令和3年定例会(11月市会)

最終更新日:令和3年12月9日

意見書・決議

コロナ禍における農産物への影響の改善を求める意見書

(令和3年12月9日提出) 

新型コロナウイルス感染症の拡大により,昨年は,外食産業における米や京野菜などの農産物の需要が急激に減少し,現在も米価格の大幅下落などの影響が長期化している。
よって国におかれては,来年以降も農産物の生産が継続されることにより,都市における美しい景観や自然環境に寄与する水田農業を維持するとともに,長年にわたり育まれてきた京野菜などの他の農産物の生産に影響が及ばないよう,下記の事項について実現するよう強く要望する。

                     記

1 米の過剰在庫が生じないよう,販売先の確保や販路拡大に対し支援するとともに,京野菜や酒米などの高収益作物への転換に必要な機械・施設の整備に対し支援すること。
2 人口減少や食生活の多様化により農産物の需要が減少する中,おいしさや健康面での効果などの米・野菜の魅力発信や和食文化の推進など,農産物の消費拡大を図るためのより一層積極的な対策を行うこと。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,農林水産大臣

沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないよう求める意見書
(令和3年12月9日提出)

沖縄島南部は沖縄戦の激戦地であり,凄惨な地上戦の犠牲になった沖縄の住民のみならず,日本全国から召集された日本兵をはじめ,国籍,軍人・軍属,民間人の区別なく,様々な背景の戦没者の遺骨が現在も眠っている。
 2016年,国会において,「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」が全会一致で成立し,同法において,「戦没者の遺族をはじめ今次の大戦を体験した国民の高齢化が進展している現状において,いまだ多くの戦没者の遺骨の収集が行われていないことに鑑み,戦没者の遺骨収集の推進に関し国の責務を明らかにする」ことを目的と記しており,2024年度までを「集中実施期間」と指定している。
 沖縄戦では,日本全国から召集された日本兵が「沖縄守備軍」として沖縄に駐屯し,京都府下出身の将兵も,2,530有余の人々が命を落とすこととなり,それらの人々の御冥福を祈るため,京都府市民によって,嘉数高台公園内に「京都の塔」が建立された。
 戦没者の遺骨収集が今も続く沖縄島南部から採取した土砂をあらゆる埋立てに使用することは,戦没者とその遺族の尊厳の尊重を求める願いに背くもので,人道上許されるものではない。一方で,日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性除去のための辺野古移設と,この議論とを混同してはならない。
 よって国におかれては,下記の事項を速やかに実施することを求める。

                     記

1 沖縄戦の戦没者の遺骨等が混入した土砂をあらゆる埋立てに使用しないこと。
2 日本で唯一,住民を巻き込んだ地上戦があった沖縄の事情に鑑み,「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」により,日本政府が主体となって戦没者の遺骨収集を実施すること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,外務大臣,厚生労働大臣,防衛大臣,内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)

HPVワクチン接種勧奨への支援を求める意見書
(令和3年12月9日提出)

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐワクチンについて,厚生労働省の専門部会は11月12日,8年以上中止していた積極的な接種勧奨を再開することを了承した。さらに,26日には,厚生労働省から各自治体へ,ワクチン接種についての積極的勧奨を来年4月に再開するよう通知がなされた。
 国内では,年間約1万1,000人が子宮頸がんにかかり,約2,800人が亡くなっている深刻な状況にあって,ワクチンは重要な予防手段である。
 2013年に,小学6年生から高校1年生までの女子への定期接種が開始されたが,その直後に,副反応の症状が出るケースが発生し,国民に不安が広がったために,厚生労働省は積極的勧奨を中止し,京都市においてもHPVワクチンの接種数が大きく落ち込んだ。また,その後,国会において,厚生労働省のミスリードとして糾弾し,その責任を問う質問がなされたこともあった。
 後藤厚生労働大臣が26日の閣議後記者会見で,再開の経緯について,「8年半の間に,ワクチンの安全性と有効性に関する知見を整理し直し,国民の理解を得るための広報を進めた」と説明されたとおり,この間,専門家の方々の御協力を得ながら,政府として真摯に検討を進めてきた結果,今般の積極的勧奨の再開に至った。
 よって国におかれては,子宮頸がんから女性の生命を守るためのHPVワクチンの積極的勧奨の再開に当たり,自治体から全ての方に有用な情報が届き,それぞれの判断の下に予防接種が推進されるよう,下記の取組を進めることを求める。

                     記

1 自治体からの周知は,全ての対象者へ郵送によりなされるようにすること。
2 HPVワクチン接種の安全性,有効性,救済制度などを市民へお知らせする指針を示すこと。
3 自治体が積極的勧奨を推進するために必要な支援を講じること。
4 接種機会を逃した女性へのキャッチアップ接種を行うこと。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