「どうやら自分は虐待する傾向があるらしい」という人に、「今後どうすればいいか?」を教えてくれるアドバイス集です。
【いい親子関係をつくろう】
●こどもはほめてもらいたい
子どもは、自分を認めてほしい、ほめてもらいたいと、すごく求めています。東京都内のある中学校で「あなたは自分が好きですか?」とアンケート調査をしたところ、なんと約7割の子どもたちが「自分を嫌い」と答えています。
生まれてまだ十数年しかたっていない子どもたちが、自分のいいところがわからず自分を嫌っている、というのは、とても悲しいことだと思います。
さらに思春期以降、「自分探し」の時期には、ますます子どもたちは「自分を認めてくれる存在」を必要とし、渇望するようになります。
そんなとき「こんないいところあるじゃない」「あなたが気づかなくても私は知っているよ、こんなにすばらしいところがあるよ」と、誰かがちょっと助けてあげられたら、子どもたちは、水を得た魚のように、「そうか、自分にはこんなよさがあるんだ」と自信を取り戻し、どんどん本来のすてきな自分に気づいていけると思います。
●生まれてきてくれたことに感謝!
私は究極の褒め言葉とは、その子の存在の「無条件の価値」を認め、たたえてあげられることだと思っています。今ここにいきていること、存在していること、今そのままのあなたで、すでに価値あるすばらしい存在だよ。というメッセージです。
「生まれてきてくれてありがとう」「あなたがいてくれてうれしいよ」そんな、無条件の愛や感謝の言葉を、子どもたちは求めています。
●子どもの「いいとこ探し」をしてみよう
すべての性質は「両面鏡」(プラスとマイナスの裏表)になっています。たとえば「頑固」というのは、見方を変えれば「意志が固い」「自己主張できる」というプラス面でもあります。「落ち着きがない」のは、「好奇心旺盛」で「元気がいい」という子かもしれません。また「神経質」なのは、「感受性の鋭さ、豊かさ」かもしれません。マイナス面が一方でどんなプラス面につながっているんだろうと見ていけば、必ずその子ひとりひとりの「個性」がもつすばらしさが見つかるはずです。そのよさをほめて伸ばしてあげることで、ますますその子のプラス面が発揮されることになるでしょう。
●失敗したらあやまろう!
カッとなってつい「ああ、ひどいことをいっちゃった」というときもあるでしょう。
でも、そういう自分も認めて、「人間だもの、過ちをおかすことだってあるよ。でも気づいているし、悪かったって思っているんだよね」と、一回自分を許して認めてあげる。反省はしても「けっして自分を責めない」ということがポイントです。
そしてできることを考えるんです。悪かったと気づいたら、あとはあやまることです。
「子どもにあやまるなんてとんでもない」という親や教師もいるようですが、たとえ相手が幼い子どもであろうと、自分の過ちは過ちとして認め、心をこめてあやまることは人間関係の基本だと思います。
●子どもの感情を受け止めるために
子どもの感情によりそうには、まず親自身が自分のありのままの感情を受け入れられるようになることが大切です。
たとえば「泣く」「怒る」「甘えたい」「受け入れてもらいたい」などの感情です。子どもはお母さんやお父さんが大好きだからこそ感情をぶつけます。一番わかってほしい人だからこそぶつけてくるのです。
でも親だって人間です。すべてを受容できないときだってあります。受け入れられなかったら、それを素直に認めましょう。
北村年子著『おかあさんが自分をもっと好きになる本――子育てがラクになる自己尊重トレーニング』
(学陽書房刊)より一部転載
|