摘録

最終更新日:平成30年3月27日

平成30年3月20日

報告案件


<2月市会の議案審議結果>

 私からの報告の一点目は,本日終了しました平成29年定例会平成30年2月市会の審議結果についてであります。
 2月市会につきましては,2月16日から3月20日までの33日間の会期で開催いたしました。お手元の2月市会審議結果総括表を御覧ください。
 市長から提出されました議案は,「平成30年度京都市一般会計予算」など計102件ございました。
 市会では,本会議で市長,副市長から提案説明を聞いた後,予算特別委員会や各常任委員会において,十分な議論を行ったうえで,民泊に係る条例案1件については修正を行ったうえで可決し,残りの101件の議案については原案のとおり可決いたしました。
 その上で,1個の付帯決議を付しました。
 また,議員提出議案である市会議案といたしましては,来年度も引き続き議員報酬を10%削減する条例及び会議規則の一部改正を全会一致で可決するとともに,意見書については5件を可決,8件を否決いたしました。その他,請願2件について審査し,1件を採択,1件を不採択といたしました。
 なお,2月22日と23日には16名の議員が代表質疑を行い,3月9日,12日の予算特別委員会市長総括質疑では延べ43名の議員が質疑を行いました。
 今市会では,民泊関連議案をはじめ,平成30年度当初予算の審査など,市政全般にわたり,代表質疑や委員会をとおして,市長らと活発に議論を交わしました。
 とりわけ,民泊関連議案については,市民の皆さまをはじめ社会の関心が非常に高く,さらには,民泊に関する課題が多くの局にまたがることから,2月16日の本会議後には関連する全ての局を集めて,民泊関連議案に特化した集中審議を行い,市会としても,市民や宿泊客の安全・安心や,市民生活との調和が図られるルールとなるよう,丁寧かつ徹底的な議論を行いました。
 そのうえで,条例案については,民泊の事業者等が地域住民の皆さまと協定を締結することを努力義務に加える修正を行い可決するとともに,市民生活への影響を最小限にすることを求めた付帯決議を付すことと致しました。
 今後も民泊の適正な運用をはじめ,市政全般にわたり,引き続き,常任委員会等をとおして,議論を深めてまいりたいと考えております。
 2月市会における議案審議結果は以上でございます。

<議場の一般公開>

 次に,議場の一般公開についてであります。
 市民の皆様に市会をより身近に感じていただくために,子どもを対象に議場見学の取組を推進しているところですが,市会議場は平成31年度以降に改修する予定であり,歴史と趣のある現在の姿を御覧いただける機会が限られてきました。これまでは「一般公開」という形はとっておりませんでしたが,少しでも多くの方に,生の議場を御覧いただけるよう,議場を一般公開いたします。
 平成30年は「市民による自治120年」の年であり,さらに,平成31年には京都市会誕生130周年と,節目の年が続きます。議場の一般公開を通じて,このことについても広く周知したいと考えておりますし,また,明治150年関連事業のひとつとして,執行機関が実施する事業と合わせて,一般公開をPRしてまいりたいと考えております。
 開催については,明治22年に第1回京都市会が開会された記念すべき日である6月14日から6月16日までの3日間と,夏休み期間中の7月29日から8月1日までの4日間の,合計7日間を予定しております。
 また,例年11月3日,文化の日に行っていた「親子ふれあい議場見学会」は,夏休み期間中に実施する一般公開初日の7月29日に実施し,より多くの皆様に,親子で御参加いただきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

質疑応答

<発表案件に関する質疑>

記者
 一般公開についてですけど,議長は常日頃,開かれた議会を心がけているが,改めて議場の公開について,その思いというか期待をお聞かせください。

議長
 今,子どもたち,特に小学生に議場見学をしていただいておりまして,その議場見学は,平成27年度は1校,平成28年度は2校なんですけれども,平成29年度は15校ということで,474名の子どもたちに議場に来ていただいております。子どもたちの感想を聞いていますと,議員の実際座る席に座っていただくということと,京都で非常に大事なことがここで決まっているということを,肌で感じていただけるということは非常に大きなことだと思いますし,おそらく,そういったことが今後の色々な経験に繋がるのではないかと思っています。
 子どもたちももちろん,一般の皆さん方にも,そういったことを体験していただけたらなという思いを持っています。ただ,なかなか,受入体制もありますので,いつ何時でもという訳にはいきませんけれども,そういった機会をこの機会に何とか設けたいなという思いで,一般公開という形にさせていただきました。

記者
 過去にも例はあるか。

議長
 いわゆる一般公開というのは初めてとなります。今までであれば,勉強といいますか,議会のことを勉強したいというお申出があったときに,そういったケースはあったと思うんですけども,広く市民の方に呼びかけてというのは初めてのケースです。

