平安神宮(へいあんじんぐう) 左京区岡崎西天王町
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建設中の平安神宮(『平安遷都千百年紀念祭協賛誌』より) |
平安神宮は,明治28(1895)年,平安遷都千百年紀念祭に際し,京都市民の氏神として創建されました。祭神は桓武天皇(かんむてんのう,737〜806)と孝明天皇(こうめいてんのう,1831〜66)。
紀念祭協賛会が,桓武天皇の御霊を奉祀する神社の創建を請願し,明治27年,官幣大社に列せられ,平安神宮と名づけられました。
平安宮朝堂院正殿の大極殿と応天門(おうてんもん)を模造縮小した拝殿と大鳥居正面の二層楼門などが建てられ,同28年3月に完成。建築家木子清敬・伊東忠太が設計と工事の指揮・監督にあたりました。
孝明天皇没後75年目の昭和15(1940)年,孝明天皇を合祀するため,社殿が新築・改築され,西本殿に孝明天皇が,東本殿に桓武天皇が祀られました。時代祭神幸列の2基の鳳輦(ほうれん)は両祭神を奉じています。
平安神宮神苑は,造園家小川治兵衛(7代目)の手によって築かれた約6000坪の回遊式庭園です。昭和50年,国の名勝に指定されました。苑内には,『源氏物語』藤袴にちなんだフジバカマなど,古典に登場する草花をはじめ,様々な植物が植えられ,数多くの鳥や魚が生息しています。
池水は琵琶湖疏水から地下トンネルを通して取水しているため,琵琶湖に住む珍しい生物が生息して,動植物学的にも貴重な場所となっています。
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