大石良雄遺髪塚碑 碑文の大意 |
この場所はもと赤穂藩の重臣大石良雄の仮ずまいの跡である。彼の忠誠はすでによく知られているから,わたし(筆者龍公美)がことごとしく述べるのはやめにしておく。 百年もたてば大石良雄のような人でも骨になって,その骨もばらばらになってしまう。そんなになっても,その仮ずまいの跡を訪ねれば,まだ生きているようにその人となりをひしひしと感じる。忠誠の心がそうさせるのであろう。 そんなわけで,大石良雄の仮ずまいの跡に碑を建てることにした。この所を訪ねる者が,感激を新たにできるようにするためである。(銘略) 碑を建てたのは江戸の人宮部義正(通称孫八)と上田正並(恵五郎),碑文を書いたのは伏見の住人龍公美である。 |