摘録
最終更新日:平成30年6月7日
平成30年5月31日
報告案件
<5月市会の議案審議結果>
私からの報告の一点目は,本日終了しました平成30年定例会5月市会の議案審議結果についてであります。
5月市会につきましては,5月17日から5月31日までの15日間の会期で開催いたしました。
お手元の5月市会審議結果総括表を御覧ください。
市長から提出されました議案は,「平成30年度京都市一般会計補正予算」など計35件ございました。
市会では,本会議で市長,副市長から提案説明を聞いた後,予算特別委員会や各常任委員会において,十分な議論を行ったうえで,計35件全てを可決いたしました。
また,議員提出議案である市会議案といたしましては,意見書については6件を可決,3件を否決し,決議については,1件を可決し,1件を否決いたしました。
なお,5月22日には8名の議員が市政一般にわたり代表質問を行いました。
今市会では,「宝が池公園運動施設フットサルコートをネーミングライツの付与の対象施設とすること」に関する議案がありましたが,これは,昨年の5月市会におきまして,ネーミングライツの対象施設の決定に市会の議決を必要とするよう,京都市会基本条例を改正して以降,初めて議案が提出されたものでございます。
このほか,旅館業法の改正に伴う条例改正など,市政全般にわたり,代表質問や委員会をとおして,市長らと活発に議論を交わしました。今後も引き続き,常任委員会等をとおして,議論を深めてまいりたいと考えております。
5月市会における議案審議結果は以上でございます。
<台南市議会との友好交流協定の締結>
報告の2点目は,京都市会と,台湾の台南市議会との友好交流協定の締結についてであります。
来たる6月13日に,京都市会としては初めて,他都市の議会との友好交流協定を締結することとなりました。
締結の相手方である台南市は,平成24年4月に,京都市長が会長を務める世界歴史都市連盟に加盟され,それ以降,台南市議会議長や議員,台南市長をはじめとする台南市の皆様方には,何度も本市を訪問いただき,交流を重ねる中で,着実に友好関係を築いてまいりました。
また,昨年10月には,私が京都市会を代表して台南市を訪問し,頼美恵(ライ ミエ)台南市議会議長と意見交換を行う中で,議会同士の交流の更なる促進により,市民同士の交流を進めることの必要性をはじめ,同じ古都として政策上の課題を共有し,お互いに学び合うことの重要性などについて,確認したところです。あわせて,李孟諺(リ モンエン)代理市長を訪問し,門川市長から預かった親書を手渡すとともに,京都市と台南市とのパートナーシティ締結に向けての思いなどもお聴きしました。
これまでから,京都市会としても,都市間交流の重要性について様々な議論を重ねてきたところですが,この度,台南市議会から,両議会間の友好交流協定を締結したいとの意向が正式に示されたため,これまでに築いてきた両議会の友好関係を更に促進させるとともに,市民同士の交流の輪を広げ,相互理解を深めることが,両市の発展に寄与すると考えることから,協定締結に合意するに至りました。
折しも,本年は,本市の「世界文化自由都市宣言」から40周年という節目の年を迎えますが,この度の協定締結は,「文化による世界との自由な交流と平和の実現」という宣言の理念にも沿うものであり,今後,本協定を京都市と台南市との友好の絆の一つとして,両市の交流が一層進むよう,努めてまいります。
協定の締結式は,冒頭で申し上げたとおり,6月13日に,頼美恵(ライ ミエ)台南市議会議長をはじめとする議会の代表団を京都市会にお迎えして,執り行う予定です。
私からの報告は以上であります。
質疑応答
<発表案件に関する質疑>記者
友好交流協定の締結の件ですけれども,協定を結ぶことで,こういう風な取組をしていきたいという,何かお考えがあればお願いします。
議長
目的は,市民同士の交流の輪が広がるということですし,これまででも議会の中で,姉妹都市やパートナーシティの議論の中でも,広く京都市民にそうした交流が広がることが望ましいということでございました。そういった意味では,台南市の皆様方と京都市民の交流の輪が広がることが一番大きな目的と言いますか目標です。その中で,議会が交流協定を結ばせていただくことが一つのきっかけとなって,その輪が更に広がることが望ましいのではないかなと考えています。
記者
協定を結んでからの取組というのは何か。
議長