記者
 他都市の議会ではいかがでしょうか。

議長
 あまり,私も耳にしていないです。今,公開するという一つの思いとしましては,政令市の中で一番古い議場であるということがありますし,先ほど言いましたとおり,来年がちょうど議会が始まってから130年という節目の年を迎えるということもありまして,市民の皆さんに肌で感じていただくということは非常に大事なことだと思っています。これが議会に対する関心に繋がって,色々な投票率の向上であったり,議会改革の議論の中で出てきた話なんですけども,何かすごいエネルギーを使ったりとかそういったことではなく,今できることの中で,市民の皆さんの中で,市民の皆さんにとっても御負担も少ない形で考えないといけませんし,そういった意味で議場の公開というのが良いのかなと思います。

記者
 詳細はこれからだと思いますが,基本的には時間を決めて,そこで何か定員みたいなものはあるのでしょうか。

議長
 議席の数もあり,定員もあるんですけども,もちろん,説明を聞いていただく時間は設けさせていただくつもりにはしていますが,フレキシブルにと言いますか,自由に歩いていただけるような部分を重要視したいと思っていますし,自由に議場の中を見ていただく。そして,どうしても見学といいますと,議場を外から見るというイメージが多いんですけども,私がこだわっているといいますか,議員の座っている席に実際にお座りいただくことで,そういったことが肌で感じる部分,まあ目線ですよね,実際に座ることによって感じていただけるかと思いますし,そうしたことでより関心が高まり,また,色々な議会に対する御意見を頂戴できればと思っております。
 是非,記者の皆さん方も議員の席に座っていただいて,その目線でちょっとまた感じていただければと思います。よろしくお願いします。

記者
 子どもを対象にということですが,市民一般の方は。

議長
 今度初めてするのが,市民一般の方を対象にするものですから,子どもさんの,学校からというのは既にやっております。
 今回,スタートするのは一般の方に対してという形ですし,同時に親子議場見学会は,年1回11月にやってきたんですけども,それを今度は7月の夏休み期間中にさせていただこうと考えています。どうしても文化の日は色々なイベントがある中で,今まで行けなかったという声も聞きましたので,夏休み期間中にやることによって,より来ていただきやすい雰囲気もあるかなと思っています。

記者
 どのくらいの方が来るのか,議長はどのように考えているか。朝からひっきりなしに来られるのか。

議長
 その辺は広報の仕方にもよりますからね。そうなってもらえたら,逆にうれしい悲鳴と思いますけど。傍聴席もありますし,人数がもうここでというよりも,できるだけ見に来てもらえればなと思います。

記者
 開かれた議会の一環かと思うが,一般公開以外にこんなことを考えているとか,次の展開など考えはあるか。

議長
 今言いましたように,議会改革の議論の中で,子ども議会とか,色々な他都市でやっているものなどありますが,準備に時間がかかったりとか,子どもさんにも一定の時間を使っていただいたりというのもありますので,むしろそういうエネルギーをたくさん注ぐよりは,もっと気楽に来ていただけるような形が良いかというので,日程は一応設定させてもらうのですけれども,一般の方に気軽に来ていただく。
 今言いましたように,小学校からの見学もできるだけ増やしていきたいと思っていますし,できれば中学生,1年生,2年生にも来ていただければと思っていますので,そういう機会,あるいは,今,景観政策10周年という形で,建築関係の皆さん方と色々とお話しさせていただく機会もあるんですけれども,建築を学ばれている方も,一定,こういった思いでということであれば,議会としても可能であれば受付はしたいなと思います。

記者
 民泊条例に関して,条例としては成立し,法の限界に挑戦する,全国で一番厳しい条例を目指されたと思うんですけれども,なかなか難しいことも残ったまま成立したが,民泊の適正運営といった場合,議長は何をもって適正運営と判断するか。その基準というのはどのように考えるか。

議長
 議会の思いとしまして,修正させていただいたというのが一つの答えになろうかと思いますが,地域の皆さん方と事業者との連携というか,そういったものが非常に大事ではないかと思っています。もちろん法律を守るということは当然のことでありますけれども,逆に京都では,もう一歩先を行って,そういった京都に住まう方々にむしろ歓迎されるような宿泊施設が増えていただければなという思いでございます。ですから,地域との協定については,努力義務というのは,そういう形で地域の方と話し合いの場を持ってほしい。地域の方も,新たに事業を始めようとする方が対話といいますか,お話しをしようということになれば,地域の方にもお話し合いをしていただいて,お互い立場は違いますが,その辺は理解をし合って,より京都のまちにとってプラスとなるような,そういった宿泊施設が増えると,京都のまちの魅力に繋がると思いますし,それが,議会としての意志として修正をさせていただいたということが一つのシンボルになります。

記者
 具体的に,数字的な基準みたいなものはあるか。苦情の件数など。

議長
 苦情というのはない方が良いに決まっている訳ですが,まずやはり,二つありまして,一つは届け出しないといいますか,そういったルールを守らないのは,徹底的に取り締まるなどやっていかないと,地域の方と対話して,地域にとってプラスになるような宿泊施設をやっていこうと思っておられる方がおいでになる中で,届け出しないでやったらいいんだという方がおられるとすれば,そこは徹底的にダメだよということはやっていかなければいけないと思います。
 むしろ,私がいろんなお話をさせていただいている中で言っているのは,良い事例。こういうことをやれば,すごく地域にとってプラスになる,例えば,お風呂はないけれど,地域のお風呂屋さんと連携するであるとか,食べるところはないけれど,地域の定食屋さんと連携するなど,地域とつながりができる,あるいは,そういう経営をされている方ももちろん,常駐されている方は防災訓練とか,地域の訓練に参加していただいたりとか,そうしたことが進むような,事例が増えれば,私は良いんじゃないかなと思っています。

