摘録


最終更新日:令和4年6月9日

令和4年6月1日

 

報告案件

 <1.5月市会の議案審議結果>
 冒頭に,ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって,3箇月以上が経過した現在も続いていることに対して強く抗議するとともに,犠牲になられた多くの皆様に哀悼の意を表します。
 国際法に反するこの軍事侵攻は断じて許されるものではなく,ロシア軍の速やかな撤退を強く求め,議会としても交流を続けてきた姉妹都市キーウ市をはじめとする,ウクライナに一刻も早く平和が取り戻されることを祈念いたします。
 続いて,新型コロナウイルス感染症により,お亡くなりになられた方々に対し,改めてお悔やみ申し上げるとともに,現在も闘病を余儀なくされている方々の一日も早いご快復を心からお祈り申し上げます。
 新規感染者数は,2箇月に渡って横ばいという状況が続いておりますが,京都市会としても,引き続き,感染拡大防止に取り組むとともに,京都市はもちろんのこと,京都府,国など,関係各所との更なる連携の下,市民生活の安心・安全を守り抜くため,全力を尽くしてまいります。

 それでは,本日終了しました令和4年京都市会定例会5月市会の議案審議結果について報告いたします。
 5月市会につきましては,5月18日から6月1日までの15日間の審議期間で開催し,5月23日には計7名の議員が代表質問を行いました。
 お手元の「5月市会審議結果総括表」を御覧ください。
 市長から提出されました議案は,「令和4年度京都市一般会計補正予算」など,計35件ございました。
 市会では,本会議で市長,副市長から提案説明を聞いた後,予算特別委員会や常任委員会等において十分な議論を行ったうえで,34件を可決,同意または可と認め,1件を否決としました。
 そのうえで,議第107号「京都市健康増進センター条例を廃止する条例の制定について」に1個の付帯決議を付すことといたしました。
 また,議員提出議案である市会議案につきましては,規則等2件及び意見書3件を可決,意見書1件を否決し,「金融所得課税の検討を求める意見書」,「地方公共団体情報システムの標準化に向けての意見書」,「環境教育の推進及びカーボンニュートラル達成に向けた学校施設のZEB化の更なる推進を求める意見書」を国に提出することといたしました。
 その他,請願については,3件を不採択といたしました。

 「5月市会の議案審議結果」については,以上でございます。

質疑応答


<発表案件に関する質疑>


記者
 5月市会が本日終わりましたが,ヘルスピアの件は陳情もあるなど,市民の関心が高かったと思います。付帯決議付きで可決ということですが,議長の受け止めを改めてお願いします。

議長
 議案の付託されました教育福祉委員会において,色々と議論がされました。利用者や高齢者のボランティアのフォローをしっかりして欲しい,また,ボランティアの活動の拠点として廃止ではなく存続が必要ではないか,廃止の経過や今後の対応について十分に説明,報告が欲しいというような活発な意見が出されたところです。
 当該施設は長年,市民の健康増進,また,地域コミュニティの振興に寄与してきた施設と聞いており,廃止するに当たっては,利用者に対して,しっかりと丁寧に説明や対応をしていくべきだと考えております。
 市会としても,利用者に対して,廃止に至った経緯や趣旨,今後の対応等について,説明を尽くすことはもちろんですが,廃止後のスペース等の活用については,検討委員会を設置の上,地域の活性化につながるよう,議論を進めることといった付帯決議をしたところであり,市としてもその内容をしっかりと受け止め,事業を進めていただきたいと考えています。

記者
 これに関連して,今後の公共施設の在り方にも関わってくると思うのですが,京都市として,京都市議会として,公共施設の在り方は,どのようにお考えでしょうか。

議長
 公共施設は地域に貢献しているものですが,その地域や施設の状況がそれぞれ異なると思います。その時々で,地域の声も含めて,しっかり要望も聞きながら進めていただきたいと思っています。

記者
 否決された件ですが,5月市会中に報道が入り,脱税ということで対応となりましたが,率直にどのように感じられますか。

議長
 この件は5月25日の教育福祉委員会で審査した後に,議案の可否について判断するような重大な事象が発生し,30日に教育委員会から,その経過等について資料が出されたところです。
 資料によると,工事請負契約の相手方業者の前代表取締役が下請けの工事業者に,虚偽の請求書を作らせ,所得を過少申告させて,法人税の支払いを逃れたとして,大阪国税局が,業者と前代表取締役を法人税法違反等の疑いで京都地検に告発したということです。非常に重い案件だと私も認識しています。
 この件は常任委員会の後でしたので,個々の会派,それぞれ無所属の方も含めて個人で,しっかりと内容を精査され,それぞれの会派や議員が判断された結果だと認識しています。市会としても今回の議決をしっかりと,京都市も重く受け止めていただき,可能な限り工期に遅れが生じないようにして欲しいと思っています。
 地元議員としては,工事の遅延は,できるだけ短くしていただきたい,これは余談です。

