平成23年(2011年)5月15日発行
京都市会ホームページ
http://www.city.kyoto.jp/shikai/
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●編集/市会事務局
●〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る
●TEL.075(222)3697 FAX.075(222)3713
【目次】
○総額1兆6千174億円の平成23年度当初予算を可決
○2月定例会で審議した主な議案の概要
○23年度予算の審査
○付帯決議(全文)
○本会議の代表質疑から
○1月臨時会・2月定例会の審議結果
○意見書(全文)
○1月臨時会における審査
○市会の活動
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<○ 総額1兆6千174億円の平成23年度当初予算を可決>
(予算に付けた付帯決議は平成23年第2回定例会【付帯決議等】のページを参照) |
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○2月市会定例会 |
2月定例会は,2月22日から3月15日までの22日間開かれ,市長提出議112件,議員提出議案9件を審議しました。
市長提出議案のうち,23年度一般会計予算など予算案22件とその関連議案34件については,二つの予算特別委員会を設置して付託・審査のうえ,原案のとおり可決しました。22年度一般会計補正予算など予算案13件とその関連議案5件についても,予算特別委員会で,また,犯罪被害者等支援条例の制定など議案37件については,それぞれ担当の常任委員会で審査のうえ,すべて原案のとおり可決しました。
さらに,包括外部監査契約の締結の議案1件についても,原案のとおり可決しました。
議員提出議案については,議員報酬を10%削減する「市会議員の議員報酬の額の特例に関する条例の一部改正」など7件を原案のとおり可決しました。
定例会の経過
2月22日 |
本会議 |
会期の決定,議案の提案説明,予算特別委員会の設置など |
2月22日
23日
25日 |
普通予算特別委員会 |
正副委員長の互選,22年度補正予算の審査など |
公営企業等予算特別委員会 |
2月28日
3月 1日 |
本会議 |
代表質疑,議案の処理など |
3月 1日〜
3月4日
10日
14日 |
普通予算特別委員会 |
23年度一般会計予算の審査など |
3月 1日〜
3月3日
7日
14日 |
公営企業等予算特別委員会 |
23年度各公営企業会計予算の審査など |
3月8日
9日
14日 |
常任委員会 |
付託された議案や請願の審査など |
3月15日 |
本会議 |
予算などの議案や意見書の議決など |
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○1月臨時会
−直接請求による市会議員の定数及び各選挙区において選挙すべき市会議員の数に関する条例の一部改正案を否決− |
1月臨時会は,1月24日から1月31日までの8日間開かれ,市会議員の定数及び各選挙区において選挙すべき市会議員の数に関する条例の一部改正請求の議案1件を審議しました。議案は,市会運営委員会に付託・審査のうえ,否決しました。(審査の概要については,下記の1月臨時会における審査を御覧ください。)
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○2月定例会で審議した主な議案の概要 |
〔市長提出議案〕
◆平成23年度一般会計予算など22会計予算
一般会計の23年度当初予算の規模は7千464億7千5百万円で,前年度当初予算に比べ,2.9%減となりました。また,公営企業会計などを合わせた合計では,1兆6千173億8千3百万円で,前年度当初予算に比べ,2.3%減となりました。
会計別の予算額は,下表のとおりです。
平成23年度当初予算額(会計別)
会計別 |
23年度
当初予算額 |
22年度
当初予算額 |
対前年度比較 |
金額 |
率(%) |
一般会計 |
7,464億
7,500万円 |
7,686億
5,100万円 |
△221億
7,600万円 |
△2.9 |
特別会計 |
6,234億
2,200万円 |
6,145億
2,700万円 |
88億
9,500万円 |
1.4 |
小計 |
1兆3,698億
9,700万円 |
1兆3,831億
7,800万円 |
△132億
8,100万円 |
△1.0 |
公営企業会計 |
2,474億
8,600万円 |
2,722億
1,400万円 |
△247億
2,800万円 |
△9.1 |
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水道事業 |
569億
2,500万円 |
541億
6,300万円 |
27億
6,200万円 |
5.1 |
公共下水道事業 |
1,003億
3,100万円 |
994億
2,100万円 |
9億
1,000万円 |
0.9 |
自動車運送事業 |
222億
1,100万円 |
247億
700万円 |
△24億
9,600万円 |
△10.1 |
高速鉄道事業 |
680億
1,900万円 |
769億
9,500万円 |
△89億
7,600万円 |
△11.7 |
病院事業 |
− |
169億
2,800万円 |
△169億
2,800万円 |
皆減 |
合計 |
1兆6,173億
8,300万円 |
1兆6,553億
9,200万円 |
△380億
900万円 |
△2.3 |
◆平成22年度一般会計補正予算など13会計補正予算
増加している生活保護,障害者自立支援に要する経費や国民健康保険事業特別会計及び介護保険事業特別会計に対する一般会計からの繰出金などを増額補正するほか,街路整備など見込減となった事業費について減額補正を行うものです。
また,22年度当初予算において財源不足対策として計上した公債償還基金及び都市計画事業基金の取崩額を減額するほか,市税,地方特例交付金,地方交付税の減額とともに,臨時財政対策債の増額補正を行うものです。
補正額は総額で30億4千8百万円です。
◆犯罪被害者等支援条例の制定
犯罪被害者等(※1)の支援に関し,その基本理念や,本市,市民,事業者及び民間支援団体(※2)の責務を明らかにするとともに,犯罪被害者等の視点に立ち,犯罪被害者等を支援していくための施策に係る基本となる事項を定めることにより,犯罪被害者等が受けた被害の回復及び軽減に向けた取組の推進並びに犯罪被害者等を支える地域社会の形成を図り,もって市民が安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与するため,条例を制定するものです。
