徳富蘇峰先生勉学処 碑文の大意
徳富蘇峰先生が同志社に在学したころ(明治11年〜13年),仲間とこの地の牧氏所有の水車小屋の二階に下宿し自炊生活をし,切磋琢磨の日々を送り,のちに大成する基礎を築いた。わたし(筆者金子正道)は長年先生に親しく教えを受けた。大正8年の夏に入洛し,わたしも偶然にこの地以後17年にわたって住むことになった。まさに奇遇である。近年叡山電車敷設と土地区画整理事業により,むかしの面影はなくなってしまった。しかしわたしはこの地を通るたびに愛着の念がきざすのである。最近,先生の同郷人で,わたしの友人である柔道教士福島清三郎氏がここに義芳館道場を建て,国に尽す青年を養成しているものこれまた奇縁である。