記者
 今の質問に関連して私自身が率直に感じたのが,今回の経過からして,報道が影響して否決に至ったのではないかと推測ができるのですが,審議の説明にそういったことが盛り込まれておらず,本日の議会でも,なぜ否決なのかという説明がなかった点が,説明責任という部分でどうなのかと思うのですが,スケジュール的に難しかったところもあると思うのですが,今後の議会の進め方として,そういった部分を明らかにする必要があるのではないかと思うのですが,議長はいかがでしょうか。

議長
 おっしゃる通りで,市民に説明責任をしっかりするところまでの事実関係がまだはっきりしておらず,国税局が告発した後,どのような事実関係が出て,有罪無罪など,どういった流れになるのか確かめられていない状況で,市民の皆様に説明できる状況ではないということは,議会としては,この案件について賛成することは今の段階では適切ではないという,それぞれの会派,個々の判断だと思いますので,今後,経過を含めて見ていくべきだと思っています。ただ,工事に関しては,西京の皆様が,特に洛西ニュータウンの皆様の強い思いがある案件ですので,工事は粛々と計画通り進めていただきたいです。工期の遅れが生じるという報告は受けてますが,できるだけ行政は知恵を出し合って,スムーズに遅延の期間が短くなるように進めていただきたいと思っています。

記者
 先ほどの質問に関連して,議長としては今回否決された理由は,どのように考えていますでしょうか。

議長
 繰り返しになるかもしれませんが,この時点で,疑義のある業者に,京都市の公共の工事を請負っていただくのはいかがなものかというのは,それぞれの会派,それぞれ議員が判断されたと思いますし,私もそのように思っています。
 余談ですが,先ほども言ったように,地元の当事者の議員としては,行政と一緒になって,地域の声を聞きながら進めてきた案件ですので,できるだけ工事を予定通り進めていただけるように,知恵を出していただきたいです。

副議長
 報道によると,業者は修正申告しており,つまり冤罪でなく実際にこの問題が明るみに出ており,それは確定しており業者が認めているという事案で,告発の後に本格的な公訴等があるかもしれませんが,現実的には,この問題が不適切であると各会派が判断されたということは,我々も重く受け止める必要があるということですので,この議案の採決において,各会派がそういった態度を取られたことは,厳粛に行政としても重く受けとめていただきたいと考えています。

議長
 もう少し早い段階で,行政がこの案件を知り得ることができなかったのかということも含めて,市に対しては今後も工事案件が続きますので,しっかり対応していただきたいと改めて求めました。

記者
 教育委員会から出てきている資料にもあるのですが,現時点では逮捕も公訴もされておらず,修正申告をしている段階で,法的には契約自体に問題はないが,道義的にその業者に任せることはできないという判断なのでしょうか。

議長
 道義的にももちろんありますし,これから裁判になってくると思うのですが,状況もしっかり見ていかなければいけないという思いで判断されたと思っています。

記者
 その上で,現行制度だと,この業者も再入札が可能だと思うのですが,制度的なものも含めて,今後改善の余地はあるのかどうか,見解があれば伺いたいと思います。

議長
 おっしゃった通り,こういう事案が生じた場合,生じない場合も含めて,工事案件,契約案件に関しては,見直していく事項があると思いますので,その辺りもしっかり行政とも話し,それぞれの会派,委員会での議論が出ると思いますので,その議論を見守っていきたいと思っています。

副議長
 現状では今回の業者が再入札されることは,逮捕等されない限り,妨げるものではないという規定になっていることは認識していますが,やはり議会が否決をしたということを重く受け止めていく必要があると考えていますので,例えば,今後に関してはそのルールに関しても,一度議会に提出した同一案件については,その参加は一定の規制をする必要があるということも,検討が必要ではないかと思います。
 その検討を進めて,その上でどういう結論になるかは,これからの検討次第ですが,現時点ではこういう考え方になります。

記者
 今回はこういう形で否決になりましたが,入札価格自体はオープンになっており,今後入札する際に,その公平性がどこまで保たれるのかという部分があると思いますが,いかがでしょうか。

議長
 工事費が少し上がるということでしょうか。

記者
 落札価格が公開されてる以上,次に入札する際に,公平性がどこまで保たれているのかという問題があると思いますが,その辺りの受け止めはいかがでしょうか。

議長
 工事費は工事が延びるということで,今一度入札価格も検討されるのか,物価上昇の加減もありますので,その契約時期が延びていくということはまた若干,入札価格も変わることもありますので,その辺りも含め,教育委員会の報告を待ちたいと思いますし,その報告を受けて委員会でもどう判断していくのかという思いです。