※1 犯罪被害者等
犯罪等(犯罪及びこれに準じる心身に有害な影響を及ぼす行為)により害を被った者及びその家族又は遺族。
※2 民間支援団体
犯罪被害者等の支援を行う民間の団体。
◆子どもを共に育む京都市民憲章の実践の推進に関する条例の制定
子どもを共に育む京都市民憲章(※)を総合的に推進し,子どもを健やかかつ心豊かに育む社会を構築するために,憲章の実践に関し必要となる事項を定めようとするものです。
※ 子どもを共に育む京都市民憲章
市民との協働により,子どもを健やかに育む社会を目指し,市民共通の行動規範として,平成19年2月に制定されたもの。
〔議員提出議案〕
◆市会議員の議員報酬の額の特例に関する条例の一部改正
◆市会議員の議員報酬,費用弁償及び期末手当の支給に関する条例の一部改正
現下の厳しい財政状況を踏まえて,平成23年度の議員報酬を10%削減するものです。平成21年度から平成22年度まで実施した5%削減措置に引き続く取組です。
また,あわせて,本会議及び委員会等に出席したときに議員に支給される費用弁償については,平成23年度から廃止することとしました。
◆京都市会情報公開条例及び京都市情報公開・個人情報保護審査会条例の一部改正
「開かれた市会」の実現に向けた取組が着実に進む中で,京都市会の情報公開制度について,不服申立てに係る審査の統一を図るとともに,調査・審議等の効率化を図るため,京都市会情報公開審査会(※)の現委員の任期が終了する平成22年度末をもって審査会を廃止し,京都市情報公開・個人情報保護審査会に統合しようとするものです。
※ 京都市会情報公開審査会
公文書公開請求に対する市会議長の非公開決定等について,請求者等から不服申立てがなされた場合に,その決定が妥当であるかを審査する議長の諮問機関。
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○23年度予算の審査 |
2月定例会では,普通予算特別委員会に23年度一般会計予算など予算案15件とその関連議案34件を,また,公営企業等予算特別委員会に,水道,公共下水道,自動車運送(バス),高速鉄道(地下鉄)などの23年度予算案7件を,いずれも3月1日に付託しました。各委員会では,局別の質疑や市長・副市長に対する総括質疑などによる審査を行い,3月14日にすべての審査を終了しました。
3月15日の本会議で各委員長から審査の経過と結果の報告があり,報告の後,普通予算特別委員会の付託議案に対し5名の議員が,公営企業等予算特別委員会の付託議案に対し4名の議員がそれぞれ討論を行いました。討論の後,付託議案の表決を採り,すべて原案のとおり可決しました。
なお,23年度予算と関連議案に付けた付帯決議(全文)は,下記のとおりです。
議論された主な事項
普通予算特別委員会
・厳しい財政状況での予算の編成
・地球環境保全対策,ごみ減量,リサイクルの推進
・市政の総合的な推進,国際交流
・市民生活の向上,文化・スポーツ振興対策
・産業観光,農林振興,雇用対策
・生活保護制度の推進体制の強化
・子育て支援
・京都駅南口駅前広場の整備
・35人学級実施の更なる拡充 など
公営企業等予算特別委員会
・市バス事業と地下鉄事業の経営健全化計画の推進
・公共交通優先のまちづくりのための交通局の積極的な関与
・市バスの交通不便地域における利便性向上の取組
・地下鉄駅への転落防止柵の設置
・上下水道事業中期経営プランの推進
・鉛製給水管取替事業
・地下水利用専用水道への対策
・雨に強いまちづくりの推進 など
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○付帯決議(全文) |
2月定例会で審議した市長提出議案に付けた付帯決議の全文は,次のとおりです。
23年度予算と関連議案に付けたもの
〔一般会計〕
京都の魅力を広く国内外に発信できる京都マラソンは,スポーツの振興や健康の増進にとどまらず,地域の活性化や京都ブランドの向上に寄与する,極めて有意義で公益性の高い事業である。
京都マラソンが,末永く京都のスポーツ財産となり,ランナーのみならず,多くの市民も「応援する楽しみ」,「支える誇り」が実感できる大会となるよう取り組むこと。
(全会一致)
〔水道事業特別会計〕
厚生労働省によると膜ろ過の地下水専用水道はこの4年間で3倍にも増えており,本市においても,この影響で毎年8億円もの減収になっている。
一方で,水道事業者には法律で給水義務があるため,地下水が非常時のときも含め使用不可になった場合には,水道水で補う必要があることから,上下水道局は使用水量に見合う大口径の水道管の維持管理費を計上しており,将来的に水道料金の値上げにつながるおそれもある。
よって,地下水の専用水道については,より適切な対策を目指して負担金徴収等料金制度の在り方とも併せて十分な検討を早急に行うこと。
(全会一致)
〔水道事業特別会計・公共下水道事業特別会計〕
1 水道整備計画(中期経営プラン)が平成24年度で終了することから,計画達成に向けて一層の努力をすること。
2 本市中小零細企業を取り巻く景況は,なお厳しい状況である。よって京都市の公共事業・物品契約の発注における地元下請業者への優先発注比率を高めること。
(全会一致)
〔高速鉄道事業特別会計〕
1 地下鉄京都駅は本市最大の乗降客数を数える主要駅であるので,今後予定されている駅ナカビジネスの拡大については,周辺地下商業施設との協調を図り,経営健全化に向けてより一層地下鉄の乗客増に資するものとなるよう努力すること。
2 地下鉄の建設・維持管理・施設更新などについて国の補助制度の抜本的な改善は,地下鉄事業にとって死活問題となっている。よって理事者は,他都市とも連携して最大の努力を行うこと。
(全会一致)
〔不動産の出えん〕
財団法人京都市埋蔵文化財研究所は,1200年を超える都市としての歴史を持ち,市街地の約4割が埋蔵文化財の包蔵地であるだけでなく,他都市にはない複雑に幾重にも重なった特殊な地層を有する本市において,大半の発掘調査を行ってきた。また,これまでの発掘調査により専門的知識及び高度な技術水準を蓄積,維持してきた。同財団の存続が市民の文化的向上と地域文化の振興のために必要であることは理解できる。
現在同財団は多額の純資産(正味財産)の赤字を抱えている。市は同財団を公益財団法人として存続させるためとはいえ,市民の貴重な財産である土地を赤字補てんのために同財団へ出えんするのであるから,今後の同財団運営については以下の点を強く進めること。
