摘録


最終更新日:令和3年11月12日

令和3年11月5日

 

報告案件

 <1.9月市会の議案審議結果>
 冒頭に,新型コロナウイルス感染症に罹患され,お亡くなりになられた方に対して,謹んで哀悼の意を表するとともに,現在も闘病されておられる方,後遺症に苦しんでおられる方々の一日も早い快復を心からお祈り申し上げます。
 また,医療や福祉の最前線で奮闘されている皆様に,心より感謝と敬意を申し上げます。
 なお,先月22日から飲食店等の時間短縮などの制限が解除されました。日常生活を取り戻し,経済活動を再開していくためにも,引き続き,市民・事業者の皆様には,感染拡大防止対策に御理解・御協力をお願いしたいと思います。
 それでは,本日終了しました令和3年9月市会の議案審議結果について報告いたします。
 9月市会につきましては,9月22日から10月27日までの36日間の審議期間としておりましたが,衆議院議員総選挙に伴い,本日11月5日まで延長して開催いたしました。
 お手元の9月市会審議結果総括表を御覧ください。
 市長から提出されました議案は,「令和2年度京都市一般会計歳入歳出決算」など,計49件ございました。
 市会では,本会議で市長,副市長から提案説明を聞いた後,予算,決算特別委員会や常任委員会において十分な議論を行ったうえで,49件を原案のとおり可決,認定しました。
 そのうえで,2件の議案に対し4個の付帯決議を付すとともに,1件の議案に対し1個の意見を付すことといたしました。
 また,議員提出議案である市会議案といたしまして,意見書について,2件を可決,1件を否決し,「コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方財源の充実を求める意見書」及び「出産育児一時金の増額を求める意見書」を国に提出することとしたものです。
 その他,請願4件について審査し,4件を不採択といたしました。
 なお,9月30日,10月1日には計17名の議員が市政一般について代表質問を行ったほか,10月18日及び19日には決算特別委員会総括質疑において,39名の議員が市長らと活発に議論を交わすなど,今市会では,令和2年度決算の審査を中心に,市政全般にわたり,議論を行ってまいりました。

 「9月市会の議案審議結果」については,以上でございます。

<2.働き方改革の視点を踏まえた議会審議の見直し>
 次に,「時間外勤務縮減などの働き方改革の視点を踏まえた議会審議の見直し」について,ご報告いたします。
 京都市会では,これまでから,「職員の働き方改革」につなげるため,予算・決算特別委員会の審査日程を見直すなど,必要な見直しを行ってまいりました。
 今般,本市が,時間外勤務の大幅な縮減をはじめとする,抜本的な働き方改革に取り組んでいることに鑑み,市会としても職員の「時間外勤務の縮減」に資するために一層の効率的・効果的な議会運営を行う視点から,また,二元代表制の一翼として市会が果たす役割を確実に発揮するための「審議の充実」の観点も踏まえ,会派間で協議を重ねた結果,この度,議会審議の見直しを行うこととしたものです。
 それでは,見直しの内容をご説明します。
 まず,予算・決算特別委員会の分科会局別質疑の質疑時間について,現行「10時から17時30分まで」を,30分繰り上げて,「17時まで」といたします。
 また,市長等に対する総括質疑の質疑時間についても,現行「10時から18時まで」を,30分繰り上げて,「17時30分まで」といたします。
 次に,常任委員会については,「一般質問の事前通告制を全ての委員会に採用」するとともに,「議案審査・報告聴取以外の案件について各会派に質疑時間を割り当てる」ことといたします。
 さらに,議案審議の充実を図る観点から,審議期間が長期に及ぶ9月市会と2月市会については,審議期間後半に設定している常任委員会に加え,「審議期間の前半にも新たに2日間確保する」ことといたします。
 これにより,報告聴取に係る案件の分散化を図るとともに,報告聴取や一般質問の機会を増やすことで適切なタイミングで審議ができることになります。加えて,新たに付託された請願等を速やかに審査できることにもなります。
 これら委員会の質疑時間や議会日程の見直しに当たりましては,市会対応を行う職員の時間外勤務の縮減や負担の軽減を図り,かつ,議会審議の充実を図るため,会派間で精力的に協議を行い,働き方改革の推進に積極的に取り組んだものであります。
 以上の取組は,今月24日から始まります11月市会から開始してまいりますが,今後も引き続き,働き方改革の視点を持ちながら,活発な議論や審議の充実を図り,議会の役割をしっかり果たしてまいります。

