「 重点整備地区の設定」について説明します。

「高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」、いわゆる「交通バリアフリー法」では,駅を中心として重点的・一体的にバリアフリー化を図るべき地区を「重点整備地区」に定めることと規定しており、その要件の1つとして,「駅との間の移動が通常徒歩で行われ,かつ相当数の高齢者,身体障害者等が日常生活又は社会生活において利用すると認められる官公庁施設,福祉施設その他の施設の所在地を含む地区であること。」と規定しています。
このことを踏まえ,重点整備地区の区域を次のように設定しました。
まず,山科駅を利用する高齢者や身体に障害のある人などが,山科駅から目的地まで,安全・円滑に徒歩で移動できるような交通環境を整備することを主眼としました。
次に,山科駅で電車を降りて徒歩で行くのが一般的であると考えられる山科駅周辺の施設のうち,多数の高齢者や身体に障害のある人などが日常生活や社会生活において利用すると考えられる施設を抽出しました。
抽出した施設のうち,高齢者や身体に障害のある人にとって,特に重要な施設である山科総合福祉会館と山科合同福祉センター,そして,身体に障害のある人がより広範囲の地域から日々通学する京都薬科大学を最重要施設と捉え,重点整備地区の区域は,山科駅とこれらの施設とを結ぶ経路を含む区域としました。
具体的な区域の線引きに当っては,山科駅に隣接する地下鉄東野駅(ちかてつひがしのえき),御陵駅(みささぎえき)及び京阪四宮駅(けいはんしのみやえき)の位置を勘案し,また,山科駅周辺の居住環境整備の観点なども踏まえ,山科駅を中心として一体的にバリアフリー化を推進すべき区域として総合的に判断しました。

「重点整備地区の区域」について説明します。

重点整備地区の区域は,山科駅を中心として,南北約1.5キロメートル,東西約0.9キロメートルの区域です。具体的な線引きについて,北を12時の方向として,南の端を起点に,時計回りに進んで区域を説明していきます。南の端は,四ノ宮川(しのみやがわ)と醍醐街道(だいごかいどう)が交差する山階橋(さんかいばし)です。まず,山階橋から醍醐街道を北上し,渋谷街道(しぶたにかいどう)との交差点まで進みます。そして,渋谷街道を少し西に進んだ後,京都薬科大学の南校舎を包み込むように府道四ノ宮四ツ塚線(ふどうしのみやよつづかせん)まで北上します。そして,府道四ノ宮四ツ塚線を西に進み京都薬科大学の本校舎を包み込むようにして旧三条通まで北上します。そして,旧三条通を東に進み,安祥寺川(あんしょうじがわ)との交差部まで進みます。そして安祥寺川沿いの道路を北上し,琵琶湖疎水(びわこそすい)の安祥寺橋まで進みます。そして,安祥寺橋から疎水に沿って東に進み,安朱橋(あんしゅばし)まで進みます。そして,安朱橋から南下し,旧三条通との交差点まで進みます。そして,旧三条通を西に進み,外環状線の1本東側の通りとの交差点まで進みます。そして,外環状線の1本東側の通りを南下し,四ノ宮川と交差する筋違橋(すじちがいばし)まで進みます。そして,四ノ宮川に沿って南西に進み,最初の山階橋に戻ります。このようにして囲まれた区域を重点整備地区としました。

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