1 市及び財団法人京都市埋蔵文化財研究所は,同財団の存続意義と公益財団法人化について議会及び市民に丁寧に説明し,市民理解の下,同財団の文化事業の一層の充実を図ること。
2 財団法人京都市埋蔵文化財研究所は,今後更なる出えんなどの市の特別な負担を求めることのないよう,不断の経営安定化に最大限努めること。
(全会一致)
22年度補正予算に付けたもの
〔公共下水道事業特別会計〕
監査の指摘を踏まえ,今回一般会計の繰入金の会計処理変更がなされたが,一方でこのことにより,今回の補正で新たな消費税負担が生じる結果になった。
よって理事者は,繰入金の使途目的を明確に特定し,課税対象額の縮減を図れるよう国に対して強く働き掛けるべきである。
(全会一致)
予算関連以外の議案に付けたもの
〔指定管理者の指定(文化市民局関係・京都市考古資料館)〕
今回,厳しい経済状況にある財団法人京都市埋蔵文化財研究所を公益法人制度改革に伴い存続させるために評価額9億円を超える不動産の出えんを行うこととしている。
また,財団法人京都市埋蔵文化財研究所は前回に引き続き今回も京都市考古資料館の指定管理者に選定されることになった。
指定管理者の選定に当たっては,選定委員から「同財団が巨額の赤字を抱えていることから,毎年度,本市が同財団の財務状況を点検のうえ,施設の管理業務を適正かつ確実に実施できることを確認する必要がある」と厳しい意見も付されている。今回,同財団が選定された理由については,過去の実績と専門知識や高度な技術を有しているためとされている。
しかしながら,本市が100%出えんして設立した団体とはいえ,外郭団体である同財団を存続させるために,市民の財産を出えんすることについては,債務超過に陥った同財団が指定管理者として資格要件を満たすことができるよう出えん行為がなされたのではないかとの指摘もある。
本市においてはその重大さについて改めて認識する必要があり,今後の同財団の運営について,次のことを強く求める。
1 文化市民局長と同財団の理事長職兼務を即刻改め,見直すこと。
2 今後,京都市として考古資料館の管理運営に支障が生じることがないよう同財団の財務状況の点検,確認をしっかり行うこと。
3 発掘調査事業も減少している中,今回このような措置を行う同財団が再び経営困難な事態に陥ることのないよう,同財団の運営について責任を持って指導,監督すること。
4 同財団の発掘調査による出土品や貴重な記録等については,公開なども含め,これまで以上に様々な手法により広く市民に還元していくこと。
(全会一致)
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○本会議の代表質問から |
2月28日・3月1日の本会議では12人の議員が各会派を代表して,平成23年度一般会計予算などについて市長や関係理事者に質疑を行いました。
本号では,その主なものをお伝えします。
自民党=自由民主党京都市会議員団
共産党=日本共産党京都市会議員団
民主・都=民主・都みらい京都市会議員団
公明党=公明党京都市会議員団
市の基本方針
【交通事業の平成23年度予算の評価と経営健全化の推進】 自民党
Q 22年3月に策定した交通事業における経営健全化計画の取組は順調に進んでいる。しかし,依然,地下鉄・市バス事業の経営状況は厳しく,更なる取組が必要である。23年度は経営健全化の着実な推進のため基盤を固める重要な年である。交通事業における23年度予算の評価と今後の経営健全化に向けた決意を聞きたい。
A 23年度予算は,地下鉄事業の安定的な経営という目標達成や,市バス事業の自立した経営基盤の確立に向け,着実に前進する姿を示すものとなった。しかし,決して安堵できる状況にないため,予算に盛り込んだ増収・増客の取組や更なるコスト削減策を徹底して推進する。地下鉄・市バスが安定して未来に走り続けられるよう市の総力を挙げて取り組む。
【関西広域連合(※)への参加と大都市行政の在り方】 自民党
Q 関西の4政令市は,関西広域連合に国の出先機関の事務・権限が委譲される段階で,同連合に正式参加することを表明したが,本市にとってどのようなメリットがあるのか。また,これからの大都市制度,広域行政の在り方をどのように考えているか。
A 地域主権改革を加速させ,国から委譲される事務・権限を,住民に最も身近で府県と同等の行政能力を持つ政令市が担うことで,同連合を住民に有益なものとする趣旨から正式参加するものであり,本市の発展と市民生活の向上にメリットがある。また,大都市制度については,大都市を府県と同格の「特別自治市」に位置付ける制度を創設すべきであり,広域行政の在り方については,道州制導入が望ましいと考える。
※ 関西広域連合
地方自治法で定められた特別地方公共団体「広域連合」の一種。大阪,京都,兵庫,滋賀,和歌山,鳥取,徳島の7府県が参加し,防災,観光・文化振興,産業振興,医療など7分野で連携している。
【指定管理者制度(※)における適正な労働条件の確保】 共産党
Q 指定管理者制度では,委託条件が低いためアルバイト等の雇用で経費を抑えざるを得ず,中には年100万円少々しか収入がない場合もある。安定的なサービス提供には改善が必要と指摘したが,改善されていない。国の通知で労働法制の遵守や雇用・労働条件の適切な配慮が求められているが,実態把握を含めてどのような取組を行ってきたか。通知の趣旨に沿って具体的な対策を取るべき。
A 本市の指針において,指定管理者選定の際,職員等の体制や運営経費の考え方等について総合的に審査すると定めている。これにより,必要に応じて応募者から給与規定を含む就業規則等の提出を受け,服務規定の整備状況等を審査し,雇用・労働条件への配慮等がされるよう留意している。
※ 指定管理者制度
委託先が地方公共団体の出資法人などに限定されていた公の施設の管理運営について,民間の能力を活用しつつ,住民サービスの向上と経費節減等を図るため,株式会社等の民間事業者も含めた幅広い団体から管理者を指定する制度。
【自治基本条例の制定】 公明党
Q 自治基本条例には,情報公開,市民参加など様々な制度が盛り込まれており,自治体運営の規範となるものである。これまでの自治体改革の成果の到達点,そして分権時代の自治を構築する出発点を成すと言ってもよく,本市としても自治基本条例の制定に向けた取組を行うべきではないか。
A 地方分権の進展の中,基礎自治体として市政運営を確かなものとするため,その基本原則を体系的に分かりやすく表し,認識を深められるようにすることは重要である。本市では,基本原則を京都市基本構想に記述するとともに,市民参加推進条例等でも定めている。自治基本条例の制定については,基本構想や各種条例の内容との関係や他都市の条例の効果も検証し,調査研究を進める。
