熊谷蓮心表徳碑 碑文の大意
 京都鳩居堂のあるじ熊谷蓮心さんは,徳のあるりっぱな人物で,いつも牛や馬がこきつかわれたあげく,年老いて役にたたなくなると殺されるのを悲しく思っていた。そこで,そのような牛馬を買い上げ,わが東野村に放牧して養った。そのためたびたび来村し,村人が窮乏するのを見かね,これを救うことを考えた。
 堤防を修理し水害を防ぎ,また金銭を援助し農業を奨励した。その結果,村人はやっと安心して生業に精を出すことができ,現在に至ったのは実に熊谷さんのたまものである。
 熊谷さんは安政6年9月6日に没した。没後も村人の追慕の気持ちは変わらず,このたび相談のうえ資金を出しあい碑を建て,永くその恩を記念することにした。