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 平成25年第2回定例会 【意見書・決議書】

一般用医薬品販売制度に関する意見書
(25年5月28日提出)

 今,国においては,薬事法における一般用医薬品のインターネット等による販売規制について,新たなルール作りの審議が行われている。
 しかし,医薬品は,疾病の治療等に用いられる一方,本質的に人の身体にとって異物であり,不適正な使用や副作用等による健康被害の可能性が常に存在している。
 平成19年度から平成23年度までの5年間で,一般用医薬品によるものと疑われる副作用1,220症例(毎年250症例前後)が厚生労働省に報告されている。平成20年頃には,一般用医薬品である入浴剤から猛毒の硫化水素を発生させて自殺する事件が全国各地で起きている。
 また,偽造医薬品や未承認医薬品のほとんどはインターネット販売であり,インターネットの広がりにより問題が大きくなっている。
 さらには,インターネット販売サイトは,匿名性が高く,責任の所在が不明確であること等から,これを解禁している諸外国では,偽造医薬品の横行と健康被害が大きな問題となっていることが伝えられている。
 このような状況にある中,薬剤師等の医薬品の専門家が,医薬品の使用者の健康状態等を把握したうえ,医薬品の選択についてアドバイスし,その購入者の状況に応じて,必要かつ適正な情報を提供することにより,適正かつ安全な使用が可能であり,また,使用後に何らかの副作用等の身体的事象等が発現した場合に備えて,薬剤師等の指導により,速やかな対応ができる体制を整えることが必要である。
 以上から,医薬品の販売には,適切な選択,適正・安全な使用,的確な情報の提供,副作用発生時の迅速な対応等,いつでも相談可能な薬剤師等の専門家が購入者の身近に存在し,購入者と円滑な意思疎通が可能な対面販売が不可欠である。
 よって国におかれては,一般用医薬品の販売については,対面販売を原則とし,薬事法の改正など必要な規制や措置を講じるよう強く求める。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


地方公務員給与に関する意見書

(25年5月28日提出)

 政府は,地方公務員給与について,国家公務員の臨時特例減額措置に準じた平均7.8パーセントの給与減額を地方自治体に要請している。また,本年7月から地方においても国に準じた給与減額措置を実施する前提で,地方交付税が減額されることとなった。
 本市は,これまでから,2回に及ぶ独自の給与減額措置を行うとともに,徹底した行財政改革を行ってきた。平成20年度と比べて,職員数については,国が7.6パーセント減であるところ,本市は12.9パーセント削減し,また,給与費については,国が9.4パーセント減であるところ,本市は12.6パーセント削減するなど,国を上回る取組をしている。
 本市のように独自に厳しい行財政改革を断行してきた地方自治体の努力を考慮することなく,国並みの給与減額措置を強要することは,誠に理不尽なことである。
 よって国におかれては,これまでの地方自治体の取組を十分に考慮するとともに,地方自治を無視するような措置を二度と採らず,真に地域の活性化を第一に考える施策を行うよう強く求める。
 
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣


介護保険制度における介護給付範囲の見直しに関する意見書

(25年5月28日提出)

 平成24年4月時点において,要介護(要支援)の認定者数は,全国で533万人であり,介護保険制度が実施されて以来,大幅に増加している。京都市においても,平成25年4月時点で,要介護(要支援)の認定者数は,72,783人となっており,年々増加傾向にある。介護保険制度を含む社会保障制度を持続可能な制度とし,安定的に必要な福祉サービスを提供していくための取組は,政府の重大な責務である。
 政府の社会保障制度改革国民会議では,介護分野について,要支援者の介護給付範囲の適正化が必要であるとの意見が出されている。それを受けて,厚生労働省社会保障審議会介護保険部会において,要支援者の保険給付の範囲について検討することとされている。
 言うまでもなく,健康で生き生きと暮らすことは,国民の願いであり,高齢者の介護の重度化を防止するためには,介護予防の充実を図ることが重要である。
 よって国におかれては,要支援の高齢者に対する保険給付の範囲の検討に当たり,介護予防の重要性に鑑み,必要なサービスを提供するための財源の確保や自治体への支援等も含めて,慎重に検討するよう強く求める。
 
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


橋下徹大阪市長の「慰安婦に関する発言」等に対する決議
(25年5月28日提出)

 去る5月13日に,日本維新の会共同代表・橋下徹大阪市長は,「第二次世界大戦当時は慰安婦制度が必要だった」との発言をした。
 この発言は,米軍幹部に対する発言も含めて,女性をはじめ多くの人々の人格を否定し,人権を侵害するものである。
 よって京都市会は,橋下徹大阪市長に強く抗議し,そのような発言の撤回と謝罪を求める。
 以上,決議する。

技能労務職員の採用に関する決議
(25年5月28日提出)

 技能労務職員の採用に関し,平成19年から凍結されていた採用を平成23年に試行的に再開し,本年度も採用の手続を進める予定である。
 昨年4月の試行的採用以来,採用年齢の変更など市会の意見が取り入れられたことは,評価することができる。その一方で,採用は,年齢バランスの改善,ノウハウの継承,職場の活性化等を勘案し,実施するものであると説明されているが,試行的採用に当たっては,引き続き十分な検証を実施するとともに,今後の業務の在り方を早期に定める必要がある。
 よって市長は,市会における議論はもとより,新たに設置した検討委員会の議論を踏まえ,徹底した行財政改革の視点に立って,業務の在り方を早期に示し,更なる見直しを進めること。
 
 以上,決議する。

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