「体も心もくたくた…」、こんな状態では健全な子育てはむつかしいですね。上手に体や心をほぐしてみましょう。簡単にできることからやってみましょう。
【リラクセーション】
ありのままの自分を認める
◆静かに目を閉じてイメージしてみてください。
お母さんもお父さんも、最初は子どもでした。
どんな子でしたか。思い出してみてください。
そんな子ども時代とよく似た子どもが目の前にいますよ。
◆自分らしく生きることは、素直に自分の気持ちを表現することです。
人間として誠実に生きようとすればするほど、対人関係をどう作っていくか悩むのです。いつも攻撃される前に攻撃したり、人の顔色ばかりをうかがったりしていると、疲れてしまいます。だから、率直に話をするのです。率直に話をしても人間関係は壊れません。あなたが誠実に、人間としての対等な関係を作りたいと願って、話をすればいいだけなのです。そのためにも、自分の発言や行動には責任を取る必要も生じます。
◆人と比較する必要もありません。
あなたの存在は、あなたがここにいるだけで素晴らしいものなのです。
あなたは、あなたの存在だけで、他の人に影響を与えることができるのです。
あなたはかけがえのない人なのです。
【抱っこをするとホッとする】
●抱っこって大切
産まれてすぐに、赤ちゃんはお母さんに抱っこされます。そしてその抱っこは、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても、大切なものを育てていくのです。つまり、お母さんの腕の中が赤ちゃんにとって安全な場所となり、自分は確かな存在であり、また世界は安心したものであるという感覚を育てていくのです。ですから、赤ちゃんの時の抱っこはとても大切です。あまりお母さんに抱っこされないで育った子どもは、自信を育てることができず、情緒が不安定になるかもしれません。
●抱きぐせについて
どんなに赤ちゃんを抱っこするのが好きなお母さんでも、1日24時間抱いていることはできませんし、よく抱いても1日のうちの何時間かでしょう。抱きぐせについてはあまり神経質にならなくてもよいでしょう。
●抱っこと甘やかし
赤ちゃんの時には抱っこされるのが当たり前で、お母さんも抱っこにあまり抵抗がないと思います。でも、子どもが成長するにつれて、抱っこの必要をあまり感じなかったり、また抱っこばかりしていると子どもを甘やかすことになるのではないかと心配もします。でも、大丈夫、どんなに抱っこしてあげても、けっして甘やかすことにはなりません。
●抱っこと「ことばかけ」
一人で動けるようになっても、なお、抱っこをせがむ子どもは、赤ちゃん時の抱っこが足りていなかったのかもしれません。また、下に赤ちゃんができた時にも、赤ちゃんと同じくらい抱っこをせがむこともあります。そんな時は、必ず抱っこしてあげましょう。そして赤ちゃんを抱っこする時と同じように、ことばをかけてあげるのです。「もうお兄ちゃんになったけど、今は抱っこしてほしいのね。さあ、抱っこしましょう。」など言いながら、子どもと目を合わせるようにして抱っこします。そして「何かお話したいことがあるのね。」など話かけます。お母さんには、何を話ししても大丈夫、と思ってもらえるようになります。
【育児のイライラから抜け出そう】
◆おおいに泣いて、笑って
泣いたり、笑ったり、といった感情表現は、怒りや悲しみをやわらげるはたらきがあります。音楽を聴いたり、映画をみたり、落語を聞いたり、テレビやビデオをみたり、本を読んだり、自分の時間をもってみると、イライラが吹き飛ぶかもしれません。
◆自分をほめてあげる
鏡を見て「よくやっているよ」と自分をほめてあげたり、自分に手紙を書いてあげましょう。自分のいいと思うころ、好きなところ、ほめてあげたいところをノートに書き出してもいいです。間違いや失敗もあるかもしれません。でも完ぺきな人間なんていないのです。「がんばっている」と自分を認めてあげる気持ちが、生きていくうえでいちばんの元気の源となるのです。家族や周囲の人がほめてくれなくても、どんなときも、自分で自分をほめてあげましょう。
◆自分を許してあげる
疲れているときなど、ついつい子どもにつらくあたってしまうときって、ありますよね。子どもがわがまま言ったり、駄々をこねて甘えてくると、だんだんイライラしてきて手を上げてしまったり…。こんなときこそ、自分を許してあげましょう。たとえば、お風呂の中で「反省してるんだよね、わかればもういいよ」「毎日頑張ってるね、大変だったよね」など、なぐさめと励ましの言葉を自分にかけてあげたら、気がとっても楽になるかもしれませんね。
◆友だちや仲間を見つけよう
同じ悩みや苦しみを共有できる友だちや仲間を見つけて、「大変だね」「よくやってるね」とお互いを認め合い、ほめあいましょう。心から共感しあえる仲間がきっといるはずです。
◆話を聞いてもらう
悲しい気持ちをほかの人に聞いてもらうことによって、悲しみがやわらぎます。話を聞いてもらうということが大きな効果を発揮します。相手は、家族の人、友人、知人、どんな人でもかまわないのです。
◆「子どもの時間」を取り戻す
子どもと一緒にいると、夢中になって遊ぶこと、わくわくすること、面白がること、人生を楽しむことのすばらしさを、子どもが教えてくれます。子どもと一緒にのびのび自由にクレヨンで絵を描いてみたり、海や川でびしょぬれになって水遊びをしたり、親子で「子どもの時間」を取り戻しましょう。
◆自分の心の内側に目を向けて
落ち着ける場所で、楽な姿勢で目を閉じ、大きく深呼吸します。気持ちを自分の心の内側に向けていき、「小さな子どものあなた」を思い浮かべます。その子の姿や表情、あなたになんと言いたいのかを聞いてあげます。あなたの心のなかにわき上がってきた感情は、小さな子どものあなたが、今のあなたに伝えたい気持ちです。
◆自分のための時間をもとう
1週間に1〜2回でも、誰かに子どもを預けて、自分が楽しむため、自分のことを考えるためだけの時間をとってもいいのではないでしょうか。たった数時間でもかまいません。子どもは最初のうちは泣いて、駄々をこねるかもしれません。でも、何もかもが自分の思いどおりになるわけがないと知ったり、お母さんがどんなにいい顔で戻ってきて自分を抱きしめてくれるか、という体験もできるのです。子どもの力と子どもを預かってくれる人を信じてください。
「心を抱きしめると子育てがかわる」著者:萩原光 より一部転載および参照 |