摘録


最終更新日:令和2年4月1日

令和2年3月25日

報告案件


<2月市会の議案審議結果>

 本日終了しました令和2年2月市会の議案審議結果について報告いたします。
 2月市会につきましては,2月20日から3月25日 までの35日間の審議期間で開催いたしました。
 お手元の2月市会審議結果総括表を御覧ください。
 市長から提出されました議案は,「令和2年度一般会計予算」など,計84件ございました。
 市会では,本会議で市長,副市長から提案説明を聞いた後,予算特別委員会や常任委員会において十分な議論を行ったうえで,84件を可決いたしました。
 そのうえで,「令和元年度一般会計補正予算」の議案に対し1件の警告を,「令和2年度一般会計予算」の議案に対し2件の付帯決議を 付すことといたしました。
 令和元年度補正予算に対する警告 については,京都市が行っている大型汎用コンピュータオープン化事業において,過去に2度もの付帯決議を行い,とりわけ前回の付帯決議においては,市民の負担増や計画の遅延がないよう指摘したうえで,事業の進捗状況を議会へ報告するよう 求めたにもかかわらず,昨年12月の委員会において初めて福祉系システムの遅延が報告されるなど,付帯決議の内容が守られておらず,現在においても福祉系システムの稼働日の見通しが示されていないなど,市民理解を得るには程遠い内容であることから,市会として警告を行ったものであります。
 また,令和2年度当初予算に対する付帯決議については,大型汎用コンピュータオープン化事業に関し,警告で指摘した内容を速やかに実行することを求めたほか,京都市美術館の再整備後の税負担が増大することが分かったことを踏まえ,美術館をはじめ,各事業の執行時における更なる経費削減の努力を求めたものであります。
 また,議員提出議案といたしましては,議員報酬を10%削減する条例を全会一致で可決いたしました。
 議員報酬については,これまで,本市の厳しい財政状況を鑑みて報酬の10%を削減し,これにより生じた財源を市政の発展のために活用してきたところであり,来年度も引き続き実施することとしました。
 また,意見書については,新型コロナウイルス感染症対策への一層の支援強化を求める意見書など,6件を可決し,2件を否決しました。
 そのほか,請願4件について審査し,1件を採択,3件を不採択といたしました。
 なお,2月27日と28日には計17名の議員が代表質疑を行い,3月13日の予算特別委員会総括質疑では,25名の議員が質疑を行いました。
 昨今,新型コロナウイルス感染症の影響が世界中に広がりを見せる中,様々な対策・取組が行われておりますが,京都市会におきましても,予算特別委員会の局別質疑の審議時間を短縮したほか,初めて,総括質疑の日程を2日間から1日に変更するなど,新型コロナウイルス感染症対策に係る執行機関側の状況に配慮しつつ,簡潔で的確な質疑に努めながら審議を行いました。
 一方で,2月市会は来年度の予算を議論する重要な集中審議期間であるため,このような状況のもとでも,全会派の協力のもと,しっかりと審議を行えたと考えております。
 2月市会における議案審議結果は以上でございます。


質疑応答


<発表案件に関する質疑>


記者
 今般の当初予算,補正予算の議案,意見書の中にもありますが,新型コロナウイルス感染症への対策が世界的な課題になっている中で,議会では今後どんな取組みをしていくのでしょうか。
 また,京都市のウイルス対策について,どのように考えているか伺えますか。

