平成27年定例会(2月市会)

最終更新日:平成28年3月2日

採択請願

行政書士法の遵守及び本人確認の徹底等による窓口業務の適正化[受理番号18]

(平成28年3月2日採択)

 

日常,市窓口において行われている許認可申請・届出等は,市民生活に深く関わるとともに,行政目的を達成するための重要な手段の一つとして,市民生活の安定・発展に非常に重要な役割を果たしている。

私たち行政書士は,行政書士法の目的である,行政に関する手続の円滑な実施に寄与し,国民の利便に資するため,日々その専門知識の向上と職業倫理の徹底を図り,研さんを重ねて身近な街の行政手続の専門家として業務を行っている。また,近年,行政に対する社会のニーズの複雑多様化による行政各分野における専門性の高まりに伴い,行政に関する手続の円滑な実施のため,専門知識を備える行政書士の手続への関与の必要性がますます増大してきているとともに,行政不服申立てに係る特定行政書士制度が設けられるなど,行政書士に対する社会的要請も一層高まってきている。

 このような行政書士の有用性を社会的に守り,行政手続の円滑な実施を担保するため,行政書士法第19条第1項では,「行政書士又は行政書士法人でない者は,他人の依頼を受け報酬を得て,官公署に提出する書類を作成することができない」とし,これに違反した者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることとされている。
 しかしながら,現状は,各種許認可申請・届出等に際し,行政書士の資格を有しない非行政書士が手続を行っているケース,また本人確認をせずに受付されているケースも見受けられる。行政書士及び行政書士法人でない者が業としてこれらの書類作成を行った場合,行政書士法違反であることはもとより,依頼者の権利擁護,個人情報保護等の観点から,市民に与える不利益は甚大なものになりかねず,また,行政手続の円滑な実施に支障を来しかねない。

ついては,京都市においては,行政書士制度の趣旨を理解し,市民の権利を擁護するため,不法・不当な書類作成,提出行為,申請代理行為がなされないよう,以下の項目について行政書士法の遵守徹底と具体的な窓口での指導を実施することを願う。

1 行政書士法違反のない行政手続が徹底されるよう窓口での指導を実施すること
2 窓口において,申請者の本人確認及び代理人の身分確認を徹底すること

マンション建設の指導(上京区塔之段)[受理番号19]
(平成28年3月2日採択)

 

現在,上京区塔之段の「ヴィラ塔之段」の跡地に地上5階地下1階の学生専用マンション(82戸)の建設が計画されている。

当該地は,狭い4メートル道路に囲まれており,近隣にはこのような突出した建造物がない中での高さ15メートルを超える計画は,歴史的建造物,文化財に囲まれた閑静な住宅環境を脅かす,受け入れ難いものである。

また,前建築物である地上3階建てマンション解体作業における衝撃・振動のため,周囲の住居へひび割れ,傾きが発生していることが最近判明し,地下7メートルもの掘削工事による地下1階の建設は,近隣住宅の被害も十分に予想されるものであり,地域住民は,計画の撤回修正と話合いの継続を訴えた。

しかしながら,建築主は一度の説明会以降,話合いに応じることがないのみならず,都市計画局に対し,二度の説明会を開催した,住民へ個別説明を行った,住民の要請に応じて計画を変更したなど,住民の認識と異なる一方的な説明を行い,建築計画を強行しようとしている。

ついては,京都市中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全及び形成に関する条例の趣旨に基づき,以下の事項について地域住民と充分な協議ができるよう,行政として強く指導することを願う。

1 周囲が4メートル道路であることを考慮し,容積率を160%以下とし,地上5階建て建築計画の変更
2 7メートルの地下掘削及び地下1階を造る計画の破棄
3 住民との合意・工事協定の締結のうえでの着工

七条通の拡幅整備等[受理番号25]
(平成28年3月25日採択)

 

七条通については,野大路通と天神川通の間が平成22年に整備され,西側の区間は国道9号線までつながり,地域の利便性や歩行者の安全性は大きく向上した。

一方で,七条通の野大路通と大門町のバス停付近の間については歩道がなく,道路幅が6から8メートルと東西の区間と比べ極めて狭くなっており,交通量も多く,市バス及び京阪京都交通のバスが1時間当たり昼間の時間帯には往復16便,朝の通勤,通学時間帯には最大19便運行されている。

そのような中,交通事故も発生しており,安心して歩ける道路とは言い難い。

七条通は学区の中ほどを東西に通る幹線道路であり,生活道路でもあるため,自転車や歩行者も多く,また,七条通の北側にある西京極中学校へ通学する生徒も多く利用しているなど,住民にとって欠かすことのできない道路である。

ついては,以下のとおり十分な安全対策を願う。

1 根本的な安全対策として,都市計画道路の事業化による七条通(野大路から月読橋間)の拡幅整備を検討し,実施すること。
2 拡幅整備の事業完成までには長期を要することが想定されるため,それまでの間,現在の道路幅における安全対策を検討し,実施すること。