京都市会だより 平成28年
最終更新日:平成28年12月15日
京都市会だより第84号(HTML版)
- 平成28年(2016年)12月15日発行
- 発行/京都市会
- 編集/京都市会事務局
- 〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地
- TEL.075(222)3697 FAX.075(222)3713
【目次】
9月市会後半の報告
9月21日〜10月26日
平成27年度決算を認定
9月21日の本会議では市長から83件の議案が提出され、このうち、平成28年度一般会計補正予算案は9月28日の本会議において可決し、同日に追加提出された染織家の志村ふくみ氏を名誉市民として表彰する議案に同意しました。また、平成27年度決算をはじめとする残りの議案82件については、10月26日の本会議で全て認定・可決しました。また、議員提出議案については、意見書13件のうち8件を、決議2件のうち1件を、可決しました。
平成27年度決算を徹底的に審査!
平成27年度決算について、全会計決算規模1兆6,365億円となる決算書をはじめ、収支の分析や主要な施策の推進結果などをまとめた実績報告書等が、監査委員の意見書を付けて市長から提出され、決算特別委員会で詳しく審査しました。
<平成27年度決算の特徴(抜粋)>
全会計規模 1兆6,365億円(対前年比 482億円増)
●一般会計の実質収支の黒字を確保
●一般会計・特別会計・公営企業会計の全会計を合わせた実質収支の黒字を確保
●全会計・一般会計ともに実質市債(借金)残高を着実に縮減
●しかし、財政基盤(税収)がぜい弱、国の税制上の措置が不十分などの理由から、公債償還基金の取崩しなどの「特別の財源対策」に依存せざるをえないなど、本市の財政は依然として厳しい。
中学生に直接傍聴いただきました!
10月18日の決算特別委員会(市長総括質疑)を、京都教育大学附属桃山中学校2・3年生15名が直接傍聴されました。「議会は固いイメージだったが、思ったより自分たちに身近な議論がされていて親しみを感じた」などの感想をいただきました。
今号では、9月市会の後半(10月3日〜10月26日)の審議結果などについてお伝えしています。補正予算の審議や代表質問などが行われた9月市会前半(9月21日〜9月30日)の内容については、前号(第83号)に詳しく掲載していますので、こちらからご覧ください。
またきち&マタリーヌの市会のツボ!
マタリーヌ:9月市会の後半は決算の話がメインだったのね!
またきち:そうだよ、9月市会は「決算市会」と呼ぶこともあるんだ。ちなみに、2月市会は「予算市会」だよ。
マタリーヌ:決算って、簡単に言うと、去年1年間のお金の出入りをまとめたものよね?なぜ9月になってから話し合うの?遅くない?
またきち:それはね、例えば一般会計は、前年分のお金の出入りを整理できるのが5月末なんだけど、そこから、
① 会計管理者が決算書等をまとめ、市長に提出(8月末まで)
② 市長は決算書等の監査を、監査委員に依頼
③ 市長は、②の監査委員の意見を付けて、決算書等を市会に提出
という手続きが必要だから、9月市会で決算を審議することになるんだ。
マタリーヌ:なるほど〜。でも、そもそも、なぜ決算を市会で話し合わないといけないのかな?使っちゃったものはしょうがない!……ではダメなのね?
またきち:もちろんだよ!市の予算を決めるのは市会の重要な仕事だけど、予算はあくまで見積り。それが実際にどう使われたのか、それで市民のくらしが本当に良くなったのかなど、決算に基づいて市会で十分に議論・検証して、次の予算を決めるときに活かすことも、また重要な仕事なんだよ!
マタリーヌ:そっか!決算は、ただ過去の数字が並んでるだけじゃなくて、未来の京都を良くするヒントがいっぱい詰まってる……だから決算市会での議論が大切なのね!
9月市会 審議の流れ
〜本会議・委員会がフル回転!〜
ここでは、今回の9月市会の審議の流れについて、本会議と委員会、それぞれの活動に着目しながら振り返ります。
9/21 本会議・・・9月市会スタート!
