●ネパール
お話を聞いた人:
夫婦
妻
26才
在日6年 & 夫
27才
在日9年 (娘3才)
妻:
ネパールと日本の子どもの育て方の違いは色々ありますよ。
例えば、ネパールでは生まれてから2才位まで、毎日1回、冬には2回、子どもにオイルマッサージをします。マッサージで皮膚も強くなるし、風邪もひきにくくなるといわれています。日本の子どもはすぐに風邪をひいたり、皮膚がかさかさになったりするようですが、マッサージをすれば大丈夫なんじゃないかな?と思ったりしますね。ネパールでは、子育ては女性の仕事、という考えがまだ一般的で、父親は何もしないことが多いです。
でも、ネパールでは両親や兄弟と同居することが一般的で、日本のような核家族はあまりありません。祖父母はもちろん、年の変わらない兄弟、そしていとこ達なども、子どもの面倒をよくみます。大家族の良いところは、子育ての負担を分担できること、そしてたくさんの大人や子どもとふれあいながら、人との関り方、生きていくための知恵を身に付けていけることですね。
大家族での子育てが普通だったので、日本ではちょっと大変です。手伝ってくれる家族はいないのに、父親はやっぱり何もしないですから。
ただ、日本では性能のよいおむつが簡単に手に入るし、洗濯機なども一般的に使われているので、その点ではとても助かっています。
日本の子どもたちはとてもシャイで、引っ込み思案な子が多いですね。学校に呼ばれてネパール料理を作りに行ったことがありますが、なかなか話をしてくれませんでした。小さなころ、家族以外の人とあまり関る機会が無いからでしょうか?
夫:
ネパールでは、家族の結びつきをとても大切にします。家族と過ごす時間を何よりも大事にし、家族を思いやる気持ちもとても強いです。
日本では、お父さんが忙しくて週に一度しか子どもに会えないということはよくありますよね?それを聞いた時、びっくりしました。ネパールでは考えられないことです。
家にいてもゲームやおもちゃがいろいろあって、あまり話をしない家族も多いですよね。それもとても不思議です。
もう一つ日本に来て驚いたのが、日本人の家庭を訪れたとき「あなたは大きくなったら、ちゃんと家を出て自活しなさいね」と子どもに言っていたことです。ネパール人はそんな事を子どもにいいません、とても子どもに甘いです。子どもにはずっと家にいてほしい、実際ずっと一緒に暮らすことも多いですし。
厳しく育てられるからでしょうか?日本の子どもたちは、自立している子どもが多いと感じます。
日本ではほとんどの子どもが同じように教育を受けられますよね。しかし、ネパールではそうはいきません。貧富の差がまだまだ大きいので、経済的事情などで同じ教育を受けられないことも多いのです。
誰でも6歳から小学校に通うことができるのですが、家庭の事情で働かなければいけない子どももいます。ストリートチルドレンの子どももたくさんいます。それは、ネパールの抱える大きな問題の1つです。
日本でも、ネパールでも、勉強ができないとダメという風潮がありますが、自分の子どもには、それを押し付けようとは思いません。なんでもいいので、できることを見つけて、それを伸ばし、立派な大人になって欲しい。
娘の結婚のとき?泣くでしょうね、すごく泣くと思う。できれば、ずっと近くに置いておきたいと思います
|