摘録


最終更新日:令和6年4月5日

令和6年3月27日

 

報告案件

<1.令和6年3月市会議案審議結果>
 冒頭、元旦に発生しました令和6年能登半島地震におきまして、被災されました方、また尊い人命が失われたことに対しまして、心からお悔やみ、またお見舞いを申し上げたいと思います。
 また、京都市会としましても、京都市当局並びに市民の皆様と力を合わせて、復興支援に全力で取り組んでまいりたいと思います。

 それでは本日終了しました令和6年3月市会の議案審査結果について、ご報告させていただきます。
 3月1日から27日までの27日間の審議期間で開催されました。

 松井新市長が就任されて、初めての市会ということで、3月1日の本会議では、冒頭に市長から就任の挨拶があり、ふるさと京都の熱い思いと、これからの市政運営に臨む決意が述べられたところであります。
 京都市会については、パートナーとして、協調を図り、信頼関係を構築し、政策を磨き上げ、市民生活の向上を図っていくことが不可欠、というふうにお話されまして、二元代表制の一翼を担う京都市会として、私も同様の思いであります。
 議会に求められる役割と責任を果たし、松井市長としっかりと議論を重ねてまいりたいと考えております。
 
 今市会は、松井市長の出発点となります令和6年度当初予算、第1次編成を中心に審議するものでございました。

 令和6年度の予算は、昨年度に引き続き、特別の財源対策を行わない収支均衡予算となりました。
 私個人としては、本会議や委員会では、特に子育て・教育環境の充実や、観光課題対策、防災・減災対策についての議論が活発であったように感じています。

 それではお手元の資料、令和6年3月市会審議結果総括表をご覧ください。
 市長から提出されました議案は、令和5年度京都市一般会計補正予算など、86件ございました。
 市会では、本会議で市長、副市長から提案の説明を聴取し、17名の議員による代表質疑を行った後、予算特別委員会や常任委員会、23名の議員による総括質疑等において活発な議論を行ったうえで86件を原案のとおり可決、同意したところでございます。

 また、意見書については、8件可決し、「障害者相談支援事業に係る消費税の取扱いに関する財政支援及び非課税事業への見直しを求める意見書」などを国に提出することといたしました。
 5月市会では、当初予算の第二次編成が提案されるということでございますので、さらに議論を深めてまいりたいと思います。

 令和6年3月市会の議案審議結果については、以上でございます。

<2.台南市との友好交流>
 続いて、台南市との友好交流についてであります

 去る2月23日から25日にかけて、平山副議長を団長として、5名の議員を派遣しました京都市会議員団による台南市への訪問について、報告をさせていただきます。

 まず23日には、平成30年6月13日に友好交流協定を締結しております台南市議会との意見交換会に出席しました。
 意見交換会では、邱莉莉(きゅう りり)議長、林志展(りん してん)副議長をはじめ、8名の台南市議会議員と文化・産業・観光など、様々な分野について、意見交換を行いました。

 24日午前中には、台南市台日文化友好交流基金会や、台南市旅行商業同業公会を訪問し、友好交流の促進や観光課題の解決に向けた取組などについて、意見交換を行いました。
 午後からは、歴史的建造物の活用事例として著名な林百貨(はやしひゃっか)と台南市美術館を視察し、台南市美術館では、京都市美術館との交流についてご意見を伺いました。
 また、その後は台南市からの招待で、仙台市や山口県など、台南市と友好関係にある各都市とともに、2024台湾ランタンフェスティバル開幕式に出席いたしました。

 25日には、台南市と友好関係にある16自治体による連合交流会に出席し、黄偉哲(こう いてつ)台南市長に挨拶した後、記念品を交換し、今後の友好交流、相互連携の継続を確認しました。

 今回、台南市議会との友好交流締結後、初めての訪問となりましたが、台南市議や友好交流団体、旅行業関係団体など、行政機関とは異なる立場の方々と意見交換をし、また、古い時代の建物の活用事例について学ぶことで、より広く、様々な気付きを得るとともに、交流の輪を広げられたものと実感しております。
 今後とも、今回の経験をいかし、本市による政策形成の展開につなげ、また、両市の友好交流の促進と発展に貢献してまいります。