子育て支援の充実
【子どもの医療費助成の拡充】 共産党
Q 子どもの通院医療費の窓口負担について,府内の半分の自治体が小学校卒業まで月200円とし,小学校就学までとしている自治体は9割近い。本市は3歳未満までとあまりに遅れている。先の11月市会で,市は「府と制度の在り方について協議検討を鋭意進める決意」と述べたが,23年度予算案に示さなかった。本気で子育て支援を行う気があるのか。
A 国の補助がない中,府市協調で制度の拡充に努めてきた。月200円の窓口負担を小学校卒業まで拡大した場合,22億円必要となる。福祉関係の財政需要が増加し,拡充時期については,政策の優先順位を考え十分検討する必要がある。府と制度の在り方について前向きに検討するとともに,国に財源措置を強く要望していく。
【子育て支援の充実】 民主・都
Q 23年度予算において,公共施設を活用した分園設置等により保育所定員を拡充するとあるが,公共施設の一つとして,地下鉄の地上駅である竹田駅を利用した保育所設置を検討してはどうか。また,保育体制の充実のため,保育活動の中心となる主任保育士を専任化し,代替職員を常勤雇用できるよう財源を措置すべき。
A 地下鉄駅周辺の公共施設を利用した保育所設置は,市有財産の有効活用,市民の利便性確保の面から重要な観点であり,積極的に検討する。また,主任保育士(※)の専任化未実施の保育園に対し,乳児保育,延長保育等の実施を働き掛け,運営費の加算により専任化を進める。主任保育士専任化による代替職員の常勤化については,国に財政措置を要望する。
※ 主任保育士
保育・保護者支援の管理・指導等,人材育成,保育所内外の調整,組織の適切な管理運営に関わる保育士のこと。
【子ども・若者育成支援の取組】 公明党
Q 本市では,子ども・若者の抱える課題の相談に応じる「子ども・若者総合相談窓口」や官民一体で支援する「子ども・若者支援地域協議会」を設置するなど,全国に先駆けて子ども・若者育成支援に取り組んでいる。支援の更なる充実には,特別な支援が必要な人への正しい理解が重要と考えるが,今後どう取り組むのか。
A 社会が一体となった総合的な支援が重要であり,いち早く取組を進めている。特別な支援が必要な人への理解の促進に当たっては,研修や講座,周知パンフレットの企業等への配布等を行っている。3月策定のユースアクションプラン(※)でも,「社会全体で青少年を支援する環境づくり」を基本方針に位置付け,子ども・若者を支える環境づくりを進める。
※ ユースアクションプラン
第3次京都市青少年育成計画。青少年が将来に夢と希望を持ち,「生きる力」を身につけ,社会を構成する担い手として様々な分野に挑戦し,活躍しながら大人へと成長できるよう支援していくことを目的として策定。
【児童虐待に対する体制整備】 自民党
Q 本市では,23年度から新生児全戸訪問を拡大し,初妊婦に対する家庭訪問を予定しており,また,これまでも地域や関係機関との連携促進や児童相談所における機能強化等を進めてきたが,年々児童虐待が増加する中,一層の体制整備が必要ではないか。24年度の第2児童福祉センター(※1)の開設を待たずに取り組むべきである。
A これまでから児童相談所に国基準を2倍近く上回る児童福祉司(※2)を配置するなど,体制強化に努めてきた。児童虐待については,相談・通告に迅速かつ的確に対応することが重要であり,23年度には,通告から48時間以内に児童の安全確認を行う初期対応班や,在宅の被虐待児やその家族を支援する地域班を増設し,体制強化を図る。
※1 第2児童福祉センター
児童虐待,障害相談に迅速かつ的確に対応するため,児童相談所及び診療所等の機能を備えた児童福祉の拠点。市南部地域を所管。
※2 児童福祉司
児童相談所に置かなければならない職員で,児童の保護その他児童の福祉に関する事項について,相談に応じ,専門的技術に基づいて必要な指導を行う者。
文化芸術と環境政策
【舞台芸術の発展に向けた取組等】民主・都
Q 京都芸術センター(※)の果たしてきた役割は大きいが,京都には演劇拠点がなく,京都会館の再整備も行いつつ,舞台芸術関係者の活動の場の確保や人材育成につながる展望を積極的に描くべきである。また,京都市観光協会等と連携し,舞台芸術等に関する夜の観光を充実させてはどうか。
A 芸術センターでは舞台芸術関係者の人材育成とネットワーク構築に努めてきた。京都会館については,より上質の舞台芸術を創造・発信する場となるよう再整備を進める。今後,これまでの取組の成果を踏まえ,京都における舞台芸術の更なる発展のため,活動の場の確保や人材育成に取り組む。夜の観光については,今後も観光協会等との連携の下,京都の夜の魅力の創出・発信に努める。
※ 京都芸術センター
京都市における総合的な芸術振興を図るため,舞台公演をはじめ,展覧会,ワークショップ等多彩な事業を展開している施設。
【使い捨てライターの回収】 自民党
Q 法律規制により,本年9月から安全基準に適合したライターしか販売できなくなることから,今後,従来型の使い捨てライターの大量廃棄が予想される。爆発・出火事故の防止に向け,注意喚起と同時に,公的機関や民間事業者の協力を得てライター回収ボックスを設置するなどの対策が必要であると考えるがいかがか。
A 本年6月の環境月間を機に,市民しんぶん等で周知のうえ,使い捨てライターを区役所・支所のエコまちステーション(※)などの公共施設で回収する。また,10月からはライターに加え,刃物や塗料等の有害・危険物や,古着等の資源物を市民の身近な場所で回収する移動式の資源回収モデル事業を実施する。今後,市内の販売店にも回収実施を働き掛ける。
※ エコまちステーション
地域における総合的な環境行政の拠点窓口で,区役所・支所内に開設している。
【焼却灰溶融施設の稼動中止】 共産党
Q 焼却灰溶融施設については,2月に耐火レンガの亀裂が明らかになり試運転の再開を延期している。完成後1年以上経つが,未だに調査・検討が必要な欠陥施設である。宇治・城陽の施設廃止が決定され,仙台市も高コスト,焼却灰の減量効果の低さ,温室効果ガスの排出増,国が一定の条件により補助金の返還を不要としたことなどを理由に廃止を決定した。本市も運転中止を決断すべき。
A 東部山間埋立処分地は本市唯一の最終処分地であり,今後70年以上活用するためには本施設は必要不可欠である。耐火レンガの亀裂は運転に支障をきたさないが,万全を期すため調査しており,原因を特定し補修した後,試運転を行い,安全性を確認し,23年度早期の本格稼働を目指す。
