一乗寺趾SA004 |
いちじょうじあと |
一乗寺は,康平6(1063)年,上東門院(一条天皇中宮藤原彰子,988〜1074)によって園城寺(三井寺)別院として建立された寺である。これ以前に,山門(延暦寺)と寺門(園城寺)との対立のなか,園城寺別当穆算(944〜1008)が住していたことが知られる。保安3(1121)年,延暦寺衆徒によって焼き討ちされた。再建後,南北朝の戦乱によって再び焼失し廃絶した。この石標はその跡を示すものである。 |
所在地 | 左京区一乗寺燈籠本町(一乗寺集会所内) |
位置座標 | 北緯35度02分41.1秒/東経135度47分39.3秒(世界測地系) |
建立年 | 1959年 |
建立者 | 上一乗寺区民会 |
寸 法 | 高150×幅70×奥行13cm |
碑 文 | |
[西] | |
百練抄云 康平六年十二月二十四日上東門院 | |
供養ス三井寺一乗院ヲ「元享釈書/同之」 【「 」内双行】 | |
一乗寺趾 | |
拾芥抄云 坂本三井寺未上東門院康平六年建 | |
開山穆算法印云云一乗寺者即藪里之地也昔有寺 | |
号一乗故為邑別名 按自康平已前一乗寺有之 | |
[東] | |
今カラ八百九十三年前 一条天皇ノ中宮デ紫式部ガ | |
仕上エタ上東門院ノ建立ニカカル一乗寺ハ 楠木正 | |
成ト足利尊氏ノ合戦テ焼失シタト太平記ニ出テイル | |
文献ニ依ル考證ノ結果現在 寺ニ縁リノアル町名 | |
ヲ多ク残シテイルコノ土地ガ ソノ寺趾ト考エラレ | |
ル 依ツテ此処ニ碑ヲ建テテ記念トスル 傍ノ礎石 | |
ハ昭和三十四年一月三日 此ノ附近ヨリ発掘シタモ | |
ノデ 一乗寺礎石ト考エラレル 尚ソノ近クカラ | |
多数ノ地蔵石