令和元年定例会(11月市会)

最終更新日:令和元年12月13日

意見書・決議

令和元年台風19号等からの復旧・復興に向けた対策を求める意見書

(令和元年12月13日提出) 

台風19号等の影響により,東北,信越,関東,東海にかけて,河川の堤防が決壊したほか,越水などによる浸水被害,土砂災害などが広範囲にわたり多数発生し,各地に甚大な被害をもたらした。台風15号による被害の爪痕が残る地域では,追打ちをかけるような事態となった。
 政府においては,被災直後から迅速な救助・救出活動,避難支援などの応急対応を行うとともに,早期復旧に向けた様々な取組に総力を挙げてきたところであるが,どこまでも「被災者第一」で,今後の生活支援,早期の住まいの確保,産業・生業の支援など,被災者に寄り添った支援が求められる。
 京都市においても,昨年の台風21号をはじめとした風水害による家屋被害や倒木等の爪痕がいまだ多く残る状況であり,一旦災害が発生すると,その復旧・復興には多大な時間が掛かることは周知のとおりである。
 よって国におかれては,水道や電気等のライフライン,鉄道や道路等の交通インフラの早期復旧,決壊した河川の堤防等では,二度と災害を起こさない「改良復旧」を強力に推進するとともに,ソフト・ハード両面にわたる復旧・復興に向けた総合的な支援策を強力に講じることを強く求める。



1  被災者の1日も早い生活再建のため,既存制度の対象拡大や要件緩和など,弾力的な運用を行うこと。
2  医療施設,社会福祉施設,学校教育施設等の復旧・再開に向けて,必要な支援を行うこと。
3  商工業,農林水産業の早期の事業再開のため,被災した事業用建物,設備,機材等の復旧を支援する補助制度を創設すること。
4  被災地の風評被害を払拭するため,旅行商品・宿泊料金の割引等に対して必要な観光支援を行うこと。
5  被災地への切れ目ない復旧・復興の推進のため,復旧作業の進捗を見極めつつ,補正予算の編成について適切に判断すること。
6  「防災・減災,国土強靭化のための3か年緊急対策」の計画どおりの遂行と,期間終了後も必要な対策が講じられるよう,継続して予算措置を行うこと。


  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣,農林水産大臣,経済産業大臣,国土交通大臣,内閣府特命担当大臣(防災)


スマート農業の実現による競争力強化の加速を求める意見書
(令和元年12月13日提出)

農林水産業や食品産業の現場では,依然として人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業が多く,省力化,人手の確保,負担の軽減が大きな課題となっている。例えば,機械化が難しいとされ手作業でなければできない危険な作業や厳しい作業が残されていたり,選果や弁当の製造・盛り付けなど多くの雇用労力に頼っているが労働力の確保が困難であったり,1人当たりの作業面積の拡大といった点に改善が期待されている。
 こうした状況を打破するため,政府は,2022年度までに,様々な現場で導入可能なスマート農業技術が開発され,農業者のスマート農業に関する相談体制が整うなど,スマート農業の本格的な現場実装を着実に進める環境を整えるため,「農業新技術の現場実装推進プログラム」に即した取組を進めようとしている。これにより,農業現場が抱える農業従事者の減少や農業の生産性の向上といった課題に対応することが期待されるが,各々の施策が現場において着実に推進されなければならない。
 また,大多数が耕地面積の小さい京都市においては,スマート農業機械の実用化に向けた改良なども求められる。
 よって国におかれては,「農業新技術の現場実装推進プログラム」が農業者だけでなく,企業,研究機関,行政機関などの関係者を巻き込んで推進できるよう,下記の事項に取り組むことを求める。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 



1  農業経営の将来像を示すに当たっては,地元の生産条件を加味し,営農類型をよく把握したうえで,先進的な農業経営の姿を提示すること。
2  技術ごとのロードマップを示すに当たっては,実証・市販化・普及の流れを農業者が求める技術やサービスとして提示できるよう,現場の意見を把握しながら推進すること。
3  技術実装は,「失敗と成功」の不断の努力が必要であり,KPIを把握しつつも農業の特性に応じた中長期の実践を支援すること。
4  小規模農業におけるスマート農業機械の実用化に向けた技術開発も進めること。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,農林水産大臣