摘録


最終更新日:令和5年11月6日

令和5年10月30日

 

報告案件

<1.9月市会議案審議結果>
議長
 本日終了いたしました、令和5年京都市会定例会9月市会の議案審議結果について、ご報告させていただきます。
 9月市会につきましては、9月21日から10月30日までの40日間にわたっての審議期間で開催いたしました。

 今回の市会は、物価高騰対策やコロナ禍からの回復を踏まえた観光課題への対策、中小企業への成長支援などの補正予算の議案審議に始まり、令和4年度決算など、様々な議論がございました。
 既にご存じの通り、令和4年度一般会計予算については、21年ぶりに特別の財源対策から脱却するなど、22年ぶりに77億円の実質的な黒字決算となりました。
 単年度で見ますと、京都市の財政状況は大きく改善されましたが、依然として油断のできない状況にあります。これまでからの市会での議論を踏まえて、市会として、令和4年度決算を認定したところです。
 市長におきましては引き続き、行財政改革を進め、財政難克服への道筋をより確かなものとして、持続可能な行財政運営の確立に向けて、しっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
 加えて、市民の皆様に対しましては、この間の市の財政状況の変化についてわかりやすく、丁寧な説明を行っていただきたいと思います。
 改革につきましては市民の皆様のご理解、ご協力が不可欠でございます。市会におきましても、慎重かつ丁寧な議論をしっかりとしていきたいと考えております。

 それでは、お手元の資料でございます。
 9月市会審議結果総括表をご覧ください。
 市長から提出されました議案は、令和4年度京都市一般会計歳入歳出決算など、計55件ございました。
 市会では、本会議で市長、副市長から、提案説明を聞いた後、予算・決算特別委員会や常任委員会におきまして、活発な議論を行ったうえで、55件を原案の通り可決、認定及び同意いたしました。
 その上で、3件の議案に対し、3個の付帯決議を付すことといたしました。

 また、議員提出議案である市会議案といたしまして、意見書について9件を可決し,学校施設における体育館を含めた空調設備の整備についての財政支援を求める意見書及び香料成分に起因する健康被害についての対策の促進を求める意見書などを国に提出することといたしました。
 そのほか、請願については11件を不採択といたしました。

 なお、10月2日及び3日には、計18人の議員が市政一般について代表質問を行ったほか、10月19日及び20日には、決算特別委員会総括質疑におきまして、延べ41名の議員が市長らと活発に議論を交わすなど、本市会では令和4年度決算の審査を中心に、市政全般に当たり、徹底した議論を重ねてまいりました。
 9月市会の議案審議結果については、以上でございます。

<2.その他(親子ふれあい議場見学会)>
 次に、その他として、この機会を利用して市会事業のPRをさせていただきます。
 京都市会では、12月3日の日曜日に「親子ふれあい議場見学会」を開催させていただきます。
 この事業は、京都の未来を担う子供たちとその保護者に、より市会を身近に感じていただき、市会に対して興味や関心を持っていただくため、京都市内に在住又は通学されます小学4~6年生とその保護者を対象に実施しております。
 見学会では、議場の見学だけではなく、「市会の仕組みの学習」や子どもたちが議員になったつもりで、将来の夢やお父さん、お母さんに伝えたいことなどを発言いただく「演壇で話してみよう!」のプログラムなど、毎年ご参加いただいた方に好評をいただいております。
 記者の皆様におかれましても、ぜひ、12月3日の見学会を取材いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


質疑応答

<発表案件に関する質疑>

記者
 門川市長が退任発表された後の議会となりましたが、振り返っていただき、ご所感をお願いいたします。

議長
 冒頭にもお話させていただきましたけども、この度の9月市会は,物価高騰対策や観光課題への対策などの補正予算の審議に始まりまして,22年ぶりに黒字となった令和4年度決算について、活発、そしてまた丁寧な議論を行ったところです。
 門川市長には、加えて、長きにわたり、歴史ある京都市の首長として、多種多様な課題の解決に向けて職務に精励されたことに敬意を表したいと思います。
 それから、代表質問でもそうでしたけれども、今回の決算特別委員会総括質疑におきましては、門川市長にとっては、最後の総括質疑ということもあって、それぞれの議員が、いろんな市長との思い出を語る場面が多かったと思います。
 市長におきましては、任期の最後までしっかりと取り組んでいただきたい、そんな思いです。

記者
  決算から見た市財政をどのようにとらえられたかお願いいたします。

議長
 令和4年度の一般会計の決算の収支は、21年ぶりに特別の財源対策から脱却したところで、22年ぶりに黒字に至った、ということでございます。
 財政難克服への道筋が示されたということで、引き続き、これをしっかりと継続できるようにしていただきたいと思っております。

記者
 補正予算で2件の損害賠償の額の決定が、付帯決議を伴ってされましたが、自民党、公明党は反対した中で、他の党が賛成して可決されました。この結果について、議長はどのように思われますでしょうか。

議長
 この件については、いずれも個人情報の取扱いを、というような内容の議案であったと思います。
 総じて反対した会派も、この付帯決議の内容については反対ではなかった、と受けとめています。
 何よりも付帯決議をしっかり受けとめていただいて、今後起こらないような再発防止に向けてしっかりと取り組んでいただけたら、と強く思います。

