令和3年定例会(9月市会)
最終更新日:令和3年11月5日
意見書・決議
出産育児一時金の増額を求める意見書
(令和3年11月5日提出)
厚生労働省によると,2019年度の出産費用は,正常分娩の場合,全国平均額は約46万円で,室料差額等を含む費用の全国平均額は約52万4,000円となっている。出産に掛かる費用は年々増加し,費用が高い都市部では現在の42万円の出産育児一時金の支給額では賄えない状況になっており,平均額が48万円の京都府では,出産する人が約6万円を持ち出している現状である。
国は,2009年10月から出産育児一時金を原則42万円に増額し,2011年度にそれを恒久化,2015年には一時金に含まれる産科医療補償制度掛金分3万円を1万6,000円に引き下げ,本来分39万円を40万4,000円に引き上げた。さらに,2022年1月以降の分娩から産科医療補償制度掛金を1万2,000円に引き下げ,本人の受取額を4,000円増やすとともに,医療機関から費用の詳しいデータを収集し実態を把握したうえで,増額に向けて検討することとしている。
一方,令和元年の出生数は86万5,239人で,前年に比べ5万3,161人減少し過去最少となった。少子化克服に向け,安心して子どもを産み育てられる環境を整えるためには,子どもの成長に応じた,きめ細かな支援を重ねていくことが重要であり,一時金はその大事な一手であると考えられる。
少子化対策は,我が国の重要課題の一つにほかならず,子育てのスタート期に当たる出産時の経済的な支援策を強化することは欠かすことができない状況にある。
よって国におかれては,現在の負担に見合う形に出産育児一時金を引き上げることを強く求める。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣,内閣府特命担当大臣(少子化対策)
コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方財源の充実を求める意見書
(令和3年11月5日提出)
新型コロナウイルス感染症のまん延により,地域経済にも大きな影響が及び,地方財政は,来年度においても,引き続き,巨額の財源不足が避けられない厳しい状況に直面している。特に,京都市では,観光客が激減し,一層の地域経済の冷え込みから,税収も厳しい見通しとなっている。
地方自治体では,コロナ禍への対応はもとより,防災・減災,雇用の確保,地球温暖化対策などの喫緊の課題に迫られているほか,医療介護,子育て支援をはじめとした社会保障関係経費や公共施設の老朽化対策費などの将来に向け増加する財政需要に見合う財源が求められる。
その財源確保のため,地方税制の充実確保が強く望まれる。
よって国におかれては,令和4年度予算編成と地方税制改正に向け,下記の事項を確実に実現されるよう強く要望する。
記
1 令和4年度以降3年間の地方一般財源総額については,「経済財政運営と改革の基本方針2021」において,令和3年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとされているが,急速な高齢化に伴い,社会保障関係経費が毎年度増大している現状を踏まえ,他の地方歳出に不合理なしわ寄せがなされないよう,十分な総額を確保すること。
2 固定資産税は,市町村の極めて重要な基幹税であり,制度の根幹を揺るがす見直しは断じて行わないこと。生産性革命の実現や新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として講じた措置は,本来,国庫補助金などにより国の責任において対応すべきものである。よって,現行の特例措置は,今回限りとし,期限の到来をもって確実に終了すること。
3 令和3年度税制改正において土地に係る固定資産税について講じた,課税標準額を令和2年度と同額とする負担調整措置については,令和3年度限りとすること。
4 令和3年度税制改正により講じられた,自動車税・軽自動車税の環境性能割の臨時的軽減の延長について,更なる延長は断じて行わないこと。
5 炭素税等のカーボンプライシングの導入に当たっては,地方自治体が地域の状況に応じた温室効果ガス排出削減事業を展開できるよう,その一部を,指定都市をはじめとする地方の財源とする検討を行うこと。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣,環境大臣,内閣府特命担当大臣(経済財政政策)