平成27年度決算をはじめとする議案83件が市長から提出されました。このうち平成28年度一般会計補正予算案については、予算特別委員会を設置し、付託しました。
(メモ)
付託…議案の詳しい審査を委員会に託すこと
9/23 予算特別委員会
本会議で付託された議案について、第1小委員会・第2小委員会を置いて、施策を担当する局ごとに局長等との質疑を行いました。
9/27 予算特別委員会(討論結了)
(メモ)
討論結了…会派ごとの会議で予め賛成・反対の意見を取りまとめたうえで、議案に対する委員会としての結論を出すこと
9/28 本会議
予算特別委員長からの審査結果の報告を踏まえ、補正予算案を可決しました。
(その他、当日に追加提出された1件の議案に同意。)
また、決算とその関連議案については決算特別委員会を設置して付託し、その他の議案は常任委員会に付託しました。
9/29・30 本会議(代表質問)
議員が各会派を代表して、市長等に対して、市政のあらゆる事業や取組等について質問を行いました。
(メモ)代表質問は、議案の内容に関係なく行うことができます。
10/3〜18 決算特別委員会
〇書類調査(10月3日)
平成27年度の収入や支出に関する実際の書類などを確認しました。
〇局別質疑(10月4日〜12日)
本会議で付託された議案について、決算特別委員会第1〜第3分科会を置いて、施策を担当する局ごとに局長等との質疑を行いました。
マタリーヌ:局ごとに時間をかけて、細かく丁寧に決算を審査したのよ!
〇市長総括質疑(10月17日・18日)
局別質疑での議論を踏まえたうえで、更にその議論を深めるため、市長や副市長等に対して質疑を行いました。
またきち:市長総括質疑は、9月市会の一番の見どころ!議員と市長等が、一問一答で熱い議論を交わしたよ!
<決算特別委員会の議論から(抜粋)>
Q議員
27年度決算は全会計連結で黒字となったが、これは特別の財源対策(公債償還基金の取崩しなど)の結果であり財政は非常に厳しい。新税の検討も開始されているが、持続可能な未来に向けた今後の財政運営は。
A市長
27年度は京(みやこ)プランの総仕上げの年であり、各取組を推進する一方、行財政改革を徹底し黒字を維持できた。引き続き行財政改革を推進し、財政基盤強化のための積極的な投資を行うほか、新税についてもあらゆる観点から議論して取り組む。
Q議員
決算では黒字が強調されているが、市民福祉の向上の達成が一番の評価基準であり、そのためには赤字もありうるのでは。本市の財政が厳しいのは地方交付税の削減が原因であり、トップランナー方式の導入中止を国に求めるべき。
A市長
財政が赤字でよいという認識はなく、政策を前進させた結果財政がどうなったか、トータルで評価してほしい。今後も、市民生活を守り持続可能なまちづくりを進めるため、必要な財源確保に向け、徹底した行財政改革を進める。地方交付税については、国に対し必要額の確保を要望していく。
10/19・20 常任委員会
本会議で付託された、条例制定・改正、契約の締結などの議案について、施策を担当する常任委員会ごとに、局長等との質疑を行いました。
〇経済総務委員会・教育福祉委員会(10月19日)
〇くらし環境委員会・まちづくり委員会・交通水道消防委員会(10月20日)
10/25 決算特別委員会・常任委員会(討論結了)
10/26 本会議・・・36日間に及ぶ9月市会の審議が終了!
決算特別委員長、各常任委員長からの審査結果の報告や、各会派の代表議員による議案に対する賛成・反対の立場での討論(意見表明)を行ったうえで、決算については全て認定、その他の議案についても全て可決しました。
また、議員提出議案として、意見書を8件可決、決議を1件可決しました。
<京都市美術館の再整備に関する決議>
ネーミングライツ問題や入札不調など、これまでの経過を反省し、議会と十分な議論を行い、市民の信頼を回復し、美術館再整備を進めるよう求めました!
→詳しい審議結果はこちらから!
(メモ)
意見書…本市の公益に関することについて、市会としての意思を「意見書」として国会や関係省庁等に提出するもの
決議…本市の公益に関することについて、市会としての意思を表明するもの
議長記者会見を実施しています!
