摘録


最終更新日:令和2年6月9日

令和2年6月2日

 

報告案件

 <5月市会の議案審議結果>
 冒頭に,新型コロナウイルス感染症に罹患され,誠に残念ながらお亡くなりになられた方に対して,謹んで哀悼の意を表するとともに,現在も闘病を余儀なくされておられる皆様の一日も早い快復を心からお祈り申し上げます。
 また,昼夜を分かたず,医療や福祉の最前線で奮闘されている皆様に心より感謝申し上げます。
 そして,議会交流協定を締結した台湾の台南市をはじめ多くの方々から,マスク,防護服,フェイスシールド,医療用ゴーグル等の様々な物資の御寄付を京都市に頂いております。誰しもが未曾有の危機に直面している状況の中,京都市を支えていただいた皆様に,この場をお借りし,深く感謝申し上げます。

 続いて,本日終了しました令和2年5月市会の議案審議結果について報告いたします。
 5月市会につきましては,5月19日から6月2日までの15日間の審議期間で開催し,5月22日には計10名の議員が代表質問を行いました。
 お手元の5月市会審議結果総括表を御覧ください。
 市長から提出されました議案は,「令和2年度京都市一般会計補正予算」など,計39件ございました。
 市会では,本会議で市長,副市長から提案説明を聞いた後,予算特別委員会や常任委員会において十分な議論を行ったうえで,39件全てを可決,同意又は可と認めることとしました。
 そのうえで,議第60号「令和2年度一般会計補正予算」他1件の議案に対し,それぞれ1件の付帯決議を付すことといたしました。
 また,議員提出議案といたしましては,「京都市会議員の議員報酬の額の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定」について,全会一致で可決しました。
 条例の改正については,議員の今年度の夏期手当を15%削減することとしたものです。
 その他,意見書・決議については3件を可決,1件を否決いたしました。
 可決した意見書については,地方に対する財政措置の一層の充実を,また,医療機関等への支援拡充を国に求めることとしたものです。
 決議については,森川央議員が,実施されていない工事の工事代金を計上するとともに,翌年度にも当該工事代金を二重に計上し,政務活動費として得ていたことに対する問責決議であります。
 これは,不正の疑いを持たれるおそれのある行為をしないように定められた京都市会議員政治倫理条例の規定に反するものと言わざるを得ず,議員及び京都市会に対する市民の信頼を大きく失墜させるものであるとして,問責したものです。
 その他,請願1件について審査し,1件を不採択といたしました。

<4月開会市会における決議に係る議員報酬及び夏期手当の削減分の活用>
 4月開会市会で決議した,「議員報酬及び夏期手当の削減による1億円の捻出」については,市民や中小企業等を一層支援することを表明し,5月市会における補正予算の財源として活用することとしており,このたび「京都市新型コロナウイルス感染症対策支援支え合い基金」に活用することとしました。
 「支え合い基金」については,感染症対策を支援するためにお寄せいただいた寄附金を,市民・事業者・医療機関を支援する事業等の実施に要する費用の財源に充てるもので,今5月市会でその設置に関する条例が可決されたものです。
 感染症に伴う市民生活・経済活動の大変厳しい状況を踏まえ,市会としては,報酬等の削減分を,より市民・事業者等に寄り添った事業へ活用するため,この「支え合い基金」に積み立てることとしました。
 「5月市会の議案審議結果」及び「4月開会市会において決議された議員報酬及び夏期手当の削減に係る補正予算の財源への活用」は以上でございます。