記者
 市長最後の総括質疑ということで、活発かつ丁寧な議論を行ったということでしたが、その中で坂越副市長が、質疑の中の答弁で、一部発言を取り消すという、議事録からも削除するという事態がありましたが、これについてはどのように受けとめていますか。

議長
 それは坂越副市長の発言でありますから、私がお答えするのは控えたいと思います。

<発表案件以外に関する質疑>

記者
 西村議長含む代表団で、姉妹都市を結んでいるドイツのケルンに、近く行かれると思いますが、いわゆる議員の公費での海外視察をめぐっては、自民党の女性局がフランスに行った際に、観光のようだ、という批判も浴びたという問題もありました。
 改めて、海外に行かれる意義について、ご説明お願いします。

議長
 今回の京都・ケルン姉妹都市提携60周年事業というのは、京都市が、姉妹都市では9つの都市と、そしてパートナーシティでは、6つの都市と連携しているところで、今回はドイツのケルン市と60周年の事業を展開していこうというところで、海外視察とは違う事業かと思っております。

記者
 今回の海外派遣が、具体的に京都市民にどのように還元される,具体的に今後の京都市政の発展にどのように寄与するというふうにお考えでしょうか。

議長
 60周年を記念してケルン市で行われる記念事業に、京都市と京都市会を代表とする代表団の団長として参加させていただくということですし、行った先には、京都の伝統産業や音楽などを通じた交流や、商談会の開催、ドイツの企業等を対象としたビジネス交流セミナー、そしてまた現地の大学生などを対象とした留学生誘致セミナーなど様々な交流事業の開催を予定していますので、お互いの都市でそういうことをしっかりと深めることによって、いろんなものを積み上げていきたいということだと思います。

記者
 議会が始まるときに時代祭に審議日程を入れないということがありましたが、今後京都市議会として何か改革していこう、どういうふうに改革していこう、というのがあればお願いします。

議長
 (時代祭の日に審議日程を入れないことについては)9月14日の議会運営委員会におきまして、寺田議運委員長から申し述べておられたとおりです。祭に専念して議会開きません、という記事が出ましたけど、そんなことはなく、歴史と伝統を重んじる京都市会として、この日が持つ歴史的な意義、さらには京都の発展を願った先人の思いや敬意を表する観点から、議会の審議日程を入れないということを決定したものであって、議員や職員を祭に専念していただくということではありません。また、この日に議会日程を入れないことによって9月市会の審議日程を減らすこともなく、もちろん審議をおろそかにするものではございません。市民の皆様には、時代祭の日に議会日程を入れないとした趣旨を正しく理解していただきたいということです。

記者
 何か今後の京都市議会のあり方みたいなので考えてるものがあれば教えてください。

議長
 これまでから、多くの市民の皆様に議会というものを知っていただく、関心を持っていただく、これに尽きると思います。

記者
 今議会で、私立保育園の補助金の関係で、市当局から制度が変わるというお話がありました。
 取材しておりますと、議員も、市側の説明を聞いたうえで、ある意味信じて、そこではOKした、という話だったのですが、二元代表制として、議員が議決をする重みというものをどのように考えているのか見えてこないなと思っています。
 市当局側がしっかり説明することは大事だと思いますが、それをチェックし、責任を持って判断するというのが議決の重みというものかと思います。
 そのあたりについて、議員から、市側の説明を信じていたのに、という話を聞くと少し悲しいなと思うのですが、議決の重みや責任というものについて、どのように議会をまとめて、進めていこうとお考えなのか教えてください。

議長
 議決というのは、皆で議論して出した結論ですから、私は重いと思います。まずそれを広く、皆さんに知っていただくことも大事なことです。
 色々な会派がある中で、結果は、いろいろと議論も出尽くしたところで決めていくことですから、非常に重たいものだと思ってます。

記者
 発表案件の中に、子どもに議会に来てもらうという話もありましたが、議会を知ってもらうってのはいい機会だと思いますが、この事業を続けている狙いを教えてください。

議長
 これから議員になられる可能性ある若い世代の方々に、議場がどこにあるのか、あるいはどんなことを議論しているのか、知っていただく。
 道路や水道、公共交通の市バス、地下鉄、そういったものが色々なところで議論をしているけれども、議会の中で、ある一定決めて、進めている。そういったことをしているということを知っていただきたい。
 それが小さな子どもであっても、大人でもあっても、開かれた議場の見学というのは、常々しています。いろんなところからお越しいただいています。

記者
 市長選挙があります。もう立候補を表明されている方もいますし、まだこれからという方もいます。
 市長選ですから、直接的には市長を選ぶということですが、もう1つ、これまでの議会の在り方、議会と市長の在り方も論戦になると思います。今現時点で、議長として、今後どのような議会の姿が望ましいっていうふうにお考えですか。

議長
 前にも触れたかもしれませんが、145万人の市民の舵取りをしていただくのにふさわしい、多くの幅広い層の方々から支援される方が望ましいと思っております。

記者
 市長像はそうだと思いますが、議会の役割が改めて問われる選挙になる気がするのですが、そういう意味で言うと、議会がどういうスタンスで市長と向き合っていくのが望ましいとお考えですか。

議長
 立ち位置と言いますか、やはりしっかりと舵取りをして、しっかり議論をしていける方だと思いますね。