(12.9.19提出)
今年に入り,北海道有珠山の噴火をはじめ,伊豆諸島においては三宅島,神津島,新島等における群発地震の発生,特に6月27日ごろに始まった三宅島雄山の噴火は,8月18日に大量の火山灰を発生させた大規模な噴火となった。9月1日には,全島民に避難指示が出され,一部防災等関係者を除き,全員が島外へ避難をした。
また,9月11日午後から12日にかけて降り続いた豪雨により,青森県から沖縄県まで23都府県で被害が発生し,特に愛知,三重,岐阜の東海三県を中心に死者10名,行方不明1名,浸水家屋7万戸以上,堤防決壊により37万人以上に避難勧告・指示が出されるなど甚大な被害を出した。
地震,噴火,豪雨という自然災害とはいえ,被災された住民の方々の不安や心配は計り知れないものがあると思われる。
三宅島については,国において各種災害対策を実施するとともに,避難島民が安心して暮らせるよう住宅・生活必需品の提供,生活福祉資金融資の実施など支援体制を整えているところである。
また,東海豪雨においては,ライフラインの1日も早い復旧をはじめ,道路・河川の復旧整備,住宅などに被害を受けられた住民への支援など素早い対策が求められている。
よって国におかれては,東海豪雨や三宅島等伊豆諸島の災害に対し,今後も引き続き万全の対策を講じるよう求めるものである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,法務大臣,大蔵大臣,文部大臣,厚生大臣,農林水産大臣,通商産業大臣,運輸大臣,郵政大臣,労働大臣,建設大臣,警察庁長官,総務庁長官,防衛庁長官,科学技術庁長官,環境庁長官,国土庁長官,自治大臣
(12.10.11提出)
日本の公的骨髄バンクは,平成3年12月に骨髄移植推進財団が設立認可されたことで本格的な事業が開始され,平成5年1月に始まった非血縁者間移植は既に2,800例を超えている。
しかしながら,患者とその家族にとっては,「血液難病」と診断され,根本的な治療法である骨髄移植を指示されながらも血縁者の中に骨髄液の提供者(ドナー)を見いだせず,また骨髄バンクによって善意のドナーが現れても,なお50万円以上の患者負担が必要とされるなど,精神的にも経済的にも過重な負担を強いられている。
一方,骨髄移植推進財団は,公的骨髄バンク事業の主体を担うべき重要な組織でありながら,非常に困難な財政状況に直面している。収入の大半を厚生省からの補助金,患者負担金,善意の寄付金に頼らざるを得ないからであるが,このままでは事業の縮小を余儀なくされ,移植を希望する患者にとって不可欠なドナー募集活動にも支障を来しかねないのが現状である。
よって国におかれては,現在骨髄バンクを介した骨髄提供に派生している患者負担を解消するとともに,骨髄バンクの運営経費についても,十分配慮するよう強く要望する。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,大蔵大臣,厚生大臣,自治大臣
(12.10.11提出)
近年,我が国では少子化が急速に進行している。一人の女性が一生の間に産む子どもの数の平均は,1999年には,1.34人となり,我が国の経済・社会に深刻な影響を及ぼすことが懸念され,国においても様々な分野で対応策が検討されている。
一つには,固定的な男女の役割分業や雇用慣行を是正し,男女共同参画社会の実現など新しい枠組みを目指すことであり,昨年,男女共同参画社会基本法が施行されたことは,この分野の進展に大きく寄与するものである。
二つには,子育てを支援するための諸施策,特に,育児と仕事の両面の支援施策の総合的かつ効果的な推進を図ることであり,この点についても来年1月には労働省と厚生省が統合されることから,子どもの健やかな成長にとってもより効果的な連携のとれた施策が期待されるところである。
しかし,現在我が国には仕事と家庭の両立支援策の柱として「育児・介護休業法」があるが,その制度内容・適用状況は,男女労働者にとって,実質的に仕事と家庭が両立できるようになるには,まだ多くの課題を残している。
労働省は,既に女性少年問題審議会で改正に向けての審議を立ち上げたが,国におかれてはこの機を生かし「育児・介護休業法」を抜本的に改正し,親にとっても子どもにとっても住み良い社会環境の整備を図るため,下記の項目を実現されるよう強く要望する。
1 | 短時間勤務制度を拡充すること。 |
2 | 子ども・家族看護休暇を新設すること。 |
3 | 男性の育児休業取得を促進すること。 |
4 | 時間外労働等の免除措置を講じること。 |
5 | 待機児の解消をはじめ多様な保育ニーズに対応した保育サービスと学童保育機能の拡充を図ること。 |