 「時間外勤務縮減などの働き方改革の視点を踏まえた議会審議の見直し」については,以上でございます。

質疑応答


<発表案件に関する質疑>


記者
 9月市会において,敬老乗車証と学童クラブ事業について市民負担を求める条例改正案が議決されました。議会としての受け止めを教えてください。

議長
 敬老乗車証,学童クラブ事業とも市民生活に直結する部分でして,見直しに当たり,請願・陳情もかなりの数,敬老乗車証で陳情1,004件,学童クラブで請願2件,陳情132件と,1,000件以上を受理し,審査してまいりました。この間,長年続いた不均衡な決算の状況,今後の行財政改革も踏まえた上での審議が行われ,決算を含め全ての議案において可決,認定をしましたが,市長に対しては,付帯決議や付す意見を重く受け止め,市民・事業者支援,感染拡大防止といったコロナ対策や市民福祉の向上に向けた取組を一層進めていただくように求めたところです。

記者
 今のお話に関連して,付帯決議に込められた思いをお聞かせください。

議長
 敬老乗車証制度については,昭和48年に創設され,当時の市の負担額は3億円であったが,昨年度の負担額は17倍の52億円にのぼっており,この間平均寿命も伸びているなど,世代間の負担の公平性という点からも,制度の見直しについて議論がなされていたと認識しています。その中で,激変緩和となるよう,順を追って市に対応を求めていきたいと考えております。
 児童館・学童保育所については,子供の居場所として非常に重要な役割を果たしています。新たな料金体系にあたっては,京都市として,子育て世代に寄り添ったと打ち出していた部分が見直されます。市民の皆さんに対して改正内容を丁寧に説明するとともに,安心して子どもを産み育てられる環境が持続可能なものとなるよう,市に求めてまいります。
 
副議長
 先ほどの激変緩和について補足しますと,激しい変化で市民が混乱しないよう,激変を緩和する経過措置を設ける必要があるとの考えの下,議論が展開され,それを踏まえ付帯決議が出されたものです。

記者
 働き方改革の部分においては,時間の短縮や審議の充実など工夫がされていますが,評価をお聞かせください。

議長
 以前から,常任委員会での審査が深夜に及ぶというのは,職員にとってもいかがなものかという議論が,議員の間でもありました。各委員会でも活発な議論はしていただかないといけないのですが,同じ議論を繰り返す,堂々巡りの部分があったのではないかと。その部分で端的な答弁も必要ですし,議員側も的確な質問をし,同じ質問を繰り返さないといったことを含めて,質疑時間の見直しを求めてきたところです。各会派,市会運営委員会も含め十分に議論し,見直しの内容について合意したものです。今後,審議内容が十分活発に,市民に寄り添ったものとなるよう,的確に時間内で議論が終結するような形で,職員の負担軽減を進めるという観点から見直しが行われたものと認識しています。

記者
 働き方改革に関して,30分繰り上げとありますがどのあたりが繰り上げになるのでしょうか。

議長
 従来の時間ですと,入れ替わりや説明など様々な要因で超過勤務が必要となります。そこで,予算・決算特別委員会局別質疑の質疑時間を17時まで,総括質疑の質疑時間を17時30分頃までとし,超過勤務を減らしていこうとするものです。

記者
 働き方改革に関して,質疑の時間繰り上げや事前通告などは分かりやすいのですが,各会派の議員への説明における職員の廊下での待機などに対して,対策はありますでしょうか。

議長
 待ち時間の部分もありますが,資料の内容を議員が事前に確認して委員会に臨むことが,的確な質疑につながります。事前にしっかり調べるためのものですので,今後も説明をいただけるものと思います。

記者
 担当者が説明に来る時間を事前に予約すれば,時間のロスなく働けるかと思うのですが,現状では,担当者が各議員に説明に行く際はどのようにしているのでしょうか。

議長
 職員はタイミングを見計らって議員に説明に行っていますし,質問等があれば,資料の提出も含めて議員側から随時お願いをしています。始まるまでに内容を十分理解をしているとの前提のもと,委員会が開かれていると思います。委員会の場でそもそも論の質疑が出ないようにすることが,時間短縮につながると思っています。議員側も,しっかり予習をして委員会に臨む姿勢でいなければならないと思います。

