摘録

最終更新日:平成30年11月1日

平成30年10月25日

報告案件


<9月市会について (1)議案審議結果>

 私からの報告の1点目は,本日終了しました平成30年定例会9月市会の議案審議結果についてであります。
 9月市会につきましては,9月19日から10月25日までの37日間の会期で開催いたしました。
 お手元の9月市会審議結果総括表を御覧ください。
 市長から提出されました議案は,「平成29年度京都市一般会計歳入歳出決算」など計55件ございました。
 市会では,本会議で市長,副市長から提案説明を聞いた後,予算,決算特別委員会や各常任委員会において十分な議論を行ったうえで,1件の議案については修正を行ったうえで可決し,54件を原案のとおり可決いたしました。
 修正可決した平成30年度一般会計補正予算は,議員報酬のうち今年度も引き続き削減している10%分を「大阪府北部を震源とする地震を受けたブロック塀対策の推進及び平成30年7月豪雨による被害への対応」の財源に充当することで,財政調整基金の取崩し額を減額するよう,全議員共同提案のうえ全会一致で可決したものでございます。
 また,議員提出議案である市会議案といたしましては,意見書については7件を可決,3件を否決し,決議については2件を可決いたしました。うち,1件は問責決議でございます。
 そのほかに,請願114件について審査し,114件を不採択といたしました。
 なお,9月27日,28日には16名の議員が市政一般にわたり代表質問を行いました。
 今市会では,市長から追加提案があった,台風21号災害に係る被災者支援等に要する経費等の補正予算や,台風21号災害に伴う中央卸売市場第一市場(花屋町駐車場棟)新築工事請負契約の変更議案について,その都度,本会議日程を追加するなど,迅速かつ丁寧な議会対応により議決を行ったほか,平成29年度決算の審査を中心に,市政全般にわたり,代表質問や決算特別委員会等をとおして,市長らと活発に議論を交わしました。
 今後も引き続き,常任委員会等をとおして,議論を深めてまいりたいと考えております。
 9月市会における議案の審議結果は以上でございます。


<9月市会について (2)平成30年度京都市会議員研修>

 次に,9月市会中の9月26日に行いました議員研修についてであります。
 京都市会では,議会の活性化を図ること等を目的として,平成13年度から毎年,学識経験者等を講師に招き,「議員研修」を実施しております。
 今年度は,市政の歴史と議会のあゆみ,今後に向けて教訓とすべきことを学ぶために,京都市市政史編さん委員会の代表を務められた京都大学名誉教授の伊藤之雄氏を講師にお招きしました。伊藤先生からは,第一琵琶湖疏水の建設,京都市三大事業,第一次大戦後の都市計画事業についての詳しいお話を中心に,京都市がリードしてきた景観保全の取組から公共性の概念を振り返り,市会議員や議会の公共性を目指す行動や市民との関係,公共性の維持のためには公文書・私文書の保存が重要といったお話がありました。
 京都市役所開庁120年を迎え,大変示唆に富んだ御指摘をいただき,私としても,今後の議会運営や市政の推進に活かしてまいりたいと考えております。今回の貴重なお話を踏まえ,来年,誕生から130年を迎える市会におきましても,より一層議論を深めてまいります。


<世界歴史都市会議の参加報告>

 最後に,「世界歴史都市会議」の参加報告についてでございます。
 9月7日から9月9日にかけて,トルコのブルサ市で開催された「第16回世界歴史都市会議」には,市会からは私と各会派からの代表者の計6名が参加しました。
 会議では,「グローバル化が文化と生活様式に与える影響」をテーマに,参加各都市の市長等による意見交換や,取組発表などが行われました。また,最終日には,今回の会議の成果として,「ブルサ宣言」が採択され,各都市が,「歴史遺産の保全と修復のため一層の努力を行うこと」や,そのために「市民や観光客に対し,歴史遺産が持つ文化的・歴史的価値の認識を高める努力を行うこと」などが確認されました。
 また,ブルサ市議会の議員団と懇談を行い,同じ歴史都市としての共通課題などについて意見交換を行うことができたほか,京都市のパートナーシティーであるイスタンブールの市役所の表敬訪問も行いました。
 今回の成果につきましては,市民の皆様にしっかりとお伝えをさせていただき,共有することによりまして,歴史都市・京都の都市格を一層高めるとともに,都市間交流の輪がますます広がるよう努めてまいりたいと思います。


