●フランス
お話を聞いた人:女性
30才代(在フランス2年)
フランスは、個人主義の国であり、「個人」を重視するということが日本と大きく違うところです。それは子育てにも大きく影響しており、他人と比較することをせず、個々の能力を伸ばせるように育てることを大事にしている気がします。
基本的に、子どもは泣いていても放っておかれます。もしくは泣いている子どもを他
人の目の前、道ばたでも大声で叱りつけたりもします。それは「子どもというのは未
熟で、最初から成熟した人間というわけではないので、まずは社会のルールを知る意
味から生活習慣を身に着けさせないといけない。子どもが泣いたくらいで要求に答え
ていたら、わがままになったり、だらしなくなったりして、成長してから大きな失敗
をすることになる」という考えからなのです。
フランスという国が、あれだけ徹底し
た個人主義を貫くことができるのは、子どもの頃からこういった躾がなされている賜
物なのでしょうし、日本人も見習わなければいけない点もあると思います。幼い頃か
らひとりの大人として認められている彼らは、小さいながらも紳士淑女としての風格
と誇りがあり、早い時期から精神的にも成熟を始めます。
しかし、子どもの目線に合わせて、子どもの視点からまず考えてみようという、日本
の子育ての素晴らしさも実感しています。
私自身は日本で、親のしいたレール通りに気づかずに歩かされていました。親の影響
が強く、就職するまでやりたいことも特になく、なんとなく世間体のいい道を進んで
きました。 将来子どもが出来たら、フランスでの経験も踏まえ日本の子育てのいい
ところも取り入れて、子どもの「個性」を尊重できる親になりたいと思います。
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