令和元年定例会(5月市会)

最終更新日:令和元年5月28日

意見書・決議

児童虐待の根絶に向けた実効ある対策を求める意見書

(令和元年5月28日提出) 


 昨年3月の東京都目黒区での女児虐待死事件,本年1月の千葉県野田市での悲惨な児童虐待等,依然として深刻な児童虐待事件が後を絶たない現状にある中,政府は,本年3月19日に児童福祉法等改正案を閣議決定し,今国会で成立することとなった。
 京都市においては,各区役所・支所に子どもに関する一元的な相談窓口である「子どもはぐくみ室」を設置し,関係機関ときめ細かく連携するなど,虐待の発生防止,早期発見に向けた対応を積極的に行ってきている。
 しかしながら,全国的に児童虐待の根絶に至っていないことを考えれば,今回の法改正を機に,国を挙げて実効ある対策が今ほど求められている時はない。
 よって国におかれては,一刻も早い児童虐待の根絶に向け,下記の事項に総力を挙げて取り組むことを強く要望する。



1  「しつけによる体罰は要らない」という認識を社会全体で共有できるよう周知啓発に努めるとともに,法施行後2年をめどに必要な検討を進めるとしている民法第822条の「懲戒権」や子どもの権利擁護の在り方については,丁寧な議論のうえ,速やかに結論を出すこと。
2  学校における虐待防止体制の構築や警察との連携の強化に加え,スクールソーシャルワーカーをはじめ,スクールロイヤー,児童福祉司等の児童虐待防止のための専門人材の配置のための財政支援を図ること。
3  虐待防止のための情報共有システムの全国統一の運用ルールや基準を国において速やかに定め,全ての都道府県・市町村でのシステム化の構築のための支援を行うこと。
4  児童相談所とDV被害者支援機関との連携を一層強化し,児童虐待とDVの双方から親子を守るための体制を強化すること。
5  早期発見と初期対応に有効な妊娠・出産から子育てまでの切れ目のない相談及び支援を行う「子育て世代包括支援センター(日本版ネウボラ)」や,虐待家庭に対応する「子ども家庭総合支援拠点」の整備促進等,児童虐待の根絶に向けた機能強化を一層図ること。


  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 (提出先)
  衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