 本件につきましては、市民の皆様と共有するため、市会のフェイスブックで発信したほか、4月15日発行の市会だよりに掲載するなど、幅広くご報告させていただく予定です。

 なお、報告書においては、今回の訪問先である台南市で意見交換を行った台南市議会や関係団体からいただいた要望や得られた知見の取りまとめを行っておりますが、今後、報告書を作成した後には、本市の関係局や関係団体と意見交換の場を設定し、そこで報告書についての忌憚のない意見交換を行い、政策形成に向けた情報共有を図るなど、しっかり市政に還元してまいりたいと考えております。
 
<3.京都市会と市立美術工芸高校デザイン専攻との連携授業の実施について>
 続いて、京都市会と市立美術工芸高校との連携授業の実施についてであります。

 京都市会では、市民の皆様に市会を身近に感じていただき、市会や市政に興味を持っていただくため、様々な広報の取組を行っております。

 この度、その一環として、京都市会と市立美術工芸高等学校とが連携し、デザイン専攻3年生の「産学連携プロジェクト型授業」において、京都市会の市会日程等周知ポスターのデザインを作成することとなりました。

 連携授業は4月から6月に実施し、生徒の本会議場の見学や議員訪問、生徒によるポスターデザインの中間プレゼンテーション、最終デザインの発表などを予定しております。
 最終デザインについては、9月市会のポスターとして、地下鉄や市バスの車内、公共施設等に掲示を行う予定でございます。

 現在、美術工芸高校と日程や内容の調整を行っているところですので、現段階では詳細が決まっておりませんが、適宜、報道発表させていただく予定でございます。
 記者の皆様方におかれましては、ぜひ取材いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

<4.請願(陳情)のオンライン提出について>
 最後に、請願(陳情)のオンライン提出についてであります。

 本年4月1日に施行されます、地方自治法の改正により、請願の提出について、オンラインによる手続が可能になることを受け、京都市会では、法改正の施行日に合わせて、本年4月1日から、請願及び陳情の提出方法として、オンラインによる手続を追加することとしました。

 具体的には、京都市会のホームページに申請フォームを設けて、請願や陳情の受付を行う予定であります。
 なお、請願や陳情の提出自体は、いつでも受け付けているものでありますが、本会議で付託するための提出期限は、これまでは当該本会議の3日前としていたところ、オンラインによる手続きの追加に伴って、請願の紹介議員の確認をする必要がございますので、今後は、当該本会議の5日前とすることとします。
 ただし、書面での提出につきましては、周知期間が必要であることを鑑み、令和6年度に限り、引き続き、3日前とします。

 今後も、市民の皆さんにとって、より身近に感じていただけるような市会となるよう取組を進めてまいりたいと思います。
 

質疑応答

<発表案件に関する質疑>

記者
 松井新市長が初めて臨まれた3月市会ですけれども、改めてどのように新市長を見られたか、受けとめをお願いいたします。

議長
 選挙で選ばれた市長として就任されて、様々な公務をこなしていただいている日々かなと思います。
 1箇月経ったところで、早々に議会に対しても先頭に立って答弁していただいたり、これから多くの議論を交わしていく、色々な意見を聴いていくということに尽きますし、また、色んな現場にも出て行かれるかと思います。144万市民の舵取りをしっかりしていただく市長になっていただきたいと思っております。

記者
  門川前市長との違いについて、思われた部分はありますか。

議長
 16年就任された方と就任されて1箇月の方を比較というのは難しいところですが、そつなくこなしていただけると思っております。

記者
 台南市との友好交流についてですが、京都市でどのようにこれからいかしていくのかお伺いします。

議長
 大きな目的は議会交流ですので、そこがしっかりと前面に出てくるように、また、先ほども申し上げましたとおり、観光や伝統産業など、色んな意見交換がなされましたので、それを市民の皆様に知っていただく、そして市役所の各セクションにも、こういう意見があったということで、今の京都市に置き換えて、色々なことができるであろう、或いはちょっと厳しいなとか、そうしたことをしっかり議論していくということです。

記者
 京都市会と市立美術工芸高校デザイン専攻との連携授業の実施についてですが、市会ポスターのデザインを高校生の方に考えてもらうということで、どのようなポスターを作ってほしいなど、議長なりにお考えはありますか。

議長
 専門の科目というところで、洋画や和風、デザイン、ファッション系などいろいろ専門の科目があるとお聞きしてますから、そういった学生さんが、京都市や市会、あるいは議員に関心を持っていただいて、実際に本会議場にも来ていただいたり、議員とお話する中で、高校生らしい若い感性で、色や構成も含めてしっかりと発信していただきたいと思ってます。

