熊谷蓮心表徳碑

YA027

くまがいれんしんひょうとくのひ
石碑(0024325)石碑周辺(0024324)

 熊谷蓮心(1738〜1859)は名は直恭,通称九右衛門。寺町通姉小路角で薬種業鳩居堂を営んだ熊谷家四代当主であり,種痘の普及,飢饉救済などに尽力した篤志家である。蓮心は東野村に牛馬放牧場を設け,年老いて屠殺されるだけの牛馬を養い,また東野村民に援助を与えた。碑はこの功績を顕彰するものである。佐野清一氏の調査によれば,放牧場は現山科刑務所の地に文政8(1825)年から明治21年まで開設された(『京都民報』1978年10月8日付「牛馬放生すすめ草」)。

所在地山科区東野八反畑町(西雲寺内)
位置座標北緯34度58分40.1秒/東経135度48分49.6秒(世界測地系)
建立年1888年
建立者東野村民
寸 法高145×幅75cm
碑 文
[西]
表徳碑【題額】
京都鳩居堂主熊谷蓮心翁性好徳義恵
愛及物常憫牛馬之服苦老且不免屠殺
故購其老疲不堪用者放於我東野村之
郊養馬翁亦屡来視之因又目撃村民窮
乏之状不勝慨歎遂尽心救済乃修堤防
以除水害或給資以勧奨農事於是乎闔
村民始得安堵就業延至今日者実係翁
之恩沢矣翁以安政六年九月六日歿村
民追慕無已今茲相謀捐金以建碑欲使
後人永不忘其恩便是余之所以表記翁
之徳義也 明治二十一年十一月 朝倉善解撰并書
                                           洛北比丘空心題額
[東]
山城国
      東野村人共謀立石
        総代 安田伊右衛門
碑文の大意ここをクリック
調 査2005年2月4日
備 考碑文は彫りが浅く確認が困難なので,山科の歴史を歩く会編『山科の歴史を歩く』(1988年同会刊)所収の碑文に拠った

位置図
位置図

上へ

[HOME]