摘録

最終更新日:平成28年8月24日

平成28年6月3日

報告案件

   議長

まず,先般,平成28年熊本地震によって,お亡くなりになられた方々と,その御遺族に対し,京都市会といたしましても謹んでお悔やみ申し上げますとともに,被災されました皆様に対し,心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

<5月市会の審議結果>

 まず,報告の一点目でございますが,本日終了しました平成28年定例会5月市会の審議結果についてであります。
 5月市会につきましては,5月20日から6月3日,本日までの15日間の会議を開催させていただきました。
 お手元の5月市会総括表を御覧ください。
 市長から提出されました議案は,「平成28年度一般会計補正予算」など計39件ございました。
 市会では,本会議で市長,副市長から提案説明を聞いた後,予算特別委員会や各常任委員会において,十分な議論を行ったうえで,市長から提出された全ての議案,計39件を可決いたしました。
 その上で,1件の付帯決議を付すことといたしました。
 また,議員提案である市会議案といたしましては,意見書については4件を可決,1件を否決し,決議については,焼却灰溶融施設プラント設備工事に係る損害賠償等請求訴訟の判決に関する決議1件を可決し,その他1件を否決いたしました。
 なお,5月25日には9名の議員が市政一般にわたり代表質問を行いました。
 今市会では,全国的にも注目を浴びております,民泊問題の今後の対応方針や文化庁の京都への全面移転などについて,代表質問等をとおして,市長らと活発に議論を交わしました。今後も引き続き,委員会等をとおして,議論を深めてまいりたいと考えております。
 5月市会における議案審議結果は以上でございます。


<熊本地震に対する支援>

 次に,京都市会における熊本地震に対する支援についてであります。
 冒頭でも申し上げましたが,被災された皆様に対しまして,改めてお見舞い申し上げます。
 被災地では未だ余震が続く中,多くの方々が避難生活を送っておられます。
 京都市といたしまして,これまで延べ500人を超える職員の派遣や,支援物資の提供などを行ってきましたが,京都市会におきましても,5月18日に,被災地域の一日も早い復旧と復興を支援するために,京都市会議員全員が出し合った義援金70万円を,熊本市議会に贈呈するとともに,熊本市議会議長に見舞状をお送りし,先日,議長から,直接お礼の言葉を頂戴したところでございます。
 今後も中長期的な対応が必要と考えられることから,引き続き被災地の方々が必要とされる支援を,粘り強く行ってまいりたいと考えております。
 今回のような地震による災害は,京都においても,いつ起こるかわかりません。熊本,大分での被害の様子を目の当たりにし,議会としても建物の耐震化等,災害に強いまちづくりをより一層進めていく必要性を強く感じており,今市会でも代表質問等をとおして活発に議論したところでございます。
 今後とも,市長としっかりと議論し,また,連携しながら,市民の命を守る災害対策をしっかりと進めてまいります。


<京都市手話言語条例制定記念キックオフイベント>

 次に,京都市手話言語条例制定記念キックオフイベントについてであります。
 平成27年定例会2月市会において,市会議員全員による提案のうえ,全会一致で可決いたしました,「京都市手話言語がつなぐ心豊かな共生社会を目指す条例」,いわゆる手話言語条例の制定を記念いたしまして,キックオフイベントといたしまして,今月18日に,京都市会,京都市,京都市聴覚障害者協会の共催により,「手話に触れてみよう!市民のための手話学習会」を開催いたします。
 この学習会では,条例制定にあたって設置した「条例制定プロジェクトチーム」の座長を務めた西村義直議員から,条例制定に係る経過を説明させていただくほか,今後の手話に関する事業などの実施予定の説明,また,ろう者等と健聴者の方々が共に演劇をつくる活動をされている「劇団あしたの会」による手話劇や,手話のワンポイントレッスンなども行われます。
 条例の趣旨にもございますが,手話に対する理解の促進や手話の普及のためには,市民の方や事業者の方のご協力が欠かせないものであると考えております。ぜひこの学習会に,多くの市民の方にご参加いただきたいと願っております。そして, 「手話は言語である」ということをご理解いただき,手話を学び,広めるための第一歩としていただければと考えております。
 今後とも,京都市会といたしましても市民の手話への理解促進,普及に向けた取組をはじめ,障害者施策全般にわたり,ノーマライゼーションの推進が一層図られるよう,市長と連携し取り組んでまいりたいと考えております。


<世界歴史都市会議及び京都・プラハ姉妹都市提携20周年記念事業への出席>

 次に,「世界歴史都市会議」及び「京都・プラハ姉妹都市提携20周年記念事業」への出席についてであります。
 6月7日から9日までオーストリア,バート・イシュル市で開催される「第15回世界歴史都市会議」には,市会からは私と各会派からの代表者の4名が参加いたします。今回の会議は「高度技術が息づく革新的かつ創造的な未来の歴史都市」をメインテーマに,各都市からの発表や討論会が行われます。ご存じのとおり,京都のまちは伝統産業はもちろんですが,伝統技術を活かしながら,高度な技術を使った先端産業も同時に息づいているまちであります。今回のメインテーマは,今後の京都を考える上で大変参考になるものと考えております。
 こうした自治体間の交流を通して,友好を深めるとともに,様々な課題や情報を共有することは,大変重要であり,今回の会議をとおして得た多くの知見が,京都をはじめとした参加各都市の取組に活かされることを大いに期待しております。
 続く6月10日から12日にかけてのプラハ市訪問では,私が市会を代表し,市長と共に「京都・プラハ姉妹都市提携20周年」を記念して開催される各種事業に参加いたします。
 「京都・プラハ姉妹都市提携20周年記念式典」への出席を始め,大蔵流茂山家と「なごみ狂言会チェコ」による狂言公演,京都の写真展や京都発祥の生涯スポーツ競技である「スカイクロス」の大会,京都市立芸術大学によるフルートとチェンバロの公演などの行事に参加する予定でございます。
 昨年はフィレンツェ市との姉妹都市50周年記念事業等におきまして,交流の促進や「京都」の魅力発信を行ってまいりました。
 このたびのプラハにおきましても,「京都」の素晴らしさが十分伝わるよう,「京都」の魅力を広く発信するとともに,今後の姉妹都市提携30年,40年に向けて,両市の絆を再確認し,様々な交流が一層進むよう,私も力を尽くしてまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

