(15年3月14日提出)
現在,国において構造改革の論議が行われているところであるが,真に地方分権改革を推進し,活力に満ちた地域社会を形成していくことは我が国の再生を図るうえで重要な課題である。
平成12年4月に地方分権一括法が施行され,地方分権へ向けて国と地方の役割分担の見直しが図られ,その関係は協力・対等を基本とすることとなった。
しかしながら,地方財政構造は,相変わらず歳出規模と地方税収入とのかい離が解消されないまま,国からの移転財源である地方交付税や国庫補助負担金に大きく依存しているのが現状であり,それが地方公共団体の自主性を損なうという結果となっている。
今日,各地域においては,少子高齢社会に向けた福祉施策の充実,生活関連社会資本の整備など様々なニーズと課題に対処していく必要があり,地方公共団体が担うべき役割と,その財政需要は今後も増大することが確実である。
よって国におかれては,一刻も早く税源移譲を含めた国と地方の税源配分について根本から見直し,地方の自主財源の強化・充実を図るため,下記の事項を早期に実施されることを強く要望する。
記
1 | 税源移譲等の改革の道筋を明らかにする工程を含む改革案を早急に取りまとめること。 |
2 | 地方分権改革推進会議の議論だけでなく,地方公共団体の要望を十分に聞くこと。 |
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣
(15年3月14日提出)
今日,持続可能な社会を構築することが,全人類共通の課題であるが,その解決のためには,現在の産業構造や社会経済システムのみならず,国民の暮らしそのものを環境保全型に根本的に見直す必要がある。
そのためには,学校教育での取組は当然のこと,家庭,地域社会,経済活動など,あらゆる分野を視野に入れた,総合的な環境教育・学習を通じて,人類の生存基盤である地球環境と共生した人間の生き方や社会構造の在り方を学び,持続可能な社会の実現に向けて積極的に行動する人材を育てていくことが不可欠である。
これまで,我が国における環境教育・学習については,学校教育や社会教育の中で,自主的に行われてきたが,必ずしも総合的かつ体系的な取組はなされていない。
特に,学校における環境教育・学習は総合学習への活用のみで,カリキュラムとしての位置付けが不十分であり,学校による格差が大きい現状にある。
また,企業や地域社会においても研修や人材育成,実践など,先進的な取組を行っているところは少なく,その全国的な推進が不可欠である。
更に,昨年の国連総会において採択された「持続可能な開発のための教育の10年」に関する決議は,具体的に2005年より実施されることとなっており,我が国が提案国として,国際社会での取組において十分にイニシアティブを発揮していくためにも,国内での環境教育・学習の推進のための体制整備が緊急の課題である。
よって国におかれては,環境教育・学習と実践についての総合的かつ体系的な取組を推進するための「環境教育・学習推進法(仮称)」の制定を早急に図るべきである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,環境大臣
(15年3月14日提出)
医療制度改革の一環として,本年4月から給与所得者(サラリーマン)の医療機関窓口での医療費自己負担が2割から3割へ引き上げられることとなっている。
しかしながら,長引く不況下で景気は低迷し,給与所得者の生活は,依然厳しい状況に置かれている。このような社会情勢の下で医療費の負担増を求めれば,そのしわ寄せが一層消費を冷え込ませると同時に健康維持にも影響を及ぼし,勤労者の活力が低下し,ますます景気を低下させるという悪循環を引き起こしかねない。
他方,医療制度改革については,既に実施されている高齢者の医療費1割自己負担や本年4月から実施される保険料の総報酬制などによっても医療保険財政に一定の改善が試算として見込まれるところである。
よって国におかれては,こうしたことを踏まえ,給与所得者の医療機関窓口での医療費3割自己負担については,再度慎重に審議を継続することとして,実施については凍結するよう要望する。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣
(15年3月14日提出)
現在の我が国の教育水準の高さ,IT革命やマスメディアの発達による膨大な情報の流通等,18歳以上20歳未満の若者を取り巻く環境を勘案すれば,その大多数が,国や地方公共団体の政治の在り方を判断するのに必要な知識や常識を備え得る状況にあり,選挙権を行使するのにふさわしい判断能力を備えているといってよい状況にあると思われる。
また,世界に例を見ないスピードで進んでいる少子高齢社会の到来にあって,将来の負担を余儀なくされる若者に選挙権を付与し,政策決定の過程に広く若者の意見を反映させるべきであり,若者の政治参加の権利を促進していくことが必要である。
我が国が「選挙権は20歳以上」と定めたのは1945年であり,その後,世界各国において18歳への引下げが相次いで行われた。国際的にも,既に140箇国以上の国において「18歳選挙権」が採用されており,サミット(主要先進国首脳会議)参加国で実施していないのは日本だけである。
今こそ,青年の政治参加の機会を拡大することによって,議会制民主主義の活性化を図るべきときに来ている。
よって国におかれては,民法や少年法との整合性も考慮しつつ,「18歳選挙権」について早急に検討し,実現すべきである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣
(15年3月14日決議)
イラクの大量破壊兵器の保有問題は,全世界の平和と安定を破壊しかねない脅威となっている。
この問題は,単にアメリカとイラクの問題ではなく,湾岸戦争以後,国連決議をイラクが全く履行することなく,国際社会とイラクが対立関係にあるということを出発点に考えなければならない。このような経過の中で,昨年11月8日の国連安全保障理事会では全会一致でイラクに対して大量破壊兵器の査察受入れと廃棄などを求める決議が採択され,2箇月間にわたり,査察が行われた。しかしながら,その査察の結果によれば決定的な証拠は見つからなかったものの,イラクの査察への協力は不十分であり,大量破壊兵器問題の解決には至らず,国連の査察団は査察の継続を求め,国連安全保障理事会がそれを確認した。査察の継続は,国際社会でも多くの支持を得ており,査察の継続を進めることこそ,国際的平和解決への道である。
一方,イラクへの攻撃が行われれば,多くの一般市民が犠牲となり,加えて中東全体や世界各国へ紛争が拡大することが懸念される。
イラク問題は,あくまで国連中心に平和的に解決すべきである。
以上,決議する。
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