●アメリカ
お話を聞いた人:男性
32才(1男1女の父親)
アメリカの子育てと日本の子育てとの大きな違いは、まず親が子どもをいかに独立させようか真剣に考えていることです。この独立とは金銭面だけでなく、精神面でも早く子どもを親から自立させようとすることです。つまり、子どもが親に頼らずに、外で仕事をしてお金を稼ぎ、料理や洗濯もでき、自分で考えて判断する、自分の力で生きていけるように育てていくことですね。
僕の場合は、多少規範にずれてても、その子らしさが出るように育てています。食事については、子どもが食事中でも、立って話をしてもOKです。まず楽しく食事をしてもらうことが一番大切なので、子どもが食事を残しても僕は怒りません。無理して食事を全部食べたら太るし、第一食事が美味しかったら子どもはちゃんと食べると思うから。子どもの好き嫌いも工夫することが大切です。子どもがグリーンピーマンを嫌っていたとき、まず子どもの好きなニンジンとオレンジピーマンは似ているねーと言って一緒に食べてもらいました。その次にオレンジピーマンとグリーンピーマンは兄弟なんだよと言って、最後にはグリーンピーマンを好きになってもらいました。コツはあせらず、ゆっくりとですよ。
お風呂については、子どもは夜に入るのを嫌って泣くので、できるだけ夕方までに入れさせるように妻に言っているのですが、普段は食事の準備で忙しくってなかなか入れられないようです。 週末は僕が家に居るので、朝に子どもと一緒にお風呂に入っています。夕方にもう一度簡単にシャワーを浴びさせると、子どもは夜の心配をしなくていいのでとってもハッピーなんですよ。
また、日本と比べてアメリカの親のほうが子どもの話をじっくりと聞いてあげようとする姿勢があると思います。このような姿勢は、親と子どもの信頼関係の確立や子どものしつけに良い影響を与えると思います。例えば、僕の場合、食事中もちゃんと子どもを大人の会話に入れてあげるので、レストランでもとってもお行儀がいいですよ。
学校教育については、小さい頃から人前で自分の意見を述べる訓練がされているのが特徴です。例えば、幼稚園でのshow
and tellの時間では、園児が自分の家の物や写真を持ってきて、順番に紹介することになっています。小学校では、小学生が週に1回、新聞の記事を紹介する授業を行っています。特に、小学校の低学年のうちは新聞がうまく読めないため、親も子どもを助けてあげます。
さらに、アメリカの家庭や学校では、子どもの悪いところにはあまり目を向けず、子どものよいところを伸ばすことに力を入れています。日本で、逆に悪いところをなおすことに重点が置かれているのとは対照的ですね。家庭や学校が、子どもに何かひとつでもいいところがあれば、それを伸ばそうとすることは、子どもにとって、とても素晴らしい環境だと思いませんか。 |