●中国

お話を聞いた人： 男性　25才（上海出身　二人兄弟　在日6年）

将来は福祉関係の出版業界に就職したいと願って日本の大学で勉強をしています。私は13歳くらいまで父に手をあげられることもありました。私の行儀が悪かったり、約束を守らなかったりした時だけですが、その理由がとても明確でしたから仕方がないと思ってました。16歳の頃に、習っていたカンフーも止めてダラダラしてた時期がありました。父から叱られたことを思い出し、きちんと生きなければと考え出したころから、叱ってくれた父親に感謝するようになりました。母はやさしい人です。

中国の親が子どもたちに期待するのは、習字が上手になることや熱心に勉強をすること、手伝いをよくすることなどでしょうね。両親の期待は大きいと思います。日本の子どもは、中国の子どもに比較して持ち物や服装がぜいたくで、自由気ままに見えます。反面、枠の中で生きるスキルを中心に学ぶので自分自身の夢が分からなくなったり、夢を追えないのではないでしょうか。日本の親は自分が若いころ果たせなかった夢を子どもに託しているように見えますね。

児童虐待については中国ではあまり聞かないです。「一人っ子政策」だから子どもは大切にされています。状況は変ってきてますが、男性と女性を比較すると就職は男性の方が有利で女性は大変ですね。収入のよい仕事に就くためには資格が必要になるので、みんな実によく勉強をします。

将来、結婚して子どもの模範になる父親になりたいです。尊厳をもった親に厳しく育てられ子どもの方が、甘やかされた子どもより親孝行するパターンが中国では一般的。私も仕事について早く親孝行したいです。

お話を聞いた人： 男性　20才（山東省出身　ひとりっ子　在日1ヶ月）

赤ちゃんの時から両親が働いていましたから保育所に行ってました。人によって違うと思うけれど保育所は楽しかったです。父は本当はすごく優しいのですが、躾には厳しいです。母は芯が強くて心の優しい人です。両親と私はどんなことでもよく話をします。

日本に来てまだ１ヶ月ですが、学校へ行く途中、見かける日本の子どもたちや学生の服装や持ち物が派手で親に甘やかされているのかなって、驚きました。大学生も髪の毛をほとんど染めているし、自分の年令にあった服装をしていないようで違和感がありますね。学生どうしでも、女の人はオシャレに関心が強く、男の人はだらだらしているように見えますね。この人たちが社会に出たら大変だろうと思います。私のいた町では学生は質素でした。

テレビのニュース等で日本では子どもを虐待する事件が相次いで起こっていますが、虐待は親世代やその前の世代から引き継がれるのでしょうか？虐待をされて育てられた子どもは親に対するリベンジの気持ちを持つのでしょうね。経済優先の社会で、日本の家族もさまざまな状況下で離婚する人も増えたのでしょう。私は自分の夢を持って生きる賢い女性と結婚したいと考えています。パートナーをあれこれと束縛せず自由に活躍してもらいたいです。自分自身は将来、教育者になって両方の両親を大切にして面倒を見たいですね。

お話を聞いた人：女性　20才（山東省出身、ひとりっ子、在日1ヶ月）

私の父も母も大変にやさしい人で、叱られた記憶はそんなにありませんね。小さいころ、言うことを聞かなかったり、うそを言ったり、寄り道をして父親に叱られた記憶はありますが。両親とも私が赤ちゃんの時からフルタイムで働いていました。仕事から帰り、6時半くらいから夕食をみんなで一緒に食べて、１日の出来事を、あれこれ話をするのがすごく楽しかったです。

日本の子どもたちは自由だなあと感じますね。髪の毛を染めている若い人が多くて驚きました。学生たちが沢山お金を使うのもびっくりしますね。まだ来日して間もないので、はっきりしたことは分からないのですが、ずいぶん若者が自由そうに見えます。

日本語をしっかり勉強して、中国に帰ってよい仕事に就きたいです。将来は私を大切にしてくれるやさしい人と結婚して親孝行したいです。私も母のようないいお母さんになれるよう頑張ります。