安心で活力あるまちづくり
【「一人暮らしお年寄り見守りサポーター制度(※)」の充実】 公明党
Q 高齢単身世帯に対する共助の取組として一人暮らしお年寄り見守りサポーター制度を創設したが,現在の登録者数は約2200人であり,目標の1万人に達していない。ボランティアの方に気軽に活動してもらうきっかけづくりとして,公共施設の優待利用等のボランティアポイント制度を創設するなど工夫が必要である。
A 普段の暮らしの場面で目配りができる制度として,学生からお年寄りまで幅広く登録を呼び掛けている。目標達成には一層の取組が必要であり,福祉系大学等の学生・生徒へ働き掛けるとともに,新聞販売所や郵便局などの配達を業務とする方々へ周知する。今後,ボランティアポイント制度も含め,一人でも多く登録してもらえるような方策を検討する。
※ 一人暮らしお年寄り見守りサポーター制度
市民が暮らしや仕事の場で,高齢者の方への目配りを行い,サポートが必要であると思われる場合に地域包括支援センターへ連絡・相談する制度。
【地域包括ケアシステム(※1)の構築】 自民党
Q 本市では,地域包括ケアシステム推進のための基盤整備が進められているが,更なる強化,体系化とともに,新たな取組が求められる。市民のニーズや高齢者支援の最前線にいる地域関係者の意見を踏まえ,特色ある取組の検討が必要である。本市における地域包括ケアシステムの構築に向けた展望を聞きたい。
A 本市では,61箇所の地域包括支援センター(※2)の設置のほか,多数の老人福祉員(※3)の配置など,地域包括ケアシステムの基盤を整備しており,これらを活用した更なる取組が必要である。実施中の実態調査の結果も踏まえ,23年度に策定するプラン(※4)において,京都の地域力を活かした地域住民や医療との一層の連携方策などシステム構築に向けた具体策を盛り込む。
※1 地域包括ケアシステム
高齢者ができる限り居宅において生活を続けるために,生活上の安心・安全と健康を確保するための多様なサービスを24時間365日身近な地域で提供する仕組み。
※2 地域包括支援センター
高齢者の介護に関する相談を24時間体制で受けるための施設。
※3 老人福祉員
市長の委嘱により,ひとり暮らし高齢者等を対象に,地域において各戸訪問による安否確認や相談活動等の見守り活動を行う者。
※4 プラン
第5期京都市民長寿すこやかプラン。地域における高齢者保健福祉サービスの供給体制等に関する高齢者保健福祉計画と,介護保険を円滑に運営するための事業等に関する介護保険事業計画を一体的に定める計画。
【農林業の支援等】 共産党
Q 府や地元と連携して冬の大雪被害の状況を把握し,被害木処理への補助率増,伐採木を買い上げてペレット(※1)等に生かす仕組みの構築,倒壊したビニールハウス建替等への補助,道路除雪委託料引上げによる対策強化を求める。また,公共建築等での需要拡大や木材バイオマス(※2)の推進など,市内産木材の利用を拡大すべき。
A 地元と緊急対策を行っており,被害把握や被害木のペレット等への活用に努める。また,倒木処理等への補助率増を検討し,パイプハウス倒壊等の被害が集中した京北地域の農業者支援や北部山間地域での更なる除雪対策を進める。市域産木材の表示を制度化し公共建築への採用や啓発に努めており,今後も情報発信等の充実,木材バイオマスの推進に努める。
※1 ペレット
間伐材や製材で残った木材を破砕し,木の粉にした後,熱を加えて乾燥・圧縮して円筒状に固めた燃料。
※2 木材バイオマス
バイオマス(生物に由来する有機物)のうち,木材からなるもの。再生可能なエネルギー資源として利用が図られている。
【洛西地域における交通網の整備】 民主・都
Q 洛西ニュータウンと桂駅西口を結ぶ市バス西系統を中心とする路線継続を要望する。今後,洛西地域の交通網整備において,同路線やJR桂川駅,阪急洛西口駅からの民間を含むバス運行をどう位置付け,また,ニュータウン内の循環バスや高齢者対策等の要望を踏まえどう取り組むのか。
A 市では,利便性を高めるため,鉄道や民間のバス事業者と共同で乗継向上のためのダイヤの調整等に取り組んでおり,増客の効果も出てきている。一方,洛西地域の全ての市バス路線は大幅な赤字であり,循環バスの再開は大変厳しい状況である。公共交通への期待の大きさも承知しており,高齢者対策としての利便性向上の観点も踏まえて公共交通を利用しやすい環境づくりを進める。
全質疑項目
2月28日
自民党
予算編成における財政構造改革の取組/平成23年度予算の重点課題/地球温暖化対策の取組/京都市基本計画の周知と実施計画の策定/公共交通ネットワークの構築/児童虐待に対する体制整備/地域包括ケアシステムの構築/農業の担い手対策/住宅用火災警報器の全世帯設置に向けた取組
交通事業の平成23年度予算の評価と経営健全化の推進/「歩くまち・京都」の推進/指定管理者の公平公正な選定/関西広域連合への参加と大都市行政の在り方/京都マラソンの開催/資源ごみの持去り禁止に係る取組/御薗橋西詰の京都貴船線整備事業/森林の雪害対策
観光案内標識の充実/観光立国政策の推進/遠忌法要への対応/使い捨てライターの回収/「君が代」の斉唱/野良猫対策の充実及び動物愛護センターの設置/地域防災行動計画の様式の見直し/上京区総合庁舎の整備/京都御苑周辺歩道の整備
共産党
地域経済の活性化/税と社会保障の一体改革/住宅改修助成制度の創設等/京都高速道路計画の見直し/焼却灰溶融施設の稼動中止/指定管理者制度における適正な労働条件の確保/地域主権改革による社会福祉施設の運営への影響/広域行政の在り方/岡崎地域活性化の取組/地下鉄事業に対する国の財政支援/地下鉄駅ホームの安全対策
国民健康保険制度の見直し/介護保険制度の見直し/子どもの医療費助成の拡充/保育環境の改善/「子ども・子育て新システム」の見直し/少人数学級の拡大/新卒者の雇用の拡大/左京区役所の移転に伴うアクセスの改善/左京区役所移転後の庁舎の活用/北泉通の拡幅と架橋計画の見直し/旧高野合同福祉会館跡地の売却の見直し
中小企業の支援/農林業の支援等/TPP協定による影響/商店街の振興/消費者行政の推進/生活保護制度の改善/京北病院の体制強化
3月1日
民主・都
産業支援に係る予算編成/介護保険制度の見直し等/舞台芸術の発展に向けた取組等/京都文化祭典の充実/京都創生の取組
子育て支援の充実/生活保護における住宅扶助費の代理納付/コンビニエンスストアにおける事業ごみ減量の取組等/産業技術研究所の独立行政法人化/学校図書館の充実
宿泊施設の魅力向上/市民のおもてなしの心の醸成/地下鉄駅の活用/市立学校における部活動の連携/洛西ニュータウンのサブセンターの活性化/まちづくりにおける区役所・支所の役割/洛西地域における交通網の整備
