平成26年第2回定例会(11月市会)

最終更新日:平成26年12月22日

[採択請願]

葬儀場建設の指導(北区紫野)[受理番号257,258]
(26年12月22日採択)

(要旨)
 北区紫野東蓮台野町11-1他において,株式会社セレマ(以下,セレマ)が葬儀場の建設を計画している。
 建設予定地は,その一部に風致地区が含まれるなど閑静な住宅街にあり,近隣には今宮神社や西向寺,大徳寺などの神社仏閣もある住民には愛着をもって平穏な生活が営める真に環境良好な土地である。また,北へ約100メートルの所には京都市立旭丘中学校があり,南側には京都府立 盲学校幼小中等部や佛教大学,京都市立紫野高等学校,東側には今宮幼稚園,西側には錦綾幼稚園などの教育施設も建ち並ぶ地域でもある。
 葬儀場が建設されることにより,住民にとっては自宅前で参列者の車やタクシーの乗降が行われたり,日常的に喪服姿を目にすることによる 精神的な苦痛が生じることは必至であり,近隣住宅地の経済的価値の下落も大変心配される。
 一方,また,建設予定地は北山通に面しているうえ,千本通と今宮通, 鷹峯街道との変則交差点から約10メートルとその交差点内にあると言っても過言ではない場所にある。
 住民が,最も危惧するところは,交通量が多く変則交差点となっているこの近辺で,これまでにも交通事故が多発していることであり,葬儀場が建設されることにより不特定多数の乗用車やタクシーなどでの来場があり,出棺の際の交通規制も行われることから,交通事情の更なる悪化が引き起こされることである。それにより,周辺住民だけでなく歩行訓練をされる盲学校の生徒や部活動で校外練習のランニングをしている中高生達にも交通事故に巻き込まれる危険性が増大することになる。
 北山通の交通量の多さと共に鷹峯の光悦寺,源光庵等から今宮神社, 大徳寺等にかけての多くの散策者,初詣や正月,盆,春秋の彼岸の墓参, 佛教大学の入試や通信教育夏のスクーリング等,人や車が集中し混雑するこの地域特有の事情も考慮される必要がある。
 セレマは,建設説明会において,自ら抜本的に見直さなければならないほど危険な交差点だと認めながら,交通状況悪化となる現計画を推し進めることにより,交通事故が更に多発し犠牲者が出るようなことになっても現計画を見直さないという人権を無視し,利益を優先する発言をするなど,非常に憤りを感じる。交通状況悪化が考えられる現計画を推し進めることにより,交通事故が多発し近隣住民の安心・安全が損なわれるかもしれないのにもかかわらず,その意見を取り入れた計画変更も考えず,当初の計画を推し進めようとしている。
 また,建設計画そのものも建築や開発許可に当たって多くの問題点があるのにもかかわらず適正な対応,手続等について,十分検討がなされずに計画が進められている。
 このようなことから建設予定地は,当該施設の建設にはふさわしくな く,セレマは建設計画を白紙にし,用途変更などを含めて再考すべきと 考える。
 また,この間のセレマは,住民からの指摘や要望を真摯に受け止めて 親切丁寧に回答するという姿勢に大変欠けている。
 ついては,株式会社セレマに対して,各種法令を遵守し,住民に誠実に向き合い十分な説明を行い,完全な合意がないまま建設に着手しないよう指導することを願う。
(受理番号257:平成26年10月28日一部訂正,受理番号258:平成26年10月30日一部訂正)