定例会・臨時会の結果  平成13年第3回定例会 【意見書・決議】

 
米国における同時多発テロ事件に関する緊急決議

 (13.9.12決議)

 9月11日午後10時ごろ(現地時間同日午前9時ごろ)に,米国の世界貿易センタービル及び国防総省等を襲った同時多発テロ事件は,極めて卑劣な行為で言語道断である。
 このような民主主義を破壊する暴挙は断じて許されるものではなく,我々は米国民と共に,強い怒りを共有するものであり,犠牲者並びにその御家族の方々に対し深く哀悼の意を表するとともに,お見舞いを申し上げるものである。
 よって京都市会は,今回の事件を契機として,日本政府をはじめ世界中のすべての国々が,テロ根絶と真の世界平和の実現に向けて,積極的な取組を進めるよう強く求めるものである。

 以上,決議する。


 
狂牛病対策に関する意見書

 (13.10.5提出)

 数年来,英国を中心にヨーロッパ諸国においては狂牛病が猛威を振るい,国民をパニックに陥れていた。9月10日,農林水産省は,我が国においても狂牛病に感染した疑いの濃厚な乳牛が千葉県白井市の酪農家で見つかったと発表し,英国に照会した結果,狂牛病と断定された。かねてよりEU(ヨーロッパ連合)から警告を受けながら,「国内の安全性は高い」と過信してきた政府の認識や防疫体制は,極めて甘くずさんであったと言わざるを得ない。
 しかも,焼却したはずの乳牛が,実際には飼料用に加工・流通していたことが後で判明し,肉骨粉の輸入実態も明らかにされないなど,これまでの農林水産省の対応は不十分であり,その責任は極めて重大である。
 また,厚生労働省との連携も必ずしも十分とは言えず,その影響が牛の生産・飼育農家,飲用・飲食業界,学校給食など多岐に及んでおり,消費者である国民の不安と不信は増すばかりである。
 よって国におかれては,これ以上狂牛病がまん延せず,国民の不安を取り除くため,下記の事項について特段の措置を講じるよう強く要望する。

 1  狂牛病の感染拡大を食い止め,再発を防止するとともに,人間への感染を防ぐため万全の態勢をとること。
 2  国民に対し狂牛病に関する情報を正確かつ積極的に提供するとともに,牛肉の安全性に対する消費者の信頼を回復すること。
 3  狂牛病の潜伏期間が不明であることを勘案し,長期にわたる監視体制を立てること。
 4  風評被害から発生する飼育農家や牛肉を取り扱う業者のダメージに対し,支援を行うこと。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣,農林水産大臣,経済産業大臣


 
医療保険制度改革に関する意見書

 (13.10.5提出)

 我が国の医療保険制度は,財政的破たんの危機にひんする状況にある。今後も国民皆保険制度を安定的に維持していくためには,抜本改革を早期に実施することが必要である。
 とりわけ市町村が運営する国民健康保険は,我が国の医療保険制度の中核を成すものであるが,高齢者及び低所得者の増大等により,財政運営の厳しさが一段と増しており,安定的な医療供給の観点からは財政の健全化が急務となっている。現在,国において医療保険制度の抜本改革が検討されているが,先日厚生労働省から出された改革試案が実施される中においても,国民健康保険財政の安定化は重要な課題であり,市町村財政の一層のひっ迫を招くこととなってはいけない。
 よって国におかれては,市町村及び被保険者の負担増ではなく,国庫負担の引上げ,医療保険制度間の負担調整,将来に向けて医療保険の一元化,診療報酬体系の改善,事務の効率化などの抜本改革を早期に行うことにより,医療保険制度の長期的な安定化が図られることを強く求めるものである。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


 
実効ある緊急雇用対策を求める意見書

 (13.10.5提出)

 我が国が不良債権問題の解決など構造改革を断行していくうえで,痛みを伴うことは避けられないことであるが,雇用については,総務省の発表によれば完全失業率が5パーセントに達し,地元の関西圏ではこれを上回る6.3パーセントとなっており,戦後最悪の厳しい情勢が懸念される。したがって市民生活に直結するこの問題に適切に対応し,市民の不安を除去することが構造改革を推進するうえで緊急の課題である。
 よって国におかれては,下記の施策の実現を図り,雇用不安にこたえるべきである。

 1  雇用対策財源の確保
 構造改革調整期間において,国民の不安を高めることのないように対策を適時適切にかつ弾力的に講じることができるようにするため,同期間(3年)を通じて必要となる財源を,今年度補正予算において確保する方策を講じること。
 また,雇用保険財政が枯渇している現状を踏まえ,緊急対策は一般会計において対処すること。
 2  雇用の創出
 新産業分野における雇用の創出・拡大を強力に推進するとともに,構造改革の過程で生じる民間の雇用機会の不足に対処するため緊急に公的主体による雇用創出事業を実施すること。
 3  雇用の維持
 効果的な景気対策を講じることにより,企業の倒産等による離職者の発生を最小限にする必要があり,特に中小企業セーフティネット対策を強化・推進すること。また企業の経営方針等により一時に大量の離職者が発生する事態を緩和するための対策を講じること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,経済財政政策担当大臣,総務大臣,財務大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣


 
社会福祉法人新設への指導監督の徹底を求める決議

 (13.10.5決議)

 京都市では介護保険制度の円滑な運用とその基盤整備を目指して,第2次京都市高齢者保健福祉計画を推進しているところであるが,介護老人福祉施設建設にかかわって,再々,事業計画が中止断念されたことは,誠に遺憾であり,高齢者保健福祉計画の今後の進ちょくに重大な懸念を抱かざるを得ない。
 高齢福祉対策の遅滞は決して許されるものではなく,特に実績や経験を持たない事業主体の新設社会福祉法人に対する一層の指導強化が求められる。
 介護保険制度がスタートして1年半,介護老人福祉施設等の整備については,1日も早い計画達成が待ち望まれている。
 よって本市は,施設整備に当たって,特に社会福祉法人新設を目指す事業主体に対して,事業計画の確実性,信頼性はもとより,計画遂行のため,より一層の綿密な指導監督に努めるべきである。

 以上,決議する。


 
同和行政に関する決議

 (13.10.5決議)

 京都市会は今日まで,京都市の同和行政の終結に当たっては,
 1 同和問題の真の解決に役立つか。
 2 地区住民の自立,自覚を支えるものか。
 3 一般行政と整合性があるのか。
 4 市民の理解と協力が得られるか。
 以上の視点に立って,平成13年度の地対財特法の期限切れに向けて再三,同和問題の解決を求める決議を行ってきた。その結果,平成10年度から同和対策室を廃止し,人権文化推進部を設け,同和問題を人権という視点で考えていく方針に変更した。議会の強い意思によって,同和問題は,多くの面で改革・前進が見られたものの,今なお,特別施策としての同和施策が存在し,施策の推進に当たっても,運動団体の強い影響があることは遺憾である。地対財特法の期限切れ後も,実質的な同和施策を継続することは市会の決議を無視したものであり,決して許されることではない。
 よって,1日も早く同和行政を終結するために,主体性を確立した行政を行うことを京都市政に強く求めるものである。

 以上,決議する。


目次][会期日程][議案審議結果][付帯決議等][意見書・決議][採択請願