6 | 無認可保育所を届出制とするための法整備を図ること。 |
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,文部大臣,厚生大臣,労働大臣,自治大臣
(12.10.11提出)
人類と地球環境の持続的発展を目指し,平成9年12月に本市において開催された気候変動に関する国際連合枠組条約第3回締約国会議の京都議定書において,二酸化炭素等の温室効果ガスの削減目標が示された。我が国においても,この目標数値達成の手段として,風力,太陽光,熱,バイオマス,小水力,波力,潮力等の環境負荷の少ない自然エネルギーによる発電を積極的に開発し,その普及を図ることが喫緊の課題となっている。
欧米においては,自然エネルギー等による発電の開発を促進するための電力買取り制度等を法制化するなど,国による必要な支援策を講じている。
しかしながら,我が国では電力会社が自然エネルギーによる電力を自主的に購入しているものの,国の支援は機器の購入や設置に対する補助が中心となっており,自然エネルギー発電への助成や支援は十分とは言えず,一刻も早く法整備を含めたより一層の施策を確立すべきである。
その際,国の財政支援措置については,電源立地地域の振興に充てられる電源開発促進対策特別会計からの流用は慎重を期すべきである。
よって国におかれては,地球温暖化防止の趣旨を踏まえ,地域活性化にも貢献する「自然エネルギー発電促進法」等の施策を早期に確立することを強く要望する。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,科学技術庁長官,環境庁長官,大蔵大臣,農林水産大臣,通商産業大臣,資源エネルギー庁長官,建設大臣,自治大臣
(12.10.11提出)
我が国経済は緩やかな改善過程にあるものの,その回復力は弱く,とりわけ中小企業は依然厳しい状況にある。そこで,欧米各国に比較して,産業を支える中小企業にとって過重な負担となっている高い相続税の改正が必要である。現行の相続税の課税理念には,事業の承継という概念がなく,財産の承継という考え方となっているため,中小企業の多くが,後継者への円滑な事業承継に腐心したり,経済フロンティアへ挑戦する事業意欲を喪失するなど,事業承継時の相続税負担が中小企業の活力維持への阻害要因となっている。
よって国におかれては,多様で活力ある中小企業の継続,発展を図り,21世紀における経済社会の新生を実現するためにも,現行の相続税及び贈与税を見直し,新たな事業承継税制を確立していくことが必要であるので,来年度の税制改正に当たって,下記のことを配慮されるよう要望する。
1 | 相続税の最高税率を50パーセントまで引き下げるとともに,税率の累進構造を緩和すること。 |
2 | 事業用資産を一般の相続財産から分離し,納税猶予制度の創設を早急に検討すること。 |
3 | 贈与税については,昭和50年の改定以来60万円に据え置かれている基礎控除額を大幅に引き上げること。 |
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,大蔵大臣,自治大臣
(12.10.11決議)
平成12年1月,京都みやこ信用金庫と南京都信用金庫の経営破たんにより2信用金庫の京都中央信用金庫への事業譲渡が発表されて以降,これまで関係信用金庫において事業譲渡の作業が進められてきた。
現在,事業譲渡先である京都中央信用金庫か整理回収機構かの債権の振分通知が行われているところであるが,2信用金庫の取引先のほとんどは中小零細企業であり,今後の取引の継続いかんによっては,中小企業者への大きな影響が懸念されるところである。
今日,京都市内の経済状況は,一部の業種・企業に回復の兆しが見られるものの,和装・繊維産業をはじめ依然として厳しい状況が続いている。
こうした状況の下,本市においては,事業譲渡発表直後から関係機関による連絡会議の開催,関係信用金庫や国への要請及び相談窓口の設置等中小企業者の立場に立って対応してきたところであるが,事業譲渡がいよいよ最終局面を迎え,本市の一層の取組が求められる。
よって理事者は,地域経済への影響を最小限にとどめ,懸命に努力されている中小企業者を守るため,下記について要望する。
1 | 事業譲渡に伴う,中小企業者からの切実で深刻な相談に対応するため,きめ細かな対応ができるよう,相談体制を更に拡充・強化すること。 |
2 | 整理回収機構に送られた債務者に対しても,本市の立場から最大限の努力を行うこと。 |
[目次][会期日程][議案審議結果][付帯決議等][意見書・決議][採択請願] |