質疑応答


<発表案件に関する質疑>


記者
 4月5月とコロナ対策の予算が盛り込まれたが,その中身についてどのようにお考えか伺えますか。

議長
 国では,特別定額給付金について,オンライン申請が始まり,早い方は入金が始まっているが,それ以外の方は京都市においても,郵送で申請書を送り,それに記入し申請いただくのがスムーズだと考えている。この場合,京都市においては,手作業が大変であり,人員が必要であり,なるべく早く市民の方々に届けるように,今,頑張っていると聞いている。
 中小企業等緊急支援補助金についても,4月は5億円,その後10億円,今回25億円まで予算が増やされた。1万以上の中小事業者から申請があり,申請者の方々に全額補助金がいきわたるよう,できるだけ早く実施いただきたい。

記者
 今回,委員会や代表質問の中で,京都市の新型コロナウイルス感染症に関する広報の発信力が足りないという声が散見された。議長としての考えがございましたらお聞かせください。

議長
 ご指摘があったことは重々理解している。コロナに関する具体的措置は知事に権限があるが,府市協調で今後もやっていく所存である。二元代表制の一方として,京都市の広報力を高めるように,市民の代表として,様々なことを提案させていただく。市長のリーダーシップでこれからも周知することが大切であります。新たな患者の発生は18日間ゼロであるが,また第2波,第3波がいつ来るかは分からないので,今後も,「新しい生活様式」「場面ごとの行動指針」について,市長のリーダーシップでしっかりと周知していただくよう,我々からも,しっかり提案しているところでございます。

記者
 今回の委員会を含め,2月市会などコロナウイルスの流行する前からであるが,特に常任委員会で,委員一人の発言時間が制限されていた。議会全般の審議時間の確保が課題だと思うが,議長の考えを伺いたい。

議長
 4月の本会議では,早急に決めなければならないということで即決させていただいた。今回の5月市会は,大事な案件でございますので,しっかりと審議させていただいた。現在,3密対策等もあり,時間を短縮して行っているが,今後も,3密対策をはじめ,様々な対策を行いながら,議会及び委員会等をやっていきたいと思っております。

記者
 本日,維新の森川議員の問責決議案が可決された。条例に基づき議長の調査が行われていると思います。どういった理由で調査する運びとなったのか。議長権限を踏まえて,御意見をいただけますでしょうか。

議長
 住民監査請求の結果を聞いてこうした事実が発覚したということで,まずは,森川議員に厳重注意した。
 こうした事態を招いたことで,我々議員にも市民にも不安感を与えるということで,重大な問題であり,政治倫理条例にも反しているということである。森川議員は,事実として二重計上しており,重大な問題であると思い,議長としての調査権を発出した。6月5日までの期限で,質問を投げかけているところである。今後,森川議員から回答をいただき,その結果を踏まえて,これからさらに検討していきたいと思っております。

記者
 問責決議については,把握している限りで平成30年に1度あり,それ以来となるかと思うが,議会で,議員である方が問責を受けるという事態になったことについて,どのようにお受け止めでしょうか。

議長
 重大な事態だと思っている。議員は市民の代表であり,手本を示さなければならない。不安を煽ったということは大変なことである。議員である以上,襟を正してやっていくということも含めまして,今回厳重注意と調査権を発したというところです。

記者
 調査権を発動され,森川議員に対して6月5日までの期限に回答を求めているが,議長として森川議員に求めたいことは。

議長
 議長室に来ていただき,厳重注意をしました。本人からの謝罪の言葉もあり,真摯に対応いただいた。今後は,説明責任を果たしていただき,疑念の払しょくをしていただくことを求めたいと思っております。

記者
 議員報酬が1割削減,夏期手当が15%削減とのことであるが,議長として,この削減の割合で十分だとお考えでしょうか。

議長
 我々は,何年か前から10%報酬カットしております。いろんな形で,最初は東日本大震災に係る復興支援,京町家,2年前は災害復興などに充ててきた。今回,新型コロナに関して,観光,その他の方面にも大変影響が大きいということで,夏期手当の15%をカットし,1億円を基金に入れさせていただく。十分とは言えないかも知れないが,誠意をもって資金に積み立てさせていただきました。

