売茶翁没後二百五十年記念碑

SA247

ばいさおうぼつごにひゃくごじゅうねんきねんひ
石碑(0029309)石碑周辺(0029310)

 売茶翁高遊外(1675〜1763)の没後二百五十年を記念し、煎茶道関係者により建立された記念碑。詳細は副碑碑文に譲るが,高遊外は還俗したあとの俗名で,僧侶としては月海元昭と名のった。碑に刻まれるのは六言の詩であるがまったく押韻していない。意味は「お茶の道具をかついでせまい住まいを出て 鴨川のほとりの清らかな水のわいている所を選び茶を入れる お茶をいれている境地はこの世の外 仙人になろうと思ったらわざわざ山深い池へ行く必要はない(鴨川のほとりでそういう境地に入ることができる)」

所在地左京区下鴨半木町(北大路橋東詰)
位置座標北緯35度02分40.2秒/東経135度45分46.2秒(世界測地系)
建立年2013年
建立者売茶翁没後二五〇年記念事業実行委員会
寸 法(正碑)高100×幅180×奥行60cm(副碑)高57×幅87×奥行31cm
碑 文
[正碑東]
遊鴨河煮茶
担茶具出蝸舎
択檻泉遊鴨河
鼎裏非人間味
神仙何覓瑶池
   売茶翁高遊外
         黄檗亘令書(印)(印)【印文「黄檗山主」「亘令」】
[正碑西]
売茶翁没後二百五十年記念
   一般社団法人全日本煎茶道連盟寄贈
   売茶翁没後二五〇年記念事業実行委員会
      平成二十五年七月十六日建立
[副碑東]
      鴨河に遊び   茶を煮る
茶具を担い   蝸舎(かしゃ)を出(い)で
檻泉(かんせん)を択(えら)んで   鴨河に遊ぶ
鼎裏(ていり)   人間(じんかん)の味に非ず
神仙   何(なん)ぞ瑶池(ようち)を覓(もと)めん
                  売茶翁高遊外(ばいさおうこうゆうがい)
【以上読み下しは総ルビであるが注意を要するもののみ(   )内に示した】
         【売茶翁肖像】
   売茶翁高遊外(一六七五〜一七六三)
名は高遊外、人は売茶翁と呼んだ。
江戸時代、佐賀県蓮池に生まれ、
十一歳で出家、黄檗宗僧侶から
五十七歳で還俗、京に上る。鴨川
畔など風光明媚なところで往来に
茶を振舞う。翁を慕い池大雅や伊藤
若冲などの文人が集い文化サロン
を形成。お茶を急須で淹れる方式が
評判となり、その後煎茶が全国に
普及した。その精神世界は後に煎茶
道の世界に受け継がれている。
調 査2013年9月9日
備 考

位置図
位置図

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