議長
 コロナ対策として,1月30日に京都市で感染者が発生した訳ですけれど,この翌日の1月31日に私,議長から市長に緊急の申し入れをさせていただきました。そして,感染が拡大している中で,市民の皆様も不安を感じているということでございまして,すばやく,本市としても相談対策の強化とか医療体制,検査体制の強化等,また,小学校,中学校,これは国からの要請もありましたけれど,京都市でも5日から休校ということで対応して,皆さんの暮らしと命を守るという取組を行ってきております。新型コロナ感染症に罹患されている方々には心よりお見舞い申し上げたいと思っております。
 さらには,イベントの自粛等々があった訳ですけれど,経済停滞が続くと,観光産業が,やはり甚大な影響を受けているということでございますし,そのためにも中小企業,小規模事業者に対しての支援,そして観光事業に対しても緊急助成制度の創設など,あらゆる対策に懸命に取り組んできている訳でございます。
 やはり市民の皆様の暮らし,そして不安を少しでも和らげるような対策でこのような補正を組んでいるところでございます。また国に対しても,この状況,地方公共団体を支える十分な財政措置を含めた前例にとらわれない対策を求める意見書,全会一致で可決したということで,国に提出したいと思っております。
 今,毎日感染者が現れている訳ですけれど,1日でも早い収束を願うとともに,皆様の暮らしが安心してできるように,皆様に寄り添った形で,議会としてもこれからも議論をしていきたいと思っております。

記者
 大型汎用コンピューターで警告が出て,さらに付帯決議が美術館を含めて出ました。委員会での議論の過程で,議会軽視ではないかとの声もあったと思うのですが,改めて大型汎用コンピュータと美術館についての説明不足というところ,議長の御見解をお願いします。

議長
 京都市としても,懸命に取り組んでいることは承知しているのですけども,やはり過去2度もの付帯決議というのを重く受け止めていただいて,市民理解を得るためにも,警告で厳しく指摘した訳であります。
 今,福祉系のシステム稼働日の見通しが示されていないということで,やはり市民理解を得るには程遠い状況ということであります。その中で補正予算を提案されたことは私としても,議会としても遺憾であると思っております。今回の警告と今までの付帯決議を踏まえて,十分な総括をこれから行って,市民に理解が十分得られるように速やかに議会に報告していただきたいと思っております。

記者
 美術館に関して,一般財源が約10倍となり,財政難な中,非常に重い予算だと思います。これについても議会に対しての説明が十分ではなかったと思うのですが。

議長
 ここ最近分かったことで,新しく良いものができたということですけれども,前もってそういうことを報告していただきたい。これからもそうですけど,これから先,開館使用料,イベント等もありますし,経営にも努力していただいて我々議会としても色々な案,アイデアを出していきたいと思っております。