<「見える市会」「伝わる市会」に向けた取組>

 お知らせしていた発表案件は以上ですが,私の方から是非,発表したいことがあります。「見える市会」「伝わる市会」に関することでございます。
 まず,ポスターについてですが,京都市会では,集中審議期間ごとに日程等をお知らせするポスターを作成しており,今回の9月市会では,京都市交通局の地下鉄・市営バス応援キャラクターの太秦萌さんに出ていただきまして,「地下鉄やバスに乗って議会へ行こう」という呼びかけをしております。
 これは,行政側に対して,縦割りではなく色々と連携していくことが望ましいと提案していることもあり,議会としても,京都市の持つ様々な素晴らしいコンテンツと連携させていただきながら,市民の皆さんにしっかり訴えていこうという思いから今回のポスターを作りました。
 チラシも,ポスターと同様に連携させて作ったところです。
 また,年に7回発行している京都市会だよりも,以前は4回発行であったものを7回に増やし,その増加した3回分で,市民の皆さんにより市会を知っていただくために,特集号などを作成しています。
 この市会だよりは市民しんぶんの区版の間に挟み込みの形で配布しておりますので,まずは市民しんぶんの区版をめくっていただくよう一生懸命お伝えしており,市民のみなさまにできるだけ見ていただけるようにしております。
 そうしたことは,このような記者会見も含め,今まで以上に,広報に力を入れて,市民の皆さんに,今何が起きているかを伝えていく努力をしているところです。
 また,リーフレット「おしえて!京都市会」DVD「クイズで学ぼう!京都市会」でございます。これは,平成27年度から主に小学校6年生の授業で活用していただくことを目的として,全小学校に配布させていただいてます。
 配布しているだけではなく,やはり活用状況を知りたいので,教育委員会の協力のもとアンケートも行っております。現状で約7割程度の学校が,実際に活用いただいているというお返事を頂いております。
 子どもたちに京都市会のことを分ってもらおうということを続けていき,将来的に,多くの市民の皆さんに京都市会が身近になっていただきたいと思っております。
 子どもの話をさせていただきましたが,平成19年から年に1回,議場に親子で来ていただいて,ふれあいながら議場を見学してもらう「親子ふれあい議場見学会」を実施しております。近年では,毎年,概ね100名程度の親子にお越しいただいております。
 加えて,「子ども議場見学」も出来るだけ取り組んでいきたいと思っており,以前は,1校,2校程度でしたが,昨年度は15校,今年度は今のところの見通しでは26校の学校にお越しいただく予定でございます。
 京都市会の議場は,政令市の中で最も古い議場と言われております。本来であれば,「子ども議会」などをすればよいのかもしれませんが,やはり準備が大変ですし,学校の現場の先生にもかなり負担があるということも聞いておりますので,それならば,議会へ足を運んでもらって,そして議会の持つ場の力を感じていいただきたいと考えており,議場に入って,議員の席に座って,子ども達には本当に色んなことを感じていただけるだろうということから,現在,推奨しております。
 今年度で議場の改修もありますので,今のこの議場を見ていただくことは,難しくなりますが,仮議場や改修後のリニューアルされた議場もありますので,できるだけ京都の子どもさんに,「京都で一番大事なことが決まっている場所ですよ」ということで見ていただくことが大事なことではないかと思っています。
 市民にとって一番身近な基礎自治体である京都市の議会について,市民の皆さんに知っていただくということは,なにか王道的なものがあるのではなくて,やはり地道な努力が必要だろうと考えております。
 その中で,このような広報活動や,子どもさんに向けて知っていただく取組等をずっと続けているところでございます。
 また,来年は統一地方選挙もありますし,やはり市民の皆様の関心が高まる時でもあると思いますので,是非,記者の皆様方も,京都市会のことを様々な形でお伝えいただければ幸いでございます。
 広報につきまして,思いがありましたので,お時間を頂戴しまして,御報告を差し上げました。以上でございます。