5月・9月・11月・2月市会の終了後には、議長による記者会見(副議長同席)を実施しています。記者会見の録画や摘録はこちらからご覧いただけます。
もっと!常任委員会!
〜くらしに身近なことをギロンしています!〜
<平成28年4月〜10月の動き>
常任委員会って…?
議員が市政の分野別にグループに分かれて、様々な事業や取組等について詳しく丁寧に議論を行うため、5つの常任委員会を設置しています。
各常任委員会は、1年を通じて毎月2回程度、会議や調査などを行っています。
〜ポイント〜
・本会議で付託された議案や、市民の皆様からの要望である請願・陳情の審査を行います。
・市の事業や取組等について市長側から報告を聴取して、質疑や議論を行います。
・「一般質問」として、委員会の担当する分野全般にわたり、現状や将来に向けての方針等の確認、政策提案などを行います。
・他都市の先進的な事例等を調査する「他都市調査」や、主に市内の施設等の現状等を把握する「実地視察」を行います。
経済総務委員会(年間テーマ:「文化庁の京都移転」「防災に関する取組」)
市全体の計画、財政や税金、産業や観光などに関することについて担当しています。
熊本地震に対する本市の支援状況、文化庁の京都移転へ向けての取組、民泊の現状や対策、宿泊施設の拡充や誘致に関する方針、若者の投票率向上に向けた大学構内への期日前投票所設置の効果などについて議論しました。
〇実地視察 7/19
京都芸術センター(文化庁の京都移転準備)
〇他都市調査 8/24〜26
川崎市:公契約条例
横浜市:インバウンド誘致の取組
世宗特別自治市(韓国):省庁移転
東京都:人事考課制度等
墨田区:新ものづくり創出拠点事業等
(メモ)
年間テーマとは…委員会としての積極的な政策提案等につなげるため、年間を通して特に重点的に研究を行うテーマを設定し、活動しています。
またきち:例えば「民泊」の問題については、観光、ごみ処理、旅館業法など、様々な観点から、複数の委員会で議論されているんだよ!
くらし環境委員会(年間テーマ:「スポーツ振興」)
環境・エネルギー政策、まちの美化やごみ対策、文化やスポーツ、市民のくらしなどに関することについて担当しています。
焼却灰溶融施設訴訟の判決への対応、京都市美術館の再整備に伴うネーミングライツ導入の是非、横大路運動公園をはじめとする市内スポーツ施設の維持管理などについて議論しました。
〇実地視察 6/21
京都市南部資源リサイクルセンター、京都市横大路運動公園
〇他都市調査 8/22〜24
北九州市:北九州スタジアム、北九州次世代エネルギーパーク・水素タウン
福岡市:水素リーダー都市プロジェクト、鴻臚館跡・福岡城跡の保存・活用
防府市:バイオガス化施設
教育福祉委員会
学校教育や生涯学習、福祉や子育て、保健や医療などに関することについて担当しています。
子ども若者はぐくみ局(仮称)の創設に向けての考え方、貧困家庭の子ども等の実態把握や対策、介護予防・日常生活支援総合事業の実施内容、京北地域の小中一貫教育校のあり方などについて議論しました。
〇実地視察
6/15 京都動物愛護センター
7/20 二条城北小学校(スチームコンベクションオーブンを活用した給食の取組)
京都まなびの街生き方探究館
9/7 堀川高校
〇他都市調査 8/8〜10
札幌市:子ども未来局の取組
函館市:小学校における学力向上等の取組
仙台市:小中学校における防災教育の取組
まちづくり委員会
都市計画や景観、住宅政策、道路や河川、公園や緑化などに関することについて担当しています。
子育て世帯向けにリノベーションした市営住宅への入居制度導入、京都駅八条口駅前広場の整備、屋外広告物印象評価等アンケート調査結果、自転車向け保険加入の義務化などについて議論しました。
〇他都市調査 8/24〜26
吹田市:千里ニュータウンの再生
福山市:鞆(とも)地区歴史的町並み保存
福岡市:アイランドシティ住宅開発事業
岡山市:公園での「そらカフェ」常設化に向けた取組
交通水道消防委員会
市バス・地下鉄、水道・下水道、消防・防災や救急などに関することについて担当しています。
市立病院消防出張所・梅津救急隊の運用開始、市バス・地下鉄中期経営方針、山間地域の上下水道の水道事業・公共下水道事業への統合などについて議論しました。
〇実地視察 6/20
京都市消防活動総合センター
〇他都市調査 7/26〜28
札幌市:水道記念館、藻岩浄水場
仙台市:東日本大震災の復旧・復興状況等
千葉市:災害用ドローンの運用
マタリーヌ:興味を持った委員会があれば、ぜひこちらから、もっと詳しい活動内容をチェックしてみてね!会議の録画や会議に提出された資料も全て見られるのよ!
