として全国に先駆けて2050年CO2排出量正味ゼロを宣言し、この間、地球温暖化対策に精力的に取り組んできたが、今こそ需要サイドにおける徹底した省エネや循環経済の構築と共に、供給サイドにおける再生可能エネルギー等の普及拡大による、地域のグリーントランスフォーメーション(GX)が必要である。
 よって国におかれては、飛躍的な省エネと創エネ、それらを加速する革新的なイノベーションの創出による地域のGXで、新しい経済成長を実現するために、下記の事項に総力を挙げて取り組むことを強く要請する。

                   記

1 各家庭の省エネ促進に向けて、関係省庁で連携して、省エネ効果の高い断熱窓への改修
 など住宅の省エネ化や、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた電力の自給自足への支援を強
 化すること。

2 天候に左右されて出力変動が起きてしまう再生可能エネルギーの特性を補うため、需要
 側でのデマンドレスポンスを促進するとともに、蓄電池の大容量化・低コスト化や、余剰
 電気を水素で蓄えること等を可能とするための研究開発を加速すること。

3 家庭向けのヒートポンプ給湯器や家庭用燃料電池など、また、産業向けの産業用ヒート
 ポンプやコージェネレーションなど、熱需要の脱炭素化・熱の有効利用に向けた省エネ設
 備等の導入を促進すること。

4 2030年代後半に想定される太陽光パネルの大量廃棄に備えて、適正処理や再生の施
 設整備への投資の促進や、太陽光発電施設の維持管理・更新など、再エネによる電力供給
 量を 確保するための制度的措置を検討すること。

5 「系統整備」には莫大な資金が必要となるため、資金調達等が可能となる環境整備をす
 ること。さらに、期間の短縮や経済合理性を踏まえ、より効率的な送電システムの整備へ
 の技術開発を強化すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣、資源エネルギー庁長官

性的指向・性自認に関する理解促進を図るための法整備を求める意見書
(令和5年3月22日提出)

近年、LGBTQなどの性的マイノリティに対する認知が大きく進む一方、日常生活や、就職活動を含む職場や学校などの社会生活においては、性的指向・性自認を理由とする差別を受け、多くの当事者が本来の自分を隠して生きている現状がある。
 性的マイノリティは、性的指向・性自認をカミングアウトした場合や、意図せずに知られた場合、差別や偏見、ハラスメントに直面し、自死のリスクが高いことも指摘されている。また、性の在り方(セクシュアリティ)が本人の同意なく第三者に暴露されるアウティングも大きな問題となっている。性的マイノリティに対する差別言動がなくならない現状は、性的マイノリティの安全を脅かしており、性的指向・性自認を理由とする差別の解消は、喫緊の課題である。
 京都市においては、人権施策の基本指針を定めた「京都市人権文化推進計画」に基づき、LGBT等の性的少数者の方々を含めた全ての人々の人権が尊重され、誰もが安心して生活し、活躍できる「人権文化の息づくまち・京都」の実現に向けて、人権教育・啓発等の様々な取組を進めてきたところである。更なる差別の解消に向けては、国全体としての取組を進めていくことが必要である。
 よって国におかれては、性的マイノリティが日常生活や社会生活において、また、パートナーと生活を共にする場合にも、差別的な取扱いを受けることがないように適切な措置を講じるとともに、社会全体が性の在り方の多様性を認め合うことを目指し、性的指向・性自認に関する広く正しい理解の促進を図るための環境整備を行うよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、法務大臣、共生社会担当大臣