公明党
平成23年度予算編成への思い/指定管理者制度の運用/補助金適正化の取組/行政委員会の在り方/職員の配置及び給与水準の見直し/中小企業の支援/自治基本条例の制定
子ども・若者育成支援の取組/不登校に関する教員や保護者の意識改革/「分かりやすい授業」の実施/DV被害者の支援/環境負荷の低減を通じた商店街の活性化/地下鉄事業の経営健全化
環境産業に携わる中小企業の支援/「一人暮らしお年寄り見守りサポーター制度」の充実/自転車安心安全条例に関する取組/「フッ化物歯面塗布事業」の継続実施/国民健康保険証の個人カード化/部活動における小中学校間の連携/細街路対策
代表質疑の模様は,市会ホームページのインターネット議会中継で録画放映を御覧いただくことができます。
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○1月臨時会・2月定例会の審議結果 |
1月臨時会で審議した市長提出議案1件の審議結果は,平成23年第1回臨時会 【議案・審議結果】のページ,2月定例会で審議した市長提出議案112件,議員提出議案9件の審議結果は,平成23年第2回定例会 【議案・審議結果】のページを御覧ください。
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○意見書〔全文〕 |
2月定例会では,意見書4件(いずれも国への要望)を可決し,内閣総理大臣など,関係機関に提出しました。(審議結果は平成23年第2回定例会 【議案・審議結果】のページ参照。)
公共交通機関のバリアフリー化の更なる推進を求める意見書
本格的な高齢社会を迎えたことで,高齢者が安心して生活を送りながら,社会・経済活動にも積極的に参加できる社会の構築がますます求められている。また,障害者が必要なサービスを享受しながら,自立し,安心して暮らすためにも公共施設等のバリアフリー化が喫緊の課題である。
政府は,これまで平成18年制定の「バリアフリー新法」に基づき,1日の平均利用者数が5000人以上の鉄道駅やバスターミナル等について,平成22年までに全てバリアフリー化することを目標に取組を進めてきた。しかしながら,例えば鉄道駅のバリアフリー化の進捗率は,段差の解消では約77パーセント(平成22年3月末現在)にとどまっている。平成23年度以降,3000人以上へと基準が引き下げられ,新たな地域鉄道駅も対象に加わることが見込まれる。
よって国におかれては,地方公共団体,事業者の連携強化を図りつつ,地域のニーズに対応した公共交通機関のバリアフリー化を更に推進するよう,以下の項目の実施を強く求める。
記
1 未整備のいわゆる整備困難駅に対し,より実効性のあるきめ細かい財政支援を行うこと。
2 地方公共団体の財政状況及び地域鉄道の経営状況に配慮し,補助等の支援措置を充実すること。
3 特に,鉄道駅のホームにおける転落防止効果が期待されるホームドア(可動式ホーム柵)設置に関する補助を充実すること。
4 身体障害者や要介護者など移動制約者の福祉輸送ニーズに対応した福祉タクシーやノンステップバスの普及に努めること。
若者の雇用対策の更なる充実を求める意見書
今春卒業見込みの大学生の就職内定率は,昨年12月1日時点で68.8パーセントにとどまり,調査を開始した1996年以降で最悪となった。日本の将来を担うべき若者の人生にとって厳しい問題であり,経済・社会の活力低下という点から見ても,大変憂慮すべき事態である。
景気低迷が長引く中,大企業が採用を絞り込んでいるにもかかわらず,学生は大企業志向が高く,一方,採用意欲が高い中小企業には人材が集まらないといった,いわゆる雇用のミスマッチ(不適合)が就職内定率低下の要因の一つと考えられる。政府は,こうした事態を深刻に受け止め,今こそ若者の雇用対策を更に充実させるべきである。
特に,都市部で暮らす学生が地方の企業情報を求めても,地方に所在する多くの中小企業は資金的余裕がないなどの理由で事業内容や採用情報などを提供できておらず,都市と地方の雇用情報の格差が指摘されている。若者の雇用確保と地元企業の活性化のためにも,自治体が行う,中小企業と学生をつなぐ「マッチング事業」に積極的な支援が必要と考える。
よって国におかれては,雇用ミスマッチの解消をはじめとする若者の雇用対策を充実させるため,以下の項目を早急に決定・実施するよう強く求める。
記
1 人材を求める地方の中小企業と学生をつなぐための「マッチング事業」を,自治体が積極的に取り組めるよう,支援すること。
2 都市と地方の就職活動費用の格差を是正するとともに,どこでも情報を収集できるよう,就活ナビサイトの整備等を通じて,地域雇用の情報格差を解消すること。
国民健康保険制度の抜本的改革と国民健康保険に対する財政措置の拡充を求める意見書
国民健康保険制度は,低所得者や高齢者の加入割合が高く,財政基盤がぜい弱であるという構造的問題を抱えており,本市の国民健康保険事業は,平成21年度末で80億円もの巨額の累積赤字を抱える危機的な状況にある。その中で,本市の非常に厳しい財政状況の下,平成23年度は,一般会計から,77億円もの巨額の財政支援を行い,総額148億円を繰り入れることとしているが,景気の悪化により市民生活は大変厳しい状況にあり,被保険者の負担は限界に達しつつあるところである。
京都市という一地方自治体の努力には限界があり,現行制度のままでは,市民の医療を守るセーフティネットとしての国民健康保険制度を将来にわたって安定的に運営することは困難であるため,国において制度の抜本的改革を行うよう,強く要望してきたが,これまで実現せず,もはや一刻の猶予もならない。
現在,国において,高齢者医療制度の見直しについて検討が行われており,その最終とりまとめが示されたが,国民健康保険制度の抜本的改革については具体的なものとはなっておらず,国民健康保険の構造的問題を解決する道筋は付いていない。
国民の医療を保障する国の責務として,被保険者や地方自治体にこれ以上の負担を課さない医療保険制度を速やかに構築すべきである。特に,市町村の国民健康保険は,他の制度と比べて被保険者の負担が大きく,被保険者間の負担の公平化を図るため,全ての国民が加入する医療保険制度への一本化を実現しなければならない。
よって国におかれては,医療保険制度の抜本的改革,とりわけ,全ての国民が加入する医療保険制度への一本化の早期実現と財政措置の大幅な拡充を強く求める。
我が国の農業振興に関する意見書
政府は,昨年11月9日に「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定し,環太平洋パートナーシップ(TPP)協定について,その情報収集を進めながら,国内の環境整備を早急に進めるとともに,関係国との協議を開始することとした。