9月市会審議結果
9月市会で審議した市長提出議案84件、議員提出議案15件の審議結果は、平成28年定例会(9月市会)【審議・議案結果】のページを御覧ください。
海外行政調査を実施
〜先進都市の施策を調査し、本市の発展に寄与します〜
10月31日から11月8日までの9日間、「省エネルギーや再生可能エネルギーによる持続可能な地域社会の実現」をテーマとして、議員11名による調査団が海外行政調査を実施しました。今回は、「2050年までに100%再生可能エネルギーによりエネルギー需要をまかなう」という先進的な目標を掲げているデンマークの取組を調査しました。調査で得られた成果等については、今後市会ホームページなどで、改めて報告します。
市会だより第82号 アンケート結果発表
アンケートにご協力いただきありがとうございました!
市会だより第82号(9月15日発行)に掲載した特集記事「市会議員一日密着レポート」などについてのアンケート結果をまとめました(回答者数:75名)。「これまで知らなかった議員の活動がよくわかった」「マンガでの説明で読みやすかった」など、貴重な御意見をいただきました。今後もより親しみやすく、わかりやすい市会だよりを目指していきますので、市民の皆様からの御意見をお待ちしています!
Q1 特集記事の内容はわかりやすかったですか。
大変わかりやすかった 49人(65%)
まあまあわかりやすかった 22人(29%)
わかりにくかった 4人(6%)
Q2 今後特集記事として読みたいテーマはありますか。
(複数回答可)
市会の仕組み 29人(39%)
市会議員の仕事 51人(68%)
その他 20人(27%)
*詳しいアンケート結果はこちらからご覧いただけます。また、景品当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきました。
国際政治フォーラム「Unity in Diversity(多様性の結束)」へ出席
(11月2日〜4日 イタリア フィレンツェ市)
本市の姉妹都市であるフィレンツェ市で開催された国際政治フォーラム「Unity(ユニティ) in(イン)Diversity(ダイバーシティ)」に曽我副議長が京都市を代表して出席しました。本フォーラムは、多様化する世界において都市が果たすべき役割を議論するため、フィレンツェ市長の呼び掛けにより開催され、今回のテーマである自然災害等からの都市の復元力について、副議長から、大規模地震等の発生に備えた本市の防災・減災対策の取組を発表しました。
市会からのお知らせ
本会議等の傍聴
本会議、予算・決算特別委員会市長総括質疑、市会改革推進委員会を傍聴できます。
テレビ放映
本会議の代表質問・質疑の模様をKBS京都でテレビ中継しています。
インターネット議会中継
本会議や委員会の生中継と録画をインターネット配信しています。
委員会のモニター放映
委員会の模様を市役所本庁舎2階のモニター室で放映しています。
会派等の構成
会派名等 | 議員数 |
自由民主党京都市会議員団 | 20人 |
日本共産党京都市会議員団 | 18人 |
公明党京都市会議員団 | 11人 |
民進党京都市会議員団 | 7人 |
日本維新の会・無所属京都市会議員団 | 4人 |
地域政党京都党市会議員団 | 4人 |
無所属 | 3人 |
(平成28年11月22日現在)
紙面に関する御連絡・お問い合わせは、
市会事務局調査課 TEL:222-3697 FAX:222-3713