子育てに疲れたあなたに気分転換のヒントを集めてみました。少しずつできることから始めて上手にリフレッシュしてみませんか。
●ヒントその1:子どもとの会話にあいづちを打ちましょう
例 |
「そうなんだ」「その気持ちよくわかるよ」「すごいねー」
「悔しかったね」「そう、それからどうなった?」
「お母さんも(お父さんも)小さいころ、そんなことあったよ」 |
会話の途中でイライラしても、じれったくても、ぐっと我慢してあいづちを打ちましょう。とっさに返答が出来ない時は「ちょっと待ってね」と言いましょう。
どうしても禁止が必要な時は、「あっ、ちょっと待って!」、「あぶないよ」、「困ったなあ、どうしよう?」と言って時間を空けます。
周囲の人に対しても、同じようにできるといいですね。
●ヒントその2:子どもと一緒に何かを作ってみましょう
作るものは何でもOK! 絵を描いたり、料理をしたり、工作も楽しいですね。
料理は段取りを考え、創造性を養うには最適です。
味噌汁、目玉焼き、ホットケーキ、サンドイッチなど簡単なものから始めましょう。子どもにとって、まな板の上で何かを切るというのは、大人が思うほど簡単なことではありません。こぼしたり、ひっくり返したりしますが、叱らないで終わってから一緒に掃除しましょう。
大きな模造紙を壁に貼り付け、思いっきり自由にクレヨンで一緒に落書きをしたり、石ころや葉っぱを集めてきて、箱庭を作ったりするのも楽しいです。
●ヒントその3:グチを聞いてもらいましょう
信頼できる人にゆっくり子育てのグチを聞いてもらいましょう。
できれば直接会って、無理なら電話やメールで。
楽しかったこと、悲しかったこと、何でもOK。友達、祖父母、両親、近所の人、メール友達、保育園や幼稚園の先生、保護者など。
無理と決めつけないで、勇気を出して話してみませんか? 時間を少し頂きましょう。「グチを聞いてもらいたい!」と表現するだけでも立派な第一歩。相手のグチも聞いてあげられるようになったら大成功!「今はゆとりがないけれど、今度は私がグチを聞いてあげるね」と提案してみてはいかがですか。
あらかじめ時間の約束をすることも大切!また、相手がいなかったら、紙に書き出してみましょう。素直に書くことで考えが整理されます。数行だけでもいいのです。
●ヒントその4:ほめましょう
どんな小さなことでも子どもや知人、友人をほめましょう。
「簡単にできない!」なんて言わないで人のいいところ、素敵だなあと思うところを見つけましょう、そしてその思いを表現してみましょう。あなたの素敵なところも見つけてもらえます。何だか不思議にいい気持ちになってきます。
子どもに対しても照れくさがらずに、大げさなくらいにほめましょう。ほめられた時の子どもの目、しぐさ、声などを観察してみましょう。勇気をもって子どもを抱きしめて、思いっきり「かわいい、かわいい」と言ってみて下さい。抱きしめることはとても大切!
小学生でも喜んでくれますよ。
例 |
「上手だね、すごーい!」
「○○してくれてありがとう」
「○○ちゃんがお母さん(お父さん)の子どもでうれしい」
「かわいいねー」 |
スキンシップをしながら言えると素敵です。子ども体は柔らかくて、ほっとします。
ほめているのに子どもが憎まれ口を返してきたとしても、カッとしないで。照れて口答えをすることだってあるのです。
●ヒントその5:自分の暮らしを振りかえってみましょう。
食事をちゃんと作っていますか?子どもと一緒に食事をしていますか?
1週間のメニューを(外食も含めて)書いてみましょう。出来合いの惣菜ばかりになっていませんか?お米を炊いていますか?野菜を切ったり、煮たりして料理を作って子どもに食べさせていますか?
子どもの頭をなでたり、手をつないでみたり、膝の上にのせていますか?髪の毛をゆっくりブラッシングしたり、爪を切ったり、膝枕で耳垢を取ったりしていますか。
子どもの目を見て話していますか?背中越しの会話や、命令、禁止ばかりしていませんか?どなったり、ば倒したりしていませんか?
