熊谷蓮心表徳碑YA027 |
くまがいれんしんひょうとくのひ |
熊谷蓮心(1738〜1859)は名は直恭,通称九右衛門。寺町通姉小路角で薬種業鳩居堂を営んだ熊谷家四代当主であり,種痘の普及,飢饉救済などに尽力した篤志家である。蓮心は東野村に牛馬放牧場を設け,年老いて屠殺されるだけの牛馬を養い,また東野村民に援助を与えた。碑はこの功績を顕彰するものである。佐野清一氏の調査によれば,放牧場は現山科刑務所の地に文政8(1825)年から明治21年まで開設された(『京都民報』1978年10月8日付「牛馬放生すすめ草」)。 |
所在地 | 山科区東野八反畑町(西雲寺内) |
位置座標 | 北緯34度58分40.1秒/東経135度48分49.6秒(世界測地系) |
建立年 | 1888年 |
建立者 | 東野村民 |
寸 法 | 高145×幅75cm |
碑 文 | |
[西] | |
表徳碑【題額】 | |
京都鳩居堂主熊谷蓮心翁性好徳義恵 | |
愛及物常憫牛馬之服苦老且不免屠殺 | |
故購其老疲不堪用者放於我東野村之 | |
郊養馬翁亦屡来視之因又目撃村民窮 | |
乏之状不勝慨歎遂尽心救済乃修堤防 | |
以除水害或給資以勧奨農事於是乎闔 | |
村民始得安堵就業延至今日者実係翁 | |
之恩沢矣翁以安政六年九月六日歿村 | |
民追慕無已今茲相謀捐金以建碑欲使 | |
後人永不忘其恩便是余之所以表記翁 | |
之徳義也 明治二十一年十一月 朝倉善解撰并書 | |
洛北比丘空心題額 | |
[東] | |
山城国 | |
東野村人共謀立石 | |
総代 安田伊右衛門 | |
碑文の大意 | ここをクリック |
調 査 | 2005年2月4日 |
備 考 | 碑文は彫りが浅く確認が困難なので,山科の歴史を歩く会編『山科の歴史を歩く』(1988年同会刊)所収の碑文に拠った |
位置図 | |