質疑応答


<発表案件に関する質疑>

記者
 今回の9月市会では,議員に対する問責決議が提出されたことに至りましたが,議長としての受け止めは。

議長
 当然,議会というのは市民の代表で,行政の仕事をチェックするということは非常に大きな仕事であります。行政の仕事をチェックするために,市民の皆様から,それだけの信頼を得なければいけないというところで,京都市会基本条例や京都市会議員政治倫理条例があります。その中で,今回の山本議員の行動につきましては,当初,常任委員会とかでも色々な審議等々で明らかになったのですけれども,そういった部分に抵触するんではないかという思いの中で,早い段階で,実は集中審議期間ではなかったんですけれども,8月の段階で一度,議長からという形で,本人に対しては,「常任委員会とかでも色々と議論しているが,そういったことに対してまずはしっかりと協力すること。また,議員として御自身をどう考えるのか。」ということを口頭で申し上げさせていただいたところでございます。
 その後,また常任委員会でも色々なことを議論されましたし,集中審議期間中に議会としての一定の姿勢を示すべきという声も出てきた中で,今回,京都市会にとっては初めてであり非常に残念なことなんですが,問責決議をするに至ったということです。

記者
 今回の9月市会を振り返って,災害が非常に多かったと思いますが,議長として何か思いを持っておられれば伺いたいのですが。

議長
  今年の夏は非常に災害が多かったし,災害の種類も,地震であったり,台風であったり,水の災害であったり,様々な災害の形がありました。やはり,被災された市民の皆様も戸惑いが非常に大きかったかなと,自主防災組織を含めて,非常に大変な部分があったと思います。
 そういった中で,議会としても,災害状況を全て把握してからであれば,やはり遅くなるだろうという中で,行政と連携して,分った分だけでもいいから出してほしいと。本会議を開催する回数は増えるけれども,やはりそれは市民の皆様のためにタイムリーにやっていきたいとの思いから,本会議の回数を増やしても,そこは審議を分けてでもやっていきたいと。ですから,まとめてやるのではなくて,判明した分から補正予算を付けてどんどんやっていくという中で,一日も早い復旧・復興に向けて取り組んできたと思います。
 もう一つは,先般,各行政区の自主防災会さんが連絡会を立ち上げまして,まずは,自主防災の役員さんもそうですけれども,市の職員さんも被災者でもありますので,その辺を市民の皆様にも分かっていただいて,そういった時には,自分達でどうにかしなければいけないとの状況の中でやっていただけるような体制作り,ここは議会としても議論に加わりながら,これまでもやってきましたし,これからもやっていきたいとの思いがあります。


発表案件以外に関する質疑

記者
 5月に政治分野における男女共同参画の法律が成立しまして,子育て中,特に妊娠・出産前後の女性議員に対して,どうやってフォローしていくかが社会的にも注目を集めていると思います。熊本市では子連れ議会と言われたり,のど飴をなめているようなケースもありましたが,京都市会でも子育てされている議員もおられまして,慣例では飲食は禁止であったり,あるいは起立表決であれば立つ必要があったりと,そういった個別ケースに関して,例えば何か配慮してほしいような申請があった場合,議会はどういうふうに対応していくんですか。

