平成29年定例会(5月市会)

最終更新日:平成29年5月30日

意見書・決議

教員の働き方改革を求める意見書

(平成29年5月30日提出) 


学校現場における課題が複雑化・困難化する中で,子どもたちの豊かな学び・育ちを実現するためには,教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが不可欠である。平成29年4月28日,文部科学省が公表した平成28年度の教員の勤務実態の速報値によると,いわゆる過労死ラインといわれる月80時間以上の超過勤務をしている教員は,小学校では33.5 パーセント,中学校では57.7パーセントとなり,教員の慢性的な超過勤務の実態が明らかになった。
 京都市では,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカー,学校司書,ALT(外国語指導助手),部活動外部指導員などの教員以外の専門職員の学校現場への配属や,主幹教諭や事務職員の拡充に取り組んできたが,子どもたちと直接向き合い,子どもたちの未来を担う教員がいきいきと学校現場で働くためには,慢性的な超過勤務を早急に是正する必要がある。
 よって国におかれては,教員の超過勤務の改善に向けて,少人数学級の推進などの計画的な教員定数の改善,部活動外部指導員の導入,事務業務の軽減などを進めるとともに,それに係る財源を確保し,教員の働き方改革を推進するよう強く求める。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣,働き方改革担当大臣


ギャンブル等依存症対策などの抜本的強化を求める意見書
(平成29年5月30日提出)


京都市においては,ギャンブル等依存症対策に関し,従前よりギャンブル依存症家族教室を開催するなどのサポート体制を整えてきたほか,様々な啓発活動を強化し,オール京都体制で市民グループの活動をサポートしているところである。
 国においては,平成28年末に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」が成立したが,衆参内閣委員会における附帯決議では,ギャンブル等依存症の実態把握のための体制整備や,ギャンブル等依存症患者の相談体制及び臨床医療体制の強化などを政府に求めている。政府はこれを受け,ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議において検討を進め,平成29年3月には論点整理を発表したところである。
 これまでにも,ギャンブル等依存症による自己破産,家庭崩壊,犯罪などの深刻な問題があったにもかかわらず,政府はその実態を十分に把握してこなかった。また,同じく依存症であるアルコール依存症や薬物依存症に関しては,それぞれに施策が進められているが,更なる対策の深化が必要である。
 よって国におかれては,ギャンブル等依存症の実態把握を進め,論点整理等を踏まえたギャンブル等依存症対策基本法の制定などの抜本的強化に取り組むとともに,アルコール依存症や薬物依存症も合わせた依存症対策の深化を図ることを求める。



  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣,農林水産大臣,経済産業大臣,国土交通大臣,内閣府特命担当大臣(金融),内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全),国家公安委員会委員長



違法民泊対策の一層の強化を求める決議
(平成29年5月30日提出)


京都市では,国内外から訪れる観光客の宿泊需要増加により,旅館業の許可を得ずに営業する違法民泊が急増している。騒音やごみの処理などを巡って,地域とのトラブルを引き起こす事業者も後を絶たず,また,宿泊者による迷惑行為,火災などの緊急時の対応,管理責任者への連絡など,市民から苦情や不安の声が数多く寄せられている。
 京都市は,民泊施設実態調査や「民泊通報・相談窓口」の設置など,いち早く違法民泊対策に取り組み,平成28年度には,市民からの通報等を基に,延べ2,143回の現地調査を実施し,300施設の営業を中止させるなどの成果を挙げてきた。しかし,いまだ多数の違法民泊が市内に存在していることから,一層の対策の強化が望まれる。
 よって京都市においては,観光立国・日本を牽引する国際文化観光都市として,宿泊施設における市民と旅行者の防災・防犯・公衆衛生面での安心安全の確保,周辺の生活環境との調和が大前提であるとの認識の下,違法民泊対策の一層の強化に向けて,下記のとおり取り組むことを求める。




1  各区保健センターの衛生部門を集約した医療衛生センターへの民泊対策専門チームの設置や民間事業者による調査委託の実施などを踏まえ,違法民泊の調査指導体制を強化し,その実を挙げるべく,一層取組を進めること。
2  保健福祉局をはじめ,都市計画局,消防局,産業観光局など,関係各局が緊密に連携し,可能な限りの調査,指導を徹底すること。また,法令違反を繰り返す悪質な事業者には,警察とも連携して,厳正に対処すること。
3  既に旅館業の営業許可を取得している施設に対しても,昨年度から施行している「旅館業施設における安心安全及び地域の生活環境との調和の確保に関する指導要綱」に基づく取組を徹底すること。
4  「民泊」新法が審議されているが,違法民泊に関する京都の実情や京都市のこれまでの取組を踏まえたうえで,実効性のある条例の検討を進めること。


  以上,決議する。