記者
 委員会をスムーズに進めるため,事前に予習をして,説明を受けて,資料を読んでおくというのは確かに重要だと思います。しかし,タイミングを見て各議員に会いに行くというのは,働き方改革の点でみると,時間の設定やスケジュールが立てにくいと思ったのですが,その点はいかがでしょうか。

議長
 議員側はできる限り早く行政側の資料を提出してほしい,行政側はできるだけ早い段階で,議員がどういう質問をするのか通告してほしいということでした。今回,質問通告が前日の13時になったことで,行政の負担軽減も含め,審議内容が濃いものになるのではないかと思います。議員側も,事前に早い段階で資料をいただけるようお願いをしており,深い審議になるのではないかと思います。

副議長
 行政側の担当者は,大部分で事前に議員と会う日時を決めてから説明に来ています。議員も体が一つですので,別の説明を受けている間は,職員が順番待ちをしている場合もあります。地元にいたり,別の場所にいて市役所に来ることができない場合は,違う方法で説明を受ける場合もあり,臨機応変に対応しています。

記者
 質疑がスムーズに進むためには予習が必要になりますが,予習の部分で担当者の拘束が増え,超過勤務が増えるのではないかという悪循環を懸念してのことです。

記者
 市が進める行財政改革の関連でお伺いします。市当局が具体的に改革案を出すのは2月市会になるかと思いますが,一部先行して固まったものから議会に示される方針となっています。早ければ11月市会に提出されると思いますが,出てきた内容を十分審議する時間が確保されているのかという点と,市民に対して見直しの内容を十分に分かりやすく説明する時間を,市の側で持てるのかという点をお伺いします。

議長
 現在,行政側で個別に事業の見直しをしており,一度に提出という形にならない点は理解できます。今回であれば敬老乗車証と学童保育ですが,今後保育園関係,その他今までやってきた事業の見直しも含めて,一から見直しに取り組んでいます。その点を理解したうえで,その都度,案件ごとに内容が的確かどうかという判断をしていくものだと思っております。

記者
 具体的に何が出てくるのか分からない状態ですが,提出されたものを十分に議論をするということですね。

議長
 おっしゃる通りです。

副議長

 行財政改革の全体案に関しては,早くから書面が示され,それを踏まえた議論も,その都度常任委員会で行っております。例えば,今回の敬老乗車証に関しても,何年越しかで継続して議論を積み重ねてきたものです。去年や今年から急に出てきたものではなく,何年も前から今のままでは良くないとの共通認識のもとで議論を重ね,様々な段階を踏んで今回条例改正案が提出されました。それ以外の案件も,第三者委員会等で審議され,また答申等の段階を踏んでいると認識しています。行政側も個々の事情に応じて,条例案や予算案を提出している,そうした事情を理解したうえで議論をしていきたいと思います。


<発表案件以外の質疑>

記者
 9月市会と直接の関係はないかもしれませんが,10月31日投開票の衆議院議員選挙について,どういうことが問われた選挙だとお考えでしょうか。

議長
 選挙に関しては,その間議会を休会にするのか,続行するのか議論がありました。国政は,市会への影響も大きいので,各会派で話し合い,選挙後に再開しようということになりました。結果に関してのコメントは控えさせていただきます。結果いかんにかかわらず,京都市の厳しい状況を踏まえますと,国との連携なしにはこの局面を乗り切っていけない部分が多いと思います。行政側でも国へ要望されるでしょうが,議員側でも国や府に対して要望するとともに,連携できるところは連携し,この難局を乗り切っていきたいと思います。
  

記者
 本日,議場で撮影をしていたが,居眠りをしている議員が目立ちました。敬老乗車証など,市民の関心が高い分野が議論されている中,居眠りをしているのは,議員としての覚悟か足りないと思ったが,いかがお考えでしょうか。

議長
 おっしゃる通りだと思います。市会運営委員会の委員にもこの場でいただいたご意見を伝え,改善していきたいと思います。ご指摘ありがとうございます。