バリアフリー化事業計画の概要を順に説明します。

 まず,JR稲荷駅及び京阪伏見稲荷駅並びにバス車両のバリアフリー化事業計画の概要について説明します。

 駅の公共交通特定事業計画としては,JR西日本が,JR稲荷駅において,次の3項目を挙げています。1つ目は,駅出入口へのスロープの設置,2つ目は,エレベーター専用の跨線橋を新たに設置し,改札口から下りホーム及び跨線橋,上りホームから跨線橋を昇り降りできるエレベーターの設置,3つ目は,各ホームには電光式情報案内板の設置を挙げており,いずれも平成20年を目標年次としています。

 また,京阪電鉄が,京阪伏見稲荷駅において,次の5つを挙げています。1つ目は,駅出入口から改札口への緩い勾配のスロープ及び手すりの設置,2つ目は,既存の点字構内表示板への視覚障害者誘導用ブロックの設置,3つ目は,各ホームにある電光式列車運行情報案内板の改善,4つ目は,上りホームにおける多機能トイレの設置,5つ目は,各ホームの改札口における,車いす対応の幅広自動改札の設置を挙げており,いずれも平成20年を目標年次としています。

 駅の公共交通特定事業以外の事業計画としては,JR西日本が,JR稲荷駅において,次の5項目を挙げています。1つ目は,駅出入り口における視覚障害者誘導用ブロックの設置を挙げており,平成20年を目標年次としています。2つ目は,下りホームにおける視覚障害者誘導用ブロックの設置,3つ目は,既存の跨線橋の階段手すりの位置の改善,4つ目は,跨線橋の階段の手すりにある点字表示板の設置位置,表示内容の改善,そして5つ目に,多機能トイレの改善を挙げており,いずれも平成22年を目標年次としています。

 また,京阪電鉄が,京阪伏見稲荷駅において,次の3項目を挙げています。1つ目は,各ホームにおける視覚障害者誘導用ブロックの設置及び改善を挙げており,事業時期は未定ですが,できるだけ早く事業を実施できるよう検討を行います。2つ目は,上りホームにある既存トイレに下りる階段への2段手すりの設置の検討,3つ目は,車いす対応型券売機の導入の検討を挙げており,いずれも平成22年を目標年次としています。

 さらに,これら2つの駅の共通事項として,次の4項目を挙げています。1つ目は,より分かりやすい案内表示や緊急情報表示の検討,2つ目は,分かりやすい料金表や路線図の検討,3つ目は,様々な設備の改善の検討,4つ目は,各鉄道事業者における共通課題の検討を挙げており,いずれも事業時期は未定ですが,できるだけ早く事業を実施できるよう検討を行います。

 車両の公共交通特定事業計画としては,平成22年を目標年次として,京都市交通局が稲荷地区を運行する車両の約90%をノンステップバスなどの人にやさしいバスにします。

 次に,道路及び信号機などのバリアフリー化事業計画の概要について説明します。

 準特定経路においては,歩道の有効幅員の確保の検討を行うとともに,歩行者優先施策の検討や,段差,勾配の改善などを進めます。

 また,駅周辺に分布する公共・公益施設などへの歩行者の移動経路や駅周辺に居住する市民及び稲荷地区を訪れる観光客が安心,安全,快適に歩ける環境を確保する必要があることから,重点整備地区内のその他の道路について,バリアフリー化事業以外の施策を含め,できる限り一体的にバリアフリー化を図れるよう,歩道等のバリアフリー化の検討などを進めます。

 交通安全特定事業計画としては,京都府公安委員会が,すべての準特定経路において,違法駐車の指導・取締り及び広報・啓発を継続的に推進していきます。

 また,準特定経路3の第一軍道,龍谷大学正門前においては,平成22年を目標年次として,押しボタン式信号の設置検討を進めます。

 さらに,重点整備地区内の交差点において,信号機へ視覚障害者用付加装置,いわゆる音響装置の設置を,事業時期は未定ですが,できるだけ早く事業を実施できるよう,検討を進めます。

 ソフト施策の概要について説明します。

 バリアフリー化設備の整備に併せ,市民が高齢者や身体に障害のある方などに対する理解を深め,手助けなどの積極的な協力を行うことのできる環境を整備するため,市民,公共交通事業者及び行政機関などが互いに連携し,広報・啓発や教育・研修などのソフト施策を展開することにより,国民すべての責務である「心のバリアフリー」を推進していきます。

 また,バリアフリー化された施設が有効かつ適切に機能するようにするための,バリアフリー化設備に関する適切な情報提供や,駅や歩行経路における分かりやすい案内情報の提供や伝達方法の確保・充実などのソフト施策に取り組むことにより,「情報のバリアフリー」を推進していきます。


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