TPPは,原則として全品目の関税を撤廃し,また,サービス貿易,政府調達,知的財産,人の移動等を包括的に協定するものであり,締結すると経済・産業に極めて大きな影響が生じるものと想定されている。
とりわけ農業分野においては,農林水産省の試算によれば,米の生産量が90パーセント減少し,食料自給率が14パーセントまで低下するとされている。
京都市の農業は,野菜を中心とした生産構造であることから,どの程度の影響があるのか不明なところはあるが,経営規模が全国平均を大きく下回ることから,稲作が主体の中山間地域では深刻な影響を受けることが懸念される。このことで,国土保全などの多面的な公益機能を有する農地が荒廃し,地域社会が崩壊することは,深刻な事態である。
よって国におかれては,拙速にTPPに参加することなく慎重に対応するとともに,食料自給率向上と,地域ごとの農業の特性及び農村地域の維持の観点から,実効ある具体策を早急に講じられるよう強く要望する。
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○市会が採択した請願 |
○教科書の適切な採択
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○お知らせ |
3月15日の本会議で,4月29日限りで勇退する6人の議員へ,市長と議長からはなむけの言葉が贈られ,勇退議員を代表して田中セツ子議員から謝辞が述べられました。
◇勇退議員◇
田中セツ子 (南区)
巻野 渡 (左京区)
柴田 章喜 (左京区)
せのお 直樹 (西京区)
加地 浩 (北区)
木村 力 (中京区)
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○1月臨時会における審査 |
1月臨時会は,地方自治法の規定に基づき,市会議員の定数及び各選挙区において選挙すべき市会議員の数に関する条例の一部改正を求める住民からの直接請求(有効署名者数3万3千704筆)を受けて開かれたものです。
議案は,1月24日の本会議で市会運営委員会に付託し,同委員会で請求代表者から条例改正の必要性など意見陳述が行われたうえで審査し,31日の本会議で表決の結果,否決しました。
【条例改正の概要】
本市の市会議員の定数について,現行の「69人」から9人削減し「60人」に改め,各選挙区において選挙すべき市会議員の数を,北,上京,中京,下京,南,右京,伏見の各区選挙区でそれぞれ1人削減,また左京区選挙区で2人削減しようとするものです。
【市長が付けた意見】
地方自治法の規定に基づき,以下のとおり市長の意見が付され,議案として市会に提出されました。
1 議員定数の削減については,議会が,立法機能等の議事機関としての役割や行政執行の監視機関としての役割を十分果たすことができるかどうかという点を基本に据え,十分な議論を経たうえで,総合的な見地から決定されるべきものであり,また,その決定は,市民の意思を行政に反映させるべく市民から直接付託された議会の自己決定が基本であると考える。
2 平成14年に,議員提案による条例の制定により議員定数を3人削減された際には,議会において,議会経費の削減,1票の格差の是正等の観点から,徹底的に議論がなされた。
3 上記を踏まえ,今回の直接請求による条例改正案についても,議会自らが議論を尽くしたうえで判断されるべきものと考える。
【請求代表者が意見陳述で述べた主な意見】
地方自治法の規定に基づき,1月26日の市会運営委員会において,条例改正の請求代表者に意見を述べる機会が与えられました。述べられた主な意見は以下のとおりです。
1 議会は行財政改革に対して議会としての改革の範を示すべきである。未曾有の財政難にあって,改革の旗振り役である政治家自らがその努力を最初にすべきである。
2 地方議会は,直接民主制をベースとする二元代表制を堅持しつつ,少数精鋭によるプロ意識を持った議会運営を目指すべきである。
【市会運営委員会で委員から出された主な意見】
1 市会では,平成16年から現在まで,4次にわたる議会改革の検討委員会を設置し,議会自らが時代のニーズに合わせて議員特権の廃止など改革を行い,多くの成果をあげてきた。現在も,市会改革推進委員会で議員自身の処遇に関わる問題も含め引き続き議論しているところである。議員定数についても,この直接請求に関わらず,2月に発表される国勢調査速報集計などを踏まえ議論することとしているが,短期間で結論を出すことは拙速であり,二元代表制として議会が果たすべき役割,権能も議論しつつ,十分時間を掛けて検討していくべきものである。
2 議員定数削減は,行財政改革としての問題ではなく,多様な民意の汲み上げという議会の根幹に関わる問題である。少数精鋭では,結局は監視機能が弱まってしまう。議会としてしっかり議論できる数について,市民とも共有しながら検討すべきである。
3 平成13年度に設置した議員定数等特別委員会で1年間議論を重ね,1票の格差は最大1.54倍まで是正されている。現在でも最大1.54倍であり,市民の理解は得られているものと考える。
4 公平な選挙を実現するため,削減ありきではなく,定数減を伴わない増減調整や定数増による格差是正も考えるべきである。
5 比較に当たり有権者数を用いているが,地方自治法は人口に応じて上限を定めており,また,議員は,有権者でない子供たちや外国籍市民,観光客などに対してもその責務を果たしていることから適当でない。
6 19指定都市のうち,議員一人当たりの人口は9番目であり,他都市に比べても大幅に多いとの指摘は当たらない。自治体の成り立ちも異なり,単純な比較も適切ではない。
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○市会の活動 |
市会の1年
平成22年の京都市会では,本会議や委員会で議案などの審議を行ったほか,次のようなできごとがありました。
2月 |
17 第1回定例会開会
〃 本会議で加藤広太郎議員の辞職を許可
22 市会改革推進委員会が中間報告を市会運営委員会に提出 |
3月 |
1 チリ大地震の被災に対する見舞状を市長及び議長連名で送付
19 第1回定例会閉会 |
5月 |
14 第2回定例会開会
18 加藤盛司議員が第76代議長に,柴田章喜議員が第85代副議長に就任
28 第2回定例会閉会 |
8月 |
2〜4 くらし環境委員会他都市調査(神奈川県,長野県,長野市,松本市)
2〜4 まちづくり消防委員会他都市調査(墨田区,世田谷区,東京都,港区,千代田区)
