平成30年定例会(平成31年2月市会)
最終更新日:平成31年3月20日
意見書・決議
幼児教育・保育の無償化の円滑な実施を求める意見書
(平成31年3月20日提出)
幼児教育・保育の無償化は,子育て世代の経済的負担を軽減し,安心して子どもを産み・育てる環境を整えるのみならず,未来を担う子どもたちの人格形成の基礎が培われる幼児期に,質の高い教育・保育を保障するという,極めて重要な意義のある政策である。
このような意義に鑑みれば,幼児教育・保育の無償化は,質の向上と両輪で進めるべきであり,無償化によって質の低下を招くことはあってはならない。また,無償化が,保育利用時間の長時間化を招き,保育現場が疲弊するのではないかと危惧する声もある。本来の意義を踏まえ,保育の質の低下や保育士不足といった事態を招くことがないよう,適切な制度設計とすることが必要である。認可外保育施設等についても,質を確保するために所要の措置を講じるなど,しっかりと国と自治体とで取り組んでいく必要がある。
よって国におかれては,幼児教育・保育の無償化の円滑な実施に向け,保育士の処遇改善及び人材確保のための取組を行うなど,子どもの最善の利益に合致するものとなるよう求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣
食品ロス削減に向けての更なる取組を求める意見書
(平成31年3月20日提出)
まだ食べることができる食品が,生産,製造,販売,消費の各段階で廃棄されている,いわゆる食品ロスの削減は,今や我が国において喫緊の課題と言える。国内で発生する食品ロスの量は年間646万トン(2015年度)と推計されており,これは国連の世界食糧計画(WFP)が発展途上国に食糧を援助する量の約2倍に上る。政府は,国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に沿って,家庭での食品ロスの量を2030年度までに半減させることを目指しているが,事業者を含めた国民各層の食品ロスに対する取組や意識啓発は,今や必要不可欠である。
京都市では,全国で初めて食品ロスを2020年度までにピーク時から半減の5万トンまで減量させるという数値目標を明確に定め,全国最大規模となる「食べ残しゼロ推進店舗」認定制度やフードバンクとの連携・支援,食品ロスが発生しにくい販売・商慣習の見直しに向けた取組をはじめ,全国のモデルとなる具体的な取組,仕組みづくりを強力に推し進めている。また,昨年10月には,「食品ロス削減全国大会in京都」を開催し,「持続可能な社会の実現に向けた食品ロス削減・京都アピール」を全国に発信したところである。
食品ロスを削減していくためには,国民一人一人が各々の立場において主体的にこの課題に取り組み,社会全体として対応していくよう,食べ物を無駄にしない意識の醸成とその定着を図っていくことが重要である。
また,まだ食べることができる食品については,廃棄することなく,貧困,災害等により必要な食べ物を十分に入手することができない人に提供するなど,できるだけ食品として活用していくことが重要である。
よって国におかれては,国,地方公共団体,事業者,消費者等が一体となって食品ロス削減に向けての更なる取組を進めるため,下記の事項について真摯に取り組むことを強く求める。
記
1 | 国,地方公共団体,事業者,消費者等の多様な主体が連携し,食品ロス削減を総合的に推進するため,法律の制定を含めたより一層の取組を実施すること。 |
2 | 商慣習の見直し等による食品事業者の廃棄抑制や消費者への普及・啓発,学校等における食育・環境教育の実施など,食品ロス削減に向けての国民運動をこれまで以上に強化すること。 |
3 | 賞味期限内の未利用食品や備蓄品等を必要とする人に届けるフードバンク等の取組を更に支援すること。 |
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,農林水産大臣,経済産業大臣,環境大臣,消費者庁長官