記者
 予算の中にも入っている話かと思いますが,オリンピックの延期が発表され,聖火リレーもスタートしないとのことでしたが,議長の御見解を教えてください。

議長
 これは,日本中,皆そうなんですけれど,残念なことだと思っております。今の情勢でありますと,これも致し方ないと思います。


<発表案件以外に関する質疑>

議長
 本日が2月市会の最終日ということですので,今年度を振り返った所感について,私と青野副議長からそれぞれ述べさせていただきたいと思います。
 まずは,新型コロナウイルス感染症に罹患(りかん)された方々には,心よりお見舞い申し上げます。
 本市におきまして,1月30日に初めて感染者が確認されたことを受け,京都市会といたしましては,翌1月31日に,市民,観光客のいのちと健康,安心・安全を守るため迅速かつ適切に対応するよう,私から市長に緊急申入れを行いました。
 また,今が市民の皆様のいのちと健康を守る極めて大事な時期であり,感染拡大の防止に全力を挙げ,緊急対応ができるよう,全会派が協力のもと,質問事項を絞り,集中的に審議することとし,先ほど申し上げましたが,総括質疑の日程の変更などを行いました。引き続き,可能な限りの対応をしてまいりたいと思います。
 さて,今年度は元号が平成から令和となり,5月開会市会において,私が第84代の京都市会議長に就任させていただきました。京都市会議員を代表する議長という職責の重さを常に感じながら,円滑な議会運営,議長公務に全力で取り組んでまいりました。
 今年度は,ボストンとの姉妹都市提携60周年,議員改選,台南市議会の京都市会訪問,議会棟の分庁舎への一時的な移転など,特色ある出来事が数々ありましたが,とりわけ,京都市会が130周年を迎えたことが大きなトピックだと思っております。
 明治22年に初めて市会が開会されてから130年を迎えた6月14日には,市会議場の一般公開を,当時の開会時刻に合わせ実施しました。お越しになられた333人の市民の皆様には,政令指定都市で最も古い歴史を持つ,重厚かつ趣のある,場の力を感じていただけたと思っております。
 90年を超える歴史を持ち,先人たちの思い,歩みが凝縮された議場でしたので,私自身,一議員としても大変思い入れがあります。議場に入れば,醸し出される空気間に背筋が伸びる,そのような空間でありました。一時移転しています今の議場でも,そのような歴史を繋ぐべく,議長という職を,全身全霊で務めているところです。
 また,「開かれた市会」の推進ということでは,今年度も子どもたちへの議場見学に力をいれて取り組んできました。市民にとって一番身近な基礎自治体である京都市の議会について,市民の皆様に知っていただくには,やはり地道な努力が必要だと考えております。
 「子ども議場見学」では,合計22校・411名に来ていただき,非常に喜ばしく感じているとともに,私自身にとっても,子どもたちの未来についての責任を再認識する機会にもなりました。
 また,この2月市会のテレビ中継の枠を活用して,総括質疑の録画映像を放映するなど,広報の新たな取組も行いました。
 今後も工夫を凝らし,「見える市会」・「伝わる市会」の実現に向け,広報の取組を推進していきたいと考えております。
 議会における議論といたしましては,京都市会で初めて常任委員会からの提案を受けて議決した「交通安全基本条例の一部改正」や,先ほども報告申し上げた,大型汎用コンピュータオープン化事業の補正予算議案に対する「警告」など,議会ならではの政策立案・政策提案,また,執行機関に対する監視機能を果たしてまいりました。
 引き続き,「行動する議会」としての真価を示し,市民の皆様の負託に市会議員全員で応えてまいります。
 結びに,この一年,青野副議長にも,大変支えていただき,議長という職を務めることができたと感じております。来年度も引き続き,147万人の市民の皆様から負託を受けた市会議員を代表する議長として,身を引き締め,緊張感をもって,取り組んでいきたいと思います。


副議長
 この間,山本議長にも支えていただきながら,無事に職務を果たしてきたと感じております。
 一年を振り返ると,昨年4月に市議会議員選挙が行われ,令和の新たな時代とともに市会の新体制がスタートしました。この体制のもと,観光客増に伴う混雑対策などの数多くの課題を議論してきた訳ですけれども,ここにきて,新型コロナウイルス感染症への対応などにしっかり取り組んでいく状況で,私なりの言葉を使うと激動の一年なのかなと。しかも,このコロナ対策については,予断を許さないということで,これからしっかりと取り組んでいかなければいけないということで,来年度に向けて緊張感をもって,行政ともしっかりと連携を取りながら,議会としてもしっかりと取り組んでいきたい決意です。
 また,市会の広報の取組といたしましては,この2月市会のポスターを作成するに当たって,デザインの一般公募を初めて行いました。市民の皆さまが市会への関心を高めていただくための取組として,小学生から高齢の方まで幅広い方々から,計29作品の御応募を頂きました。この取組を通して,これまでにない市会のPRができたと思っております。
 また,この間,式典等に出席する機会を頂く中で,京都市会130年の歴史や,現在の京都市の発展の礎を築き上げてこられた,先人の様々な取組を学び,改めて感銘を受けたところです。
 二元代表制の一翼を担う京都市会として,引き続き,行政に対するチェック機能や政策提案・立案機能をしっかりと果たしていくとともに,市民の皆様に対する「見える市会」「伝わる市会」の実現を,議長を先頭に目指していかなければならないという思いです。
 今後とも,山本議長をしっかりと補佐し,円滑な議会運営が図れるよう取り組むとともに,市民生活に寄り添った議論を積み重ねていきたいと思います。
 私からは以上です。