成長のスピードやステップごとの自己表現も、それぞれの子どもによって異なります。ここではおおよその目安を学んでみましょう。
【幼児期(1〜6才)の心理的発達としつけ】
子どもの発達は、ゆっくりと各駅停車で進むようなもの。一足飛びに発達するものではありません。また、発達のすすみ方は子どもによって異なり、発達の幅があります。他の子と比較して一喜一憂するのではなく、長い目で子どもの発達を見守るように心掛けてください。
<幼児期の心理的発達>
幼児期は心理的発達の面から前半(1歳〜3歳)と後半(3歳〜6歳)に分けられています。
●幼児期前半(1歳〜3歳)
赤ちゃん卒業と自我のめざめのころで、まねをしたがり、何でも欲しがります。
ほめられると乗りやすいがすぐに飽き、しかられると怒り、泣き虫になったり、かんしゃくをおこし、気に入らないとひっくり返ったりする時期です。
がまんすることが苦手で、少し恥ずかしがり屋にもなってきます。この時期の目標は自立性を育てることと生活習慣の確立です。焦らず、子どもの個性をみとめ、1つ1つ気長に根気よく関わりましょう。その際に「声かけ」を忘れずに! |
●幼児期後半(3歳〜6歳)
遊び好きでおしゃべりが好き、身のまわりのこともできるようになり、約束もわかってきて、友だちもできます。
はじめは意地っぱりでへそ曲がりですが、徐々に優しさや思いやりが身について、善い悪いの判断も少しずつ分かるようになり、お兄ちゃんお姉ちゃんらしくなってきます。この時期に自立性と社会性が養われます。 |
<幼児期のしつけ>
◆1歳半〜2歳
<生活習慣のしつけ> |
●睡眠
就寝・起床のリズムをつくる。
昼寝は1日2時間以内。
寝言、寝ぼけ、夜泣きなどが現れるが心配ない。 |
●食事
1日3回の食事は規則的にとる。
家族と一緒に食事することで心満たされる。
自分で食べたがる気持ちを大切に。
手洗いの習慣をつけさせる。 |
●大小便
1歳半頃より大小便のしつけを始めるが失敗しても叱らない。
予告ができるようになるが、個人差がある。
早めに何度もトイレに連れていくのは自立を遅らせる。 |
<運動と遊び> |
危険に十分注意したうえで子どもの動きを制限せず、独立心を損なわないよう、思いきり遊ばせる。
外遊びや、散歩を日課にしましょう。 |
<親子関係> |
親子の触れ合いから人への信頼感が生まれ社会性を育てることになります。
自我の芽生え、社会性の発達ができてきます。 |
◆3歳〜
<生活習慣のしつけ> |
●大小便
ほとんど予告することができる。後始末も自分でできるように援助する。夜尿は時々あるが失敗しても叱らない。衣服の着脱、後片づけなどを手伝わせたりして、徐々に一人でさせるようにする。 |
<社会性のしつけ> |
●良いこと、悪いことはその場でほめ、叱る。
●反抗は自我の芽生えであり、一過性であるため見守る。 |
<ことば> |
●ことばの数が飛躍的に多くなり、会話することができる。
●子どもが話しかけてくるときに適切な返事をする。
●ゆっくり楽しく会話をする。 |
<親子関係> |
●親の態度は具体的に表す。
●子どものしたいこと、いいたいことは尊重し、無視しない。
●一貫したしつけを、その時その時でやり方を違えないようにする。 |
「心と体の検診ガイド」出版:日本小児医事出版社 より一部転載および参照
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