議長
 男女共同参画の中で,飴の話はちょっと違うと思うんですけれども,京都市会も,出産された議員さんも何名かおられますし,その中で,そういった経験のお話を聞いたりもしています。
 もう一つは,色々な所からの問合せの中で,授乳室はあるんですか,みたいなことを聞かれたりもするんですけれども,授乳室という言い方はしていないんですけれども,女性用の更衣室がありまして,我々としては,基本的にはそういった所がいわゆる多目的室といった形で捉えてますので,議員が毎日着替えている訳ではないので,そういった所をうまく活用していただけたらなと思っています。
 常に,相談をしていただけたら対応できるような形になっていますし,今のところ,出産された議員の方々からは,ここは困ったとか,言ったけど改善されないとか,そういったお声は聞いておりません。もちろん,遠慮の部分はあるかもしれませんので,その辺は,逆に市会事務局の方からも声掛けしながら,配慮させてもらっていますし,報道では議会の子育ての対策が遅れているという風なものも耳にしますけれども,京都市会に関しましては,私は大丈夫なんじゃないかなと思っております。来年の統一地方選挙でも,そういう不安を持っておられる若い方がおられてもですね,京都市会に是非,いわゆる挑戦していただくというかね,そういう形になっていただけたらありがたいなと思いますね。

記者
 例えば具体的に,つわりで水を飲みたいという人がいた場合,そこは相談して協議するということですか。

議長

  そうですね,当然そうなると思いますし,表決時の立つ立たないに関しても,当然それは妊娠に限らず体調の問題もあると思いますし,いわゆる多様性の中で,従来であれば「こうしよう」というルールもありましたし,それはそれで大事にしながら,様々な状況に対応できるようにしていかなければならないと思います。
 ただ,そこにはまず対話が必要ですし,例えば市会改革推進委員会とかそういう所で,公の場で,議論していって改善していこうという姿勢が大事ですから,聞いてもらえなかったら,聞いてもらえないということで外でおっしゃるのは一つの方法かもしれませんけれども,やはり,議論なくして,いきなり外で「こうです。ああです。」となってくると,お互いの信頼関係にも影響してきますから,その辺はまずは,様々な悩みを抱えておられる方は,お互いにそうして話をすればいいと思います。
 補足ですけれども,平成16年の2月定例会で,以前は「事故のために召集に応ずることができないとき」としか,欠席届の理由が無かったんですけれども,ちょうどその時に出産予定の方がおられたので,今は,「病気,出産その他の事由により会議に出席することができないないとき」に届け出ると規定が変わっています。ですから,そういう風に,例えばそういう方がおられたら規定を改正したりとか,そういうことは過去にもやってきておりますので,そういうことだと思います。

記者
 来年の統一地方選挙の話が出ていましたけれども,前回の地方選では元々会派に所属していた議員が何名か無所属になり,今は無所属議員がすごく増えていると思いますが,その現状を議長はどう見ていらっしゃるか。また,まとめ役の議長として,無所属議員が増えることで,議会を進める中での難しさとかあるのかお聞かせください。

議長
 まずは当然,有権者の皆様方に何らかの政策を発表して立候補している訳ですから,有権者の方に約束したことを4年間でやるために,それは所属会派にいたほうが実現するのか,あるいは出たほうが実現するのかというのは中々難しいところだと思います。それは個々の議員の方が判断されて行動されたのかなと思っています。
 政策的なこととは別で,今日の問責決議ではないですけれども,離脱されている方もおられますけれども,基本は自分の政策とか,有権者とのお約束でされていることですから,無所属議員が誕生することが,イコールで何か問題があるとは思っていません。
 ただ,やはり御存知のとおり会派制になっておりますので,我々も非常に気にしているのは,無所属議員の声,無所属議員の思いを,議会として,どのようにしっかりとキャッチするかというのは,私自身もこの前は市会改革推進委員長をしていましたし,そこでもずっと言ってきました。市会改革も,委員会の委員は決まってるけれども,やるのは全議員ですよとという意識の中で,常に少数会派や無所属議員がどう考えておられるのかのお声を拾うように意識していました。今,議長となっても,湯浅副議長共々,そうした,いわゆる非交渉会派といわれる少数会派の皆さん方や無所属議員の方についてもですね,御意見があればしっかり受け止めるようにしておりますし,その辺は気を付けている所かなと思います。