発表案件以外に関する質疑

記者
 国会の方で地方議員の厚生年金の加入について議論が進んでいるが,議長はどのように考えているか。

議長
 私の考えというよりも,全国の議長会で話をされていることは,全国で議員のなり手がなかなか少なくなっているまちがある。そういったまちの声として,昔の議員年金ではなくて,今,役所にお勤めになっている方と同じようなものをやってはどうかというふうな御意見が出ている,それが意見書等で全国的にたくさん出ているという話を聞いています。
 京都市会としては,特段そのような意見書は出ていないんですけれども,全国の議長会では,そういう多くの声を受けて,昔の議員年金とは違うけれども,新しい形のいわゆるそういった市の職員さん,町の職員さんであったりとか,そういうのと同様な形で何とかできないかというふうなことで声を上げられて,国もその方向で動いておられるかなというふうに見ています。

記者
 議員のなり手が少ないというのがあったが,京都市会の場合で,仮にそれが導入されたとして,一定の効果,なり手の広がりとかそういった効果は期待できるか。

議長
 議員のなり手が少ないというのは,そういったことも一つの要因かとは思いますが,京都市会の事例をもってそうかというのは,別の理由もたくさんあると思いますし,今のところ,京都市会では,無投票というケースはほぼないような状況ですので,京都市会では,なり手がというよりも,全国的な問題として,そういう話が出ているのかなと見ています。
 私はかねてから言っていますが,地方議会と一言で言われますが,まったく人口が違ったり,まったく土地の風土が違ったりとかしていますから,地方議会それぞれ各々の特徴があると思います。その中で,一つのルールでまとめざるを得ないというのがあるので,そこについては,そういう形で一定,そういった声を拾いながらされているのかなと思っています。

記者
 議長自身としては,この件に関して,賛成ということか。

議長
 全国的な話としてなっていますので,京都市会だけ切り取れば,また色々な意見も出るかもしれませんが,京都のことを言って,全国の方にしたら,大都市で京都は人口が多くて,立候補者も多くて,というのを言っていくというのもあれだと思いますし,それはそれで指定都市の意見もあると思うんですけれども,今,全国としては,そんな声がたくさん出ているということで進まれているんだろうなと思っていますし,京都市会としては,それに対して,特段,意見書を上げている訳ではありませんので,それは全国の一つの流れというか方向性を見ているという状況です。

議長
 せっかくの機会なので,29年度を振り返った思いをお話させてもらえたらと思います。やはり29年度は,宿泊税の導入というのは一つの大きな話題になりましたし,新税という形で,我々としましても,多くの関係する皆さん方の意見,思いを丁寧に聞いて議論してきた訳なんですが,これが当然スタートしていく訳ですが,議会としても,また幅広く御意見を聴きながら,また議会としての意見を議論していかなければいけないなと思っています。
 同時に,町家を保全していくという条例もありました。どんどん町家は数が減っていく一方ですが,非常に維持管理していくのが難しいことも同時にありまして,これについては,何とか議会としても,町家を保存,そして私もいつも言っているんですけれども,個人の資産でありながら,受け継いだものですから,この辺がなかなか難しいんですけれど,個人の資産でありながら,次世代に残すという,ある意味,市民にどこまでそれをお願いできるかということ,これは,お寺とか二条城とか,大きく言えば,そうなるのかもしれませんけれども,町家もそういった意味では,個人で持っていながら,次の世代へ残していく,継承していくという難しさというのがあるのかなと思います。
 もう一つが,議会の権能強化については,ネーミングライツに関して,これは条例を改正して,議会がしっかりと作ったということでも,機能強化といいますか,そうしたことをやっていくことは,議会の意志としてしてきたということでございます。
 今,節目の話をしましたけれども,来年が議会130年ということなんですれれども,それに向けて,市会史が大体30年ごとに作成されているんですけれども,そういったものもやっていきたいなということで,1年間かけて,今までの市会史のように,研究者にお願いしてというよりも,むしろ,歩みですね,資料を中心とした出来事を取りまとめることができればというふうに思っています。
 あとは,さっき言いましたように,議場を開かれた議会という形でしっかりと進めていけたらという思いを持っておるところです。

副議長
 今,議長が言われたとおり,この一年,京都ならではの,議論というか,そういう課題がありましたので,付帯決議も多く付いておりますから,来年度以降,しっかりと確認,検証しながら,しっかりと進めていかなければならないということを実感しております。

議長
 次年度もしっかり頑張っていきますので,どうぞよろしくお願いいたします。