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 平成20年第2回定例会 【意見書・決議】

地方議会議員の位置付けの明確化に関する意見書

(20年6月5日提出)

 本格的な地方分権時代を迎え,二元代表制の下で地方議会が住民代表機関として政策形成機能や監視機能を十分に発揮するためには,我々地方議会議員がこれまで以上に議員活動を積極的に展開していくことが求められている。
 しかしながら,現在,地方議会議員の職務や位置付けについて,地方自治法上明文化されていないことから,議員の職務としての議員活動について,必ずしも十分な理解が得られていない現状にある。
 よって国におかれては,下記の事項を実現されるよう強く要望する。
 地方議会議員の職責・職務の明文化
 地方議会議員の職責・職務について,地方自治法に,例えば,「議会の議員は,議会の権能と責務を認識し,その議会の会議に出席し議案の審議等を行うほか,当該普通地方公共団体の事務に関する調査研究及び住民意思の把握等のための諸活動を行い,その職務の遂行に努めなければならない。」旨の規定を設けること。
2  単なる役務の提供に対する対価としての「報酬」から広範な議員の諸活動に見合う「地方議員歳費」(仮称)への改正
 地方自治法第203条における他の非常勤職から議会の議員に関する規定を分離し,独立の条文として規定するとともに,職務遂行の対価については,単なる役務の提供に対する対価としての「報酬」ではなく,広範な議員の諸活動に見合う「地方議員歳費」(仮称)に改めること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣


子宮頸がん予防ワクチンに関する意見書

(20年6月5日提出)

 女性のがんである子宮頸がんの死亡率は高く,毎年約8,000人が子宮頸がんと診断され,約2,500人が亡くなっている。発症年齢層のピークも年々低年齢化しており,1978年ごろは50歳以降であったのに対し,1998年には30代となり,20代,30代の若い女性の子宮頸がんが急増している。
 また,子宮頸がんの原因のほとんどは,ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染によるものであるが,感染した女性がすべて発症するわけではなく,持続感染により子宮頸がんが発症すると言われている。このHPV感染を予防するワクチンの研究開発が進み,2006年6月に米国で承認されたのをはじめ,現在までに80箇国以上の国で承認されている。
 しかし,いまだ日本ではこの予防ワクチンが承認されておらず,我が国においても予防ワクチンへの期待は高まっている。
 よって国におかれては,子宮頸がんの予防及び早期発見のための取組を推進するため,下記の事項について早急に実現するよう強く求める。
 子宮頸がん予防ワクチンの早期承認に向けた審査を進めること。
2  女性の一生においてHPV感染の可能性が高い一方で,子宮頸がんの発症が予防可能であることにかんがみ,予防ワクチンが承認された後は,その普及推進を図るため,接種への助成制度を行うとともに,我が国におけるワクチンの開発,製造等の今後の在り方について検討すること。
3  子宮頸がんに関する知識の理解が得られるような啓発等に取り組むこと。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


携帯電話リサイクルの推進を求める意見書

(20年6月5日提出)

 レアメタルを含む非鉄金属は,我が国の産業競争力の要とも言われており,その安定確保は,我が国の産業にとって重要な課題である。しかし,近年,国際価格の高騰や資源獲得競争の激化により,その確保に懸念が生じている。
 貴重な鉱物資源を巡るこのような状況を受け,資源エネルギー庁に設置された「資源戦略研究会」が平成18年に取りまとめた報告書「非鉄金属資源の安定供給確保に向けた戦略」では,使用済み製品に使われたレアメタルの再利用推進が重視されている。中でも,普及台数が1億台を超えている携帯電話には,リチウム,希土類,インジウム,金,銀等が含まれており,これらを含んだ使用済みの携帯電話については,他のレアメタル等を含む使用済み製品と共に,「都市鉱山」として,適切な処理と有用資源の回収を行うことが期待されている。
 しかし,使用済み携帯電話の回収実績は,2000年の約1362万台をピークに減少傾向が続いており,2006年には約662万台に半減している。回収率向上のための課題として,携帯電話ユーザーへのリサイクル方法の情報提供,携帯電話のリサイクル活動を行うMRN(モバイル・リサイクル・ネットワーク)の認知度向上,ACアダプター等の充電器の標準化による省資源化等が指摘されているところである。
 よって国におかれては,使用済みの携帯電話の適正な処理とレアメタル等の有用資源の回収促進を図るため,下記の事項について早急な対策を講じるよう強く要望する。
 携帯電話の買替時又は解約時において,販売員からユーザーに対してリサイクル情報の提供を行うことを定める等,携帯電話の回収促進のために必要な法整備を行うとともに,企業の技術開発等の取組を支援する施策を行うこと。
 ACアダプター等の充電器の標準化,取扱説明書の簡略化等による省資源化を実現すること。
 レアメタル等の高度なリサイクル技術の開発に加え,循環利用のための社会システムの確立を目指すこと。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,経済産業大臣,資源エネルギー庁長官


日本映画への字幕付与を求める意見書

(20年6月5日提出)

 現在,テレビ番組への字幕付与は,総務省(旧郵政省)の作成した指針や予算的な補助によって急速に普及し,字幕付与可能な番組の多くに字幕が付けられている。
 一方,国内で上映される映画のうち,洋画については,ほとんど日本語字幕が付いているが,邦画の場合は,特別なものを除いて日本語字幕が付いていない。そのため,聴覚障害者は,字幕のない日本映画を楽しむことができないのが現状である。
 昨年,女優の菊地凛子さんがアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたことで注目された映画「バベル」は,約400人の聴覚障害者がエキストラとして参加し,日本の若者も多数出演したが,日本で公開される際には,日本語場面だけ字幕が付けられていなかった。そこで,聴覚障害者等が署名運動などで改善を要望した結果,配給会社は,公開するすべての映画館で日本語場面にも字幕を入れて上映した。
 聴覚障害者が映画を楽しむためには,台詞だけでなく,電話の呼出音,動物の声,車の警笛等の画面に現れない音声情報の文字視覚化も望まれる。日本映画への字幕付与は,ユニバーサル社会を目指す「情報バリアフリー」の一環として,必要不可欠なものである。
 よって国におかれては,下記の事項について早急に実施するよう強く要望する。
 情報バリアフリー化のため,日本映画や日本語映像ソフトコンテンツへの字幕付与の義務付けに向けての取組や財政的支援措置も検討すること。
 誰にでも分かりやすいユニバーサルな字幕付与が行えるよう一定の規格と規定を定めたガイドラインを策定すること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,経済産業大臣,文化庁長官


仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)のまちづくりに関する決議

(20年6月5日提出)

 今,長時間労働は,社会全体にとって大きな課題であり,働く人たちの心身の健康への影響,家庭生活との両立の困難さ,地域社会の担い手不足,少子化などの問題を投げ掛けている。
 そこで,「ワーク・ライフ・バランス」という観点から,働き方や暮らし方,地域社会の在り方を見直すことが求められている。そうした中,目指すべきものは,一人一人が健康で生き生きと働き続けることができ,安心して妊娠,出産,育児,介護等の家庭生活を充実させ,自らの職業能力開発を図り,地域活動にも参加できる「ワーク・ライフ・バランス社会」である。
 その実現に向け,本市においても,国で制定された憲章に沿って,地方分権にふさわしい行動指針の策定を目指すとともに,仕事と生活の調和の実現に向けて取り組んでいる企業への支援,保育や介護サービスの充実など,より積極的な施策を推進し,ワーク・ライフ・バランスのまちづくりに取り組むべきである。

 以上,決議する。


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