質疑応答

<発表案件に関する質疑>

記者
 世界歴史都市会議の中で議会として発表することや意見を述べる予定はあるか。

議長
 現状,議会としてということは考えておりません。京都市としての取組はしっかりと確認しながら,色々なものを吸収して帰ってきたいと思います。

記者
 プラハ市の議会との交流は考えているか。

議長
 もちろん,今後できることであれば,視野に入れていきたいと思いますし,市同士だけでなく,議会同士,あるいは市民同士での交流など,色々な形での交流が深まることがより素晴らしいことだと思っております。特にプラハは,京都市が最後に提携した姉妹都市でありますので,今年は20年目ということであり,これから,30年,40年,50年に向かってそういったものを一つひとつ増やしていければ,つくっていければと考えています。

記者
 これまでプラハ市議会と京都市会との交流はあったのか。

議長
 過去には十分な交流は私の知りうる限り,なかったと思っております。以前にも,私はプラハに行かせていただいたことがあるのですが,その時も議会の議場に入れていただいたことがあるのですが,議会の議員同士の交流は私の知りうる限りではなかったのではと思っております。

記者
 熊本市議会への新しい支援の予定はあるのか。

議長
 熊本はまだ,大変な状態であり,熊本市議会の澤田議長ともお話しさせていただきましたが,少し心理的には落ち着いてきた部分もあるけれども,一方で,罹災証明がなかなか現状ではうまくいっていないと言いますか,余震も続いておりますので,そういったことが確定しない中で,いわゆる避難生活が長引く可能性が高いというお話がありましたので,京都市とも相談しながら,我々もできることが何かないか今後も探っていきたいと思いますし,議会同士でもお話を聞きながら,我々のできる協力は粘り強く取り組んでいきたいと思っております。


発表案件以外に関する質疑

記者
 焼却灰溶融施設の判決について,市の対応について今後,協議や検証する場を設けるのか。

議長
 今は,市の対応について,議会としてどうすべきかということを検討する場を設けるということは考えておりません。市会としましては,これまでも平成25年に付帯決議を付け,またその年の11月にも住友重機械工業に対して,本市に負担をかけず,損害賠償等の請求に速やかに応じるよう決議を出しております。今回,残念ながら一審の中では京都市の主張が認められなかったということでありますが,これをしっかりと認めていただくように取組をしっかりしていただきたいと思いますし,また,我々も市民に負担にならないよう求めていかなければいけないと思いますので,まず,市がしっかりと対応していただくことが大前提だと思っております。そのうえで,もし我々が気付くような不備があればその時点では厳しく話す可能性がありますが,現時点ではしっかりと二審に勝訴できるよう力を尽くしてもらいたいと思っております。

記者
 議長としての昨年1年間を振り返った所感は。

議長
 2年目を迎えさせていただいたことは非常にありがたい事であると思っております。また,先般の記者会見の時も申し上げましたけれども,本当に多様な経験をさせていただいたと思っております。今回2年目を迎えさせていただきましたので,その1年目の経験をしっかりと活かしながら,さらに京都市会の発信力を強めていくであるとか,あるいは透明性を高めるなど,与えられている課題を一つでもしっかりと前に進めていきたいと思いますし,信頼される市会をしっかりとつくっていけるように,私も精一杯取り組んでいきたいと考えています。

記者
 具体的に,2年目を迎え去年と違うことは何か。

議長
 非常に沢山の行事等がございまして,1年目は一つひとつのことをこなしていくのが精一杯だったかなと反省しておりますので,様々なことについて自分の中でしっかりと整理をしながら,それぞれきちっと咀嚼しながらできればと思っておりますし,そのチャンスをいただいたと思っておりますので,一つひとつのことをより丁寧にしっかりとやっていきたいと思っております。

記者
 18歳選挙権についてどのように考えるか。

議長
 18歳選挙権については70年ぶりの大きな改革であると思っておりますし,しっかりと若年層に対して我々の声が届くということを考えていかなければならないと思っております。先日も市会改革推進委員会で原田先生にお越しいただきましたが,我々が慣例的にこういうことが良いのであろうと思っていることが違うということが,あると思います。
 特に,そういう18歳,未成年の方については本当に思いがけないことがあるのではないかと思っておりますので,我々の固い頭ではなく,本当に柔軟な気持ちを持って若い人と接していく必要があるのではないかと思っています。そして,やはり若い人の意見をしっかり吸収して,また,それを実現していくということが,今回や今後の選挙に臨まれるときに,非常に重要な要因になるのではないかと思いますので,そういったことを一つひとつ実現していくことに汗をかいていきたいと思っております。