「何回言ったらわかるの!」「バカじゃないのっ!」「愚図だから」「だから言ったじゃないの!」なんて一日中、言っていませんか?
泣きわめく時は、じっと抱き締めて、だまって頭をなでてあげましょう。
あばれる時は「ダメなものはダメ」という静かで、毅然とした態度で黙って見守りましょう。疲れたらきっと泣きやみます。でも目は離さないで。
ゆっくり振り返ってみると、自分は怒ってばかりなんてこともあります。習慣になってしまう前に、ここらでストップしましょう!
●ヒントその6:映画やビデオを見ましょう
ストレートに自分のありのままの感情を出す練習には、映画やビデオがおすすめ。
思いっきり泣ける、あるいは笑えるビデオを見る。子どもが寝静まってから、1日くらいビデオで夜更かしもいいでしょう。
思いっきり笑ったり泣いたりするのは、とてもストレスの解消になります。
さあ、モヤモヤを吹き飛ばしてスカッとしてみましょう。
見終わった後、気持ちが軽くなっているでしょう。1回につき1本にしましょう。
●ヒントその7:子どもを交換して世話をしてみましょう
子どもを交換して世話をすると、よその子どもに対しては冷静になる自分を発見します。そして、自分の子どものすばらしいところにも気づくでしょう。
子どもは自分の「モノ」ではありません。人格をもった人間です。勘違いして感情のおもむくままに接していませんか?
子どもと自分との関係について冷静になるために、第三者に意見を求めてみましょう。
子どもを預かった後で、「叱り過ぎてない?」「どうしたらいい?」など、正直に話してみませんか?
●ヒントその8:ほっとしてみましょう
自分に何かプレゼントを! 高価なものではなく、好きな花、心地よいソックス、ケーキ、カード…なんでもいいのです。
短時間でも、ひとりになる時間をつくりましょう。音楽を聴きながら、だまって過ごしましょう。テレビや携帯も電源をしばらくは切って下さいね。「しーん」としてみましょう。ザワザワした気分でも徐々に落ち着きます。
ひとりになれない人や、忙しすぎる人もあきらめないで!自分のすきな場所、心地よい空間を思い出してみるのもいいですね。子どもが産まれた時の写真を見て、自分の気持ちを思い出してみるのもいいでしょう。
自分の時間が持てないと思い込んでいませんか?子どもは日々成長するものです。いずれ、ゆっくり1人の時間を楽しむことができるようになりますよ!
●ヒントその9:子どもの友だちについての話してみましょう
かっこいい、あるいはちょっと嫌だなあと思っている友だちの、どんな点が好きか、あるいは困っているかを、聞いてみるといいアドバイスができますね。困っている点は、その人の人格を攻撃するのではなく、どこが困るのかを理解し改善する方法を見つけることが大切です。
子どもの好きなアニメーションのヒーローやヒロイン、タレントの、どういうところが好きなのか、聞いてみるのも会話が弾みますね。
例 |
「○○くん、かっこいいねー。○○ちゃんはどう思う?」
「いつも○○ちゃん、元気に挨拶してくれるね。うれしいね」 |
話が弾まなくて、子どもが興味を示さなくてもイライラしないこと!
練習だと思って時間をかけて根気よく会話しましょう。今日できなくても明日ならできるかもしれません。
●ヒントその10:ハガキや手紙を書こう
おじいちゃん、おばあちゃんにご無沙汰していませんか?離れている人にハガキを書いてみましょう。書いたことがなくて、難しいなと思う人は、絵葉書やイラスト入りのカードでもいいですね。お世話になった方や気にかかっている人に出してみましょう。
「元気かな?」「会いたいなあ」「子どもがやんちゃで困る」
そんな自分の素直な言葉で始めるといいですね。
1人〜3人くらいに出せるといいですね。返事が来なくても気にしない。「相手を思い浮かべる」、これが大切です!!