まず具体的に何かあれをやる,これをやるということではないんですけれども,やはり,協定を結ぶということについての意識がまず大切であることと,もう一つは,行政の方にも,これはできればなんですけれども,パートナーシティ等,台南市からもそういった熱い思いも聞いておりますし,そうしたことも方向性として視野に入っているということでございます。
記者
先ほど,頼美恵議長の表敬訪問の際に,政策上の課題を学び合うということを仰っていましたけれども,これは具体的に何かあるんでしょうか。
議長
今,特に細かい話をしている訳ではないんですけれども,歴史都市連盟に加盟されているということがまずありまして,「台湾の京都」と言われている台南市,ある意味,台北よりも時間の流れがゆっくり感じるとか,台南の魅力について様々に仰っている中で,同様に京都も,東京に比べると少し時の流れがゆっくりしているように思うとか,あるいは古き良き日本を感じることができるとか,共通の魅力がある。その中で共通の魅力がある反面,それに対する課題と言いますか悩みもあるということも,向こうでお話を聞いてまいりましたので,そういったこともお互いに共有認識として持つのは大切なのではないかなと思います。ただ,議会は執行側ではないので,すぐに事業をというものではございませんので,そうしたことを行政側の方に,我々も市民の幅広い意見を聞く中で,どうしたことができるのかということを提言していくというのが望ましい形なのかなという風には思っています。
記者
その悩みというのは何か具体的にお話としてあったのですか。
議長
やはり,古いものを守るということは非常に良いことなんですけど,反面,お金も掛かりますし,当然,今の現代社会は非常に快適なと言いますか,便利なものを追求する中で,そういった古いものを守るということは,昔の不便さといったものも含めて受け継ぐ部分もありますので,そうしたことに対して,どのように市民の皆さんと意識を共有し合うのかとか,そういったこともあるのではないかと思っています。
<発表案件以外に関する質疑>
記者
京都大学の立て看板の関係で,議長あてに市民団体の方から,条例の運用の,京都市からの指導に対して再検討を求める内容の陳情書が提出されましたが,それについての対応はどういう風にお考えでしょうか。
議長
陳情が出たということで,これから議会で議論されることですから,個別具体的なことは,議会の公平性を考えると,私の個人的な意見をここで述べるのはふさわしくないと思うんですけれども,前提としてはやはり,景観政策の時にしっかり議論して全会一致で可決した条例だということはあります。ただ,その色々な条例の中でも実際に運用する中で,色々な反応がありますから,そういった中でこれから,そういう御意見に対して議論が始まるのかなと思っています。もう一点は,景観政策,屋外広告物のことだけではなくてですね,当然,路上に看板があれば道路占用許可のこともありますし,また,今言われているのは大学の自治のことであったり,表現の自由のことであったり,様々なことが言われておりますので,その辺をきちっと,論点を整理してからお話をしないと,景観条例のことだけで議論してしまうというのは,色々な意見に対する答えにもなっていかないのかなと思いますので,その辺はしっかりと,論点を整理しながら話をしていくのが良いのかなと思います。
記者
旅館業の改正条例のことですけれども,旅館業についても例えば駆け付け要件とか,民泊新法と絡めて色々あるわけですけれども,現状を変更することに対して,今運営されている側からすると,周知期間の問題であるとか,現状を変更されるわけですから,そのことについて議論を尽くされたのかについて,御不満であるとか御意見があるかと思うんですけれども,その点は議長としてどういう御見解をお持ちでしょうか。
議長
これは両方の意見がありまして,もっと時間をかけるべきだという意見もあれば,もっと早くするべきだという意見もありますし,もっと厳しくするべきだという意見もあれば,厳しすぎるという意見もあります。それは本当に,様々な立場,考え方があろうかと思いますし,まさにそれが様々な民意であるという風に思っています。議会というのは民意の集合体ですから,そういった様々な市民の意見をしっかりと反映させることが大切だと思っていますので,今回も,会派によっては修正案を出された会派もございます。それが,私は多様な民意の反映の一つとして,議会としては役割を果たしているのかなと。その中で,議論をした結果,修正案については過半数の賛同が得られなかったので否決にはなりましたけれども,そうしたことも含めて,活発な議論が行われたのではないかなと思っています。