<発表案件以外の質疑>

記者
 6月になりまして,参議院選挙が近づいてきましたが,議長として,京都市会として,どういう選挙と位置付けて,どのように見ているのか,お伺いします。

議長
 選挙ですので,立場上言いにくいですが,昨年の衆議院選挙で,引き続き政権の継続が信託をされた後の大きな国政選挙は,新しい政権に対しての評価,国民の皆様がどのように評価をされているのかが,一つの基準になりますし,その議席の動向によって,現状の政権が可なのか不可なのかということも判断をされていくのではないかと認識しております。
 京都市も非常に厳しい状況だということは,皆様も御存知の通りですが,国政選挙の結果次第によって,地方に対しての取り組み方が変わっていくのか,また,引き続き,国・府・市が一体となって市政を進めていくことができるのか,そういったことも非常に問題になりますので,この参議院選挙の結果というのは,私は非常に大きいと思いますし,注視しています。

副議長
 コロナ禍を克服して,また社会経済を再起動しなければならない,極めて重大な局面で行われる選挙だと認識していますので,また同時に,京都市は財政危機を克服する正念場ですので,市民の皆様の暮らしのためにも,今回の参議院選挙は,注視をして重く受け止めているところです。したがいまして,ぜひ多くの方々にも今以上に関心を持っていただいて,投票率を向上していくことが期待されると思っています。

議長
 例年以上に候補者がたくさん名乗りを上げておられるので,その分市民の皆様の関心も高まるのではないかという期待もありますし,やはり国政選挙という大きな選挙で投票率が40%,50%だと寂しいですし,我々も立場上,訴えていくことが難しいんですが,ぜひ皆様に関心を持っていただき,判断していただければという思いです。

記者
 マスク着用について国から新しい考え方が示され,熱中症のリスクもあるため,屋外で会話がない時には外しましょうと,京都市のコロナ対策会議でも出ましたが,いまひとつ進んでおらず,まだ慎重にマスク付けている場面が多いと思います。
 議会に関しても,やじがなければ皆黙っている状況で,リスクは屋内の中では低い方かと思いますが,依然として議員もマスクをしています。議会でのマスク着用の考え方について,議長はどのように思われますか。

議長
 岸田総理も,マスクは適切な判断の中で考えるものですが,感染状況が高止まりしてる状況の中で,全面的な解除は示されていませんので,今後の感染状況も含めて,あの空間でたくさんの人数がいて議会をしているので,本日も委員長報告で,マスクを外した人,外していない人がいましたが,その辺りもそれぞれの判断だと思いますし,もう少し感染状況が低くなってきたら,議会として,全体としても,判断していい時期が来るのではないかという期待はあります。できたら早くマスクを外せる状況になって欲しいと思っています。

記者
 毎度お願いしていることで,私個人というより,記者クラブの総意と受け止めていただきたいのですが,市議会の,特に議場での取材を,御協力,御理解いただきたいです。
 具体的に言いますと,今回あったことですが,テレビカメラで後ろから撮らせていただいているのですが,議場の後ろしか動いてはいけないとされています。一方で,議場では議員を撮って,どういう表情で審議に参加されているか,市民にとって重要な情報だと思います。そのため,横からや回り込んで撮るカットがあった方が,議場の風景も伝わるという思いもあるのですが,後ろしか動いてはいけないと言われました。真偽は確認していませんが,カメラマンが担当者に,なぜ動いてはいけないのか質問した際に,議員が嫌がるからだと答えられ,それは問題発言で,あってはならないと思っていますが,その辺りをもう少し議員含め,報道の自由というか,より良い報道に御協力いただきたい気持ちがあり,もう少し自由に撮っていいようにしていただきたいです。
 また,記者クラブの席が通路なので,傍聴人がこれからコロナがなくなり増えること考えると,傍聴に来られた一般の方々が通られる通路で仕事をするというのは落ち着かないため,向かい側の席を開けていただくなど,お願いしたことを検討していただき,よりよい議会報道とは何か,お互いに模索できたらと思いますが,いかがですか。

議長
 これは以前から御指摘,御要望いただいている件で,重々承知していますし,今おっしゃった発言が,あったのか否か,私は真偽はわかりませんが,おっしゃったような形で検討して欲しいと事務局にも言っておりますので,傍聴されている方の邪魔にならないような形も取らなければなりませんし,その辺りは事務局の方で検討しています。

記者
 傍聴の方も非常に熱心に来られている方なので,傍聴の方の思いもこちらとしても大事にしたいと考えていますし,どのような在り方が一番,議会を伝えるいい方法なのか逆に御意見もいただきながら,考えていかなければらないと思いますのでよろしくお願いします。