記者
 請願(陳情)のオンライン提出について、伺います。
 議会のデジタル化がこれでまた一歩進むわけですけれども、これについて期待されること、もしあれば懸念されることなどを伺えますでしょうか。

議長
 デジタル化、オンライン化は国が推奨していて、市民生活が非常に便利になるということで行われることですので、市民の皆さんが、請願(陳情)を出すに当たり、利便性が向上すると思います。また、まだ始まっていませんから、弊害と言いますか、どういうところが困ったところになるのかまだ分かりませんが、困ったことがあれば、どういう形を取るのが望ましいのかを議論していきたいと思います。
 まだ未知数ですが、便利になるというところは市民の皆様に知っていただき、より多くの方に活用していただきたいと思っています。

記者
 台南市への派遣に関して、報告書を作成されるということでしたが、公開も予定しているのでしょうか。目処はいつぐらいでしょうか。

副議長
 まもなく公開予定です。

記者
 確認ですが、今回の台南市への派遣は議会との交流目的という派遣であって、市会が設けている海外行政調査とは全く違うものという理解でよろしいですか。

議長
 はい。

記者
 今後もこうした交流目的の派遣を行っていく方針などはあるのでしょうか。

議長
 総合的に勘案して、行けるものであれば行きたいと思いますし、行った後には色々なことを深めていただきたいと思いますね。

記者
 市会ポスターの件について、まだ具体的な内容は決まっていないなかですが、高校生が議員と関わり、議員に対してプレゼンテーションを行うなどされるということで、まず高校生に、議会のどういうところを知って欲しいとお考えなのか、このポスター製作に取り組むことによる効果や狙いを教えてもらえますか。

議長
 高校生でも、京都市美術館や市の施設で展示される機会もあり、私も例えば動物や建物の絵など色々な展示をしてるところも見に行かせてもらってます。
 若い感性で、よく書けてるなという絵もあれば、ものすごく奇抜的な絵もあろうかと思いますので、そういうことをまず議論して、京都市会が求めるポスターのデザインと高校生が出してくるデザインが合えば、初めての試みですから、どんなものに仕上がってくるのかわかりませんが、非常に楽しみな分野の1つになろうかと思います。

記者
 選挙などでは若者の方に政治に関心を持ってもらうかということは難しいのか、特に京都市の場合は活発に議論されてるのに議会への関心がなかなか高まっていかないというのは僕らもどうしてと思うのですが、こういった取組を入口に、ということですか。

議長
 京都市の決めてるルールなどは議会で決まることもあるし、国で決まることもあるんでしょうけども、まずは、いろんな議員が意見を出し合って決めていくというところが議会ということを知ってもらうきっかけになればいいなと思いますね。

記者
 請願(陳情)のオンライン提出ですが、今より多くの人が活用して欲しいということですが、特に京都市の場合は請願や陳情が他の議会よりも数が多いような気がするんです。そうすると議会も、結論を出すということをやらないといけないので、大変な仕事が増えるのではないかと思うのですが、便利になることによって、市民に、どのようにこの制度を使って欲しいというお考えですか。請願や陳情は、切実な声なり何なりというのを議会に届けるという、国民の権利憲法で保障される権利なので、間口を広げるということが狙いかと思いますが、どのようにお考えなんでしょうか。

議長
 まちづくりなど、色々なことについて課題がありますので、市民の皆さんが合意形成を図っていくために出すことの権利、それを踏まえてしっかりと議論していくということかなと思います。

<発表案件以外に関する質疑>

記者
 3月市会の恒例行事で、京都市交響楽団の演奏があると思いますが、あれはどういう目的で開かれていて、どなた向けの演奏になるんでしょうか。

議長
 年間を通じて初めての議会では、京都市には交響楽団がありますので、それを聞いて、そのあと議会をスタートさせるということで、どういう経緯で始まったかというのは、わからないです。

記者
 一般の市民に公開されてなくてですね。先日、松井市長初めての議会ということで、かなり多くの傍聴に来られた一般市民の方が、演奏が終わるまでは傍聴に入れないという運用されてるんですけれども、せっかく来たのに聞けなくて残念というお声もありましたし、松井市長初めての議会なので、注目度も高かった中で、そうした対応になっていたんですけれども、京都市会としては、「見える市会、伝わる市会」「傍聴に行こう」というふうに書いてありますが、今後、この運営を改めていくというような考えはありますでしょうか。

議長
 市会事務局等とも議論して、せっかくの機会ですから、やれるものであればやって欲しいなと、私個人的には思いますね。