「バリアフリー化事業計画の概要」について説明します。

 1.「JR京都駅,新幹線京都駅,近鉄京都駅及び地下鉄京都駅並びにバス車両のバリアフリー化事業計画の概要」

 公共交通特定事業計画としては,JR東海が,新幹線京都駅において,平成19年を目標年次として,改札口からホームに至るエレベーターについて,上り線ホームは1階コンコース階からホーム階,下り線ホームは2階コンコース階からホーム階の2基を設置します。また,京都市交通局が地下鉄京都駅において,平成19年を目標年次として,南口改札前の構外スロープの勾配の改善を行います。

 公共交通特定事業以外の事業計画として,
JR西日本がJR京都駅において次の4項目を挙げています。
 1つ目は,車いす対応型トイレ入口の点字表示板へ誘導する線状ブロックの設置であり,平成22年を目標年次として行います。
 2つ目は,各ホームの階段の手すりの1段から2段への改善の検討
 3つ目は,中央改札口付近の階段・エスカレーターの上端・下端部への警告用点状ブロック設置の検討
 4つ目は,他の移動円滑化経路の継続的な検討であり,事業実施時期は未定ですが,できるだけ早く事業実施できるよう検討を行います。
 JR東海は,新幹線京都駅において,次の4項目を挙げています。
 1つ目は,改札口付近の発車標のフルカラータイプ化による改善
 2つ目は,改札内コンコースの案内サインの大型化
 3つ目は,2階コンコースの待合室の増席
 4つ目は,2階コンコースのトイレにおける段差解消の実施,多機能トイレの増設,及び一般トイレへの洋式便器の増設の検討です。
 これらの項目について、平成19年を目標年次として実施します。
 近鉄は,近鉄京都駅において,次の2項目を挙げています。
 1つ目は,八条口券売機付近への点字運賃表の設置,
 2つ目は,オストメイト対応の多機能トイレの表示改善であり,平成22年を目標年次として実施します。
 京都市交通局は,地下鉄京都駅において,ホームにおけるエレベーター案内サインの改善を挙げており,平成19年を目標年次として実施します。
 また,JR西日本,JR東海,近鉄及び京都市交通局が,各駅共通のものとして,次の6項目について,事業実施時期は未定ですが,できるだけ早く事業実施できるよう検討を行います。
 1つ目は,よりわかりやすい案内表示や緊急情報表示の検討
 2つ目は,ホーム端の警告ブロックへプラットホームの内方向を示す内方線の追加設置の検討
 3つ目は,車いす対応型券売機の導入の検討
 4つ目は,わかりやすい料金表や路線図の検討
 5つ目は,様々な設備の改善の検討
 6つ目は,各鉄道事業者における共通課題の検討を行います。

 バスの公共交通特定事業計画としては,平成22年を目標年次として,京都バスが京都駅を発着する車両の約90%をワンンステップ・ノンステップバスに,京都市交通局が京都駅を発着する車両の約90%をノンステップバスにします。

2.「道路及び信号機などのバリアフリー化事業計画の概要」

 京都市が管理する国道以外の特定経路においては,道路特定事業として,段差,勾配の改善を始めとするバリアフリー化事業を重点的に実施します。
 また,京都国道事務所が管理する国道の特定経路においては,現在電線共同溝事業に取り組んでおり,その区間では事業の中でバリアフリー化基準に適合させた整備を実施します。また、その事業区間以外では,連続した点字ブロック敷設などを検討していきます。
 特定経路を補完する準特定経路においては,特定経路と連続してバリアフリー化を図れるよう,歩道の有効幅員の確保の検討を行うとともに,段差,勾配の改善などを進めます。
 また,駅周辺に広く分布する商業施設,公共・公益施設への歩行者の移動経路や駅周辺に居住する市民及び京都を訪れる観光客の京都駅へのアクセス経路の確保などの観点から,重点整備地区内のその他の道路について,バリアフリー化事業以外の施策を含め,できる限り一体的にバリアフリー化を図れるよう,歩道等のバリアフリー化の検討などを進めます。

 交通安全特定事業計画としては,京都府公安委員会が次の2つの項目を挙げています。
 1つ目は,すべての特定経路において,違法駐車の指導・取締り及び広報・啓発を継続的に推進していきます。
 2つ目は,国道1号と東寺道の交差点において,平成22年を目標年次として,信号機へ視覚障害者用付加装置,いわゆる音響装置の設置を検討します。

3.「京都駅北口駅前広場,京都駅南北自由通路及びその他の通路等におけるバリアフリー化事業計画の概要」

 公共交通の結節点機能を担う京都地区で,駅,バスターミナル及び道路などを結ぶ経路となっている駅前広場や通路について,バリアフリー化に必要な次のような事業計画を進めます。

駅ビル前面空地を含む北口駅前広場について
 京都駅ビル開発及びJR西日本を事業主体として,自由通路北側エレベーターの案内サインを,平成22年を目標年次として設置します。
 また,JR西日本を事業主体として,バス乗降場及びタクシー乗降場の段差・勾配の改善や誘導ブロックの設置及び改善について,事業実施時期は未定ですが,関係事業者及び関係機関と協議し,できるだけ早く事業を実施できるよう検討を行います。

南北自由通路について
 JR西日本を事業主体として休憩施設の新設、男女別多機能トイレの新設を平成19年を目標年次として実施します。また,JR西日本,京都駅ビル開発及び京都市を事業主体として,階段における段の識別の改善の検討を,平成22年を目標年次として実施します。
 京都駅ビル開発を事業主体として,北側階段への2段手すり設置及び北側エスカレーターへの警告ブロック設置を,平成22年を目標年次として実施します。
また,京都駅ビル開発及び京都市を事業主体として,北側及び南側エレベーターの案内サイン設置等を,平成19年を目標年次として実施します。
 京都市を事業主体として,南側エスカレーターへの音声案内装置及び警告ブロック設置を,平成19年を目標年次として実施します。

京都駅ビル前通路の歩道部分について
 JR西日本を事業主体として,歩道の横断勾配の改善について,舗装改修時にできる限り改修を図ります。

八条通とJR八条東改札口を結ぶスロープについて
 JR東海を事業主体として,2段手すり設置を,平成22年を目標年次として実施します。

 また,JR西日本,JR東海,京都駅ビル開発及び京都市に共通のものとして,案内表示や緊急情報表示の在り方や様々な設備の改善について,事業実施時期は未定ですが,できるだけ早く事業実施できるよう検討を行います。

4.「ソフト施策の概要」

 バリアフリー化設備の整備に併せ,市民が高齢者や身体に障害のある方などに対する理解を深め,手助けなどの積極的な協力を行うことのできる環境を整備するため,市民,公共交通事業者及び行政機関などが互いに連携し,広報・啓発や教育・研修などのソフト施策を展開することにより,国民すべての責務である「心のバリアフリー」を推進していきます。
 また,バリアフリー化された施設が有効かつ適切に機能するようにするための,バリアフリー化設備に関する適切な情報提供や,駅や歩行経路における分かりやすい案内情報の提供や伝達方法の確保・充実などのソフト施策に取り組むことにより,「情報のバリアフリー」を推進していきます。


戻る次へ
概要版(テキスト版)トップページへ