3〜5 交通水道委員会他都市調査(東京都,さいたま市,横浜市)
9〜11 教育福祉委員会他都市調査(北海道,札幌市,名古屋市)
22〜29 議長が京都・グアダラハラ姉妹都市提携30周年記念事業参加のためグアダラハラ市等を訪問
23〜25 経済総務委員会他都市調査(墨田区,会津若松市,仙台市) |
9月 |
15 第3回定例会開会 |
10月 |
13 アメリカ合衆国の臨界前核実験に対する抗議文を市長及び議長連名で送付
28 第3回定例会閉会 |
11月 |
3 親子ふれあい議場見学会
4〜5 市会運営委員会他都市調査(松本市,名古屋市)
15・17 経済総務委員会要望行動(指定都市による大都市の財源拡充要望に係る党派別要望行動)
18 第4回定例会開会 |
12月 |
10 第4回定例会閉会 |
1月 |
24 第1回臨時会開会
31 第1回臨時会閉会 |
市会改革の取組
平成16年3月以降の3次にわたる市会改革の取組に続き,更なる改革を推進するため,平成21年3月19日の市会運営委員会において,同委員会内に市会改革推進委員会が設置されました。
市会改革推進委員会では,様々な項目について検討がなされ,平成22年2月22日の中間報告を経て,平成23年3月14日に市会運営委員会に対して最終報告が行われました。
項目ごとの検討結果については,以下のとおりです。
1 海外行政調査の在り方
本検討項目については,新たに「京都市会海外行政調査実施要領」を取りまとめ,@調査をしようとする議員による主体的な企画立案,A調査実施の必要性を判断するための審査会の設置,B調査の提案から報告までの手続の一層の明確化,などを図った。
なお,審査会の運営方法及び調査の報告方法など具体的な運用に当たっては,実施の段階で改めて協議することとした。
2 議会活動記録集の在り方
本検討項目については,厳しい本市財政状況の下,経費削減の観点から,来任期分から廃止することとした。
なお,現任期分は,更なる簡素化を図ったうえで作成することとした。
3 本会議における個人による一般質問と一問一答方式の導入
本検討項目については,他都市における本会議及び委員会の運営状況を調査すべきである,議場のレイアウト変更の問題を勘案すべきであるなどの意見があったことから,来任期以降,引き続き研究を進めていくこととした。
4 議員報酬
本検討項目については,本市の厳しい社会経済状況,財政状況等を勘案し,平成23年度から1年間,特例措置として10%削減することとした。
5 費用弁償(本会議及び委員会等に出席したときに支給される費用弁償)
本検討項目については,地方自治法上その支給が認められているものであり,額についても,その時々の状況に応じ,これまでから市会改革の一環として減額してきたが,本市の厳しい社会経済状況や他の政令指定都市の支給状況等を勘案し,平成23年度から廃止することとした。
6 政務調査費
本検討項目については,現在の執行状況を踏まえ,議会費全体の抑制を図る観点から減額を検討したが,議員による市政の調査研究活動が重要であること,使途を全部公開するとともに未使用の残額は返還されるものであること等に鑑み,現行どおりとし,改めて必要があるときに検討することとした。
7 議員定数
本検討項目については,政令指定都市における定数の状況,平成22年国勢調査速報集計等に基づく選挙区ごとの議員1人当たりの人口の状況等を踏まえ,来任期において改めて検討していくこととした。
8 議会基本条例
本検討項目については,議会にとって重要な事項を定めるものであり,十分時間を掛けて検討する必要があるため,来任期において議論していくこととした。
○ 中間報告にて報告した項目
1 常任委員会における一般質問の事前通告制の導入
本検討項目については,21年9月市会における試行実施も踏まえ検討を重ねた結果,議員の自由な討議の制限及び常任委員会としての緊張感の維持という点などから課題も多いことから,改めて必要があるときに検討することとし,各常任委員会においては,正副委員長を中心に効率的な議案審査及び所管事務調査に十分留意のうえ運営に当たることとした。
2 「市会だより」の充実
本検討項目については,開かれた市会の推進を一層図っていく視点から検討した結果,2月定例会号のページ数を倍増し掲載内容を充実するとともに,来任期から代表質疑・質問を行った議員の氏名及び顔写真を新たに掲載することに決定した。また,今後,紙面構成の大きな変更など必要があれば各会派にて構成する編集委員会等を設置し協議することも検討することとした。
3 政務調査費の在り方
(1) 交付額及び交付対象
交付額及び交付対象については,いずれも現行どおりとすることとし,改めて必要があるときに検討することとした。
(2) 外部専門家の活用
外部専門家の活用については,政務調査費の使途に関し客観的妥当性の確保を図るための方策として検討を進めたが,客観性の担保は議員及び会派の責任において取り組むべきなどとの意見があったことから,改めて必要があるときに検討することとした。
(3) 政務調査費の使用に関連する課題
(平成19年度分政務調査費に係る監査結果に付された監査委員の意見:@調査出張に係る事前計画書等の作成及び保存について,A年賀はがき,暑中見舞いはがき等の利用抑制等について,B切手等の台帳の整備について,C人件費の支出の際の関連手続の徹底について)
政務調査費の使用に関連する課題のうち,切手台帳の整備については,台帳の様式を定めて努力義務とし,その他の3件については,説明責任を果たすうえで,監査委員の意見を踏まえて議員及び会派が適切に判断することとし,要綱等による一律の義務付けはしないこととした。
4 議員研修の充実(実施手法の見直し)
本検討項目については,議員の政策立案能力及び審議能力を強化し,議会の活性化を図る視点から検討した結果,平成22年度以降は年間計画を策定し計画的に実施していくことに決定した。
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○東日本大震災に係る京都市会の取組結果について |
平成23年3月11日に発生した「東日本大震災」に係る被災地支援として,京都市会では,災害見舞金(1,000,000円)の送付と併せて,3月15日に四条河原町周辺で街頭募金活動を行い,多くの皆様から総額621,036円の募金をお寄せいただきました。
見舞金及び募金は,全額,日本赤十字社に振り込みました。
多くの皆様に御協力いただき,心からお礼申し上げます。
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