内緒で子どもにハガキを書いて出してみるのも楽しいです。受け取った子どもの表情を見て下さい。50円で、こんなに喜ぶなんて!と感動するはず。
●ヒントその11:子どもと一緒に真剣に遊ぼう!
仮面ライダーごっこも楽しい。コツは自分も子どもになりきって楽しむこと。
「水鉄砲ごっこ」、新聞をまるめて(叩いても痛くない)「チャンバラごっこ」、昔を思い出して「ままごと」もいいですね。
好きな歌をかけて、一緒に歌ったり、踊ったり、子どもの手をつないで体を左右にゆすってみる、くるくるまわる、それだけでもストレス発散ができます。
屋外で自然にふれるのも、すかっとします。植物を育ててみたり、汗を流したり、大げさなことをしなくても、雲を眺めるだけでも十分。カエルや虫を観察するのも楽しいですよ。
●ヒントその12:苦手な人に挨拶してみましょう
どうにも苦手だなと思う家族や知りあいに、元気よく挨拶をしてみましょう。
敵意の心は相手だけが悪いのではなく、あなたにも原因があるかもしれませんね。そんな憎しみの気持ちは、できるだけ早く追い出してしまいましょう。油断するとすぐにふくれてきます。人の気持ちは必ず変えることができます。性分は持って生まれたものですが、それをよい方向に表現するように自分を変えることが大切です。
そんなきっかけづくりは、相手の目を見て、にっこりと大きな声で挨拶することから始めましょう。「おはようございます!」と言われると、相手もきっと喜んでくれるはず。もし、相手がね「ぶすっ」として返事をしなくても気にしない、気にしない!
●ヒントその13:たまには早めに休みましょう
休息をとらないと、ストレスがたまるばかりです。子どもも早く休ませましょう。
家族に前もって宣言しよう!「今日は早く休みます!」と。
睡眠不足、空腹感、そして疲れがたまると、怒りっぽくなるのが人の常。あなただけが特別なのではありません。まずは自分の体調を整えましょう。
ぐっすり眠る、バランスよく食べる、運動をする、歩く、お通じもよくなりますね。
ぬるめのお風呂にゆっくりつかって、いつもよりていねいに体を洗いましょう。ゆとりがあれば、静かな音楽を聴きながら入浴するのもいいですね。睡眠前には明かりを少し落とすと、自然に眠くなります。横になったら、眠る前に「今日も元気に過ごせて、ありがとう」と心で念じて下さい。きっと優しい気持ちになります。
●ヒントその14:何か新しいことに挑戦してみましょう!
新しい趣味や楽器の演奏にチャレンジしてみませんか?
いつも、時間ができればやってみたいなと思っていることはありませんか?
何ごとも思うだけでは始まりません。勇気を出してトライしてみましょう。
「途中で止めてもいい」と思うくらい軽い気持ちでスタートする方がいいですね。
自分だけの世界があると、心にゆとりができます。
特別に外に出かけなくても、教育番組で楽しい番組がたくさんあります。
●ヒントその15:アサーティブ・トレーニングのすすめ
アサーティブ:自分の要求や意見を、誠実に、率直に、対等に表現すること |
1.こころに思った要求を、ことばに出してみよう。
2.「No」という気持ちを伝えてみよう。
3.恥ずかしがらずにほめられてみよう、気負わずに人をほめてみよう。
4.「聴く」態度を身につけよう!
→「聴く」ことをこころがけてみましょう。それは「耳」できくだけでなく「目」と「心」できくことです。目を見つめ、耳を傾け、一所懸命聴こうと努力する姿勢が大切なのです。
だからこそ、話の途中で、大きくうなづいたり、相づちを入れたりして、「きいていますよ」という態度も必要なのです。
顔だけを向けていませんか。顔も向けずに、背中で話をきいていませんか。
→ 子どもたちは「おかあさん、おとうさん」と大声で呼びます。わずか、所要時間は2、3分です。どんなに忙しくても、返事をして、子どもの目の高さまで下りて、目を見つめ合って話をしてはどうでしょう。
広島女学院大学 助教授 石井三恵 監修
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