記者
 不十分かもしれないということは,今後追加の可能性もあるのか。

議長
 これから審議して,これからの進め方次第である。

記者
 政務活動費の不正により問責決議されることは,今までなかったと思われるが,今後,政務活動費の不正等の類似事案があった場合は,今後も同様に対応することになるのでしょうか。

議長
 政務活動費は,議員にとっても重要なこと。同様の案件があった場合,議長の調査発動や決議といったこともあり得るだろうと思います。

<発表案件以外に関する質疑>

記者
 4月,5月とコロナウイルスの流行期に,通常6,9,12月など本会議の開催時期が決まっている議会が多い中,京都市会は通年議会を採用されており年間を通じ開会できる状態にされていた。この点,メリットがあったのではないかと思うが。京都市会として,このメリットをどのように感じているか。
 
議長
 市会改革において通年議会になった訳ですけれども,想定外の事態が起きるかわからないため,通年議会は一番大事だと思っており,今回も素早く委員会等を実施できたと思っております。

<新型コロナウイルス感染症対策の振返り>

議長 
 本日が5月市会の最終日ということですので,この間の京都市会の新型コロナウイルス感染症対策を振り返った所感について,私から述べさせていただきたいと思います。

 新型コロナウイルス感染拡大防止対策としては,4月開会市会同様,本会議においては,定足数を下回らない範囲で議場内の議員数を調整し,委員会においては,委員及び理事者の席の間隔を開けることとしました。
 予算特別委員会においても,先の2月市会同様に,局別質疑の審議時間を短縮するとともに,本会議同様,定足数を下回らない範囲で委員会室内の議員数を調整しました。
 この他,発言者ごとのマイクの消毒,換気時間の確保,アクリル板の設置等,いわゆる3密を避ける様々な対策を講じたうえで,簡潔かつ的確な質疑に努めながら審議を行いました。
 今回の5月市会は,「新型コロナウイルス感染拡大防止対策」や「市民生活・京都経済の下支え」に係る補正予算を中心とした議案を議論する重要な集中審議期間であるため,このような状況のもとでも,全会派の協力のもと,しっかりと審議を行えたと考えております。
 また,5月21日には,京都府に対する緊急事態宣言が解除されました。市民や事業者,医療や福祉といったあらゆる方々の御尽力の結果であります。改めて敬意を表し,感謝を申し上げます。
 しかしながら,ここで気の緩みが生じてしまうと,感染拡大の第2波,第3波を引き起こすことにつながります。宣言解除された今だからこそ,感染拡大を防止するための対策を継続して取り組むことが必要です。
 そこで,同日に,次の点について,私から市長に緊急の申入れを行いました。

 〇 市民の皆様にどのように行動していただきたいのかの基本的な行動指針や,公共交通機関や
  学校などの場面ごとの行動指針を早急に示すこと。
 〇 医療,福祉などの各機関と引き続き連携し,支援していくこと。 
 〇 地域経済に対して一層支援すること。
 〇 本市のあらゆる事業の見直しを行うなど,厳しい財政状況を踏まえた取組を徹底すること。

 宣言解除によって,新型コロナウイルス感染症の脅威が払しょくされたわけではありません。京都市において,市民の皆様や中小企業等の皆様,医療・福祉関係の皆様等を一層支援していかなくてはなりません。
 そのため,4月開会市会,5月市会で可決した補正予算については,「感染拡大防止対策」や「市民生活・京都経済の下支え」等に,十分に活用し,市民の皆様に対する支援において,最大限の取組を行っていただけるよう,強く求めてまいります。

 私からは以上です。

議長 
 1億円の基金への積み立てが不十分と申し上げましたが,訂正させていただきます。今までが7,700万円で,今回の夏期手当の削減を合わせて1億円ということです。今回この1億円を基金に積み立てるものです。今後も京都市において,前例にとらわれることなく,あらゆる対策について最大限の取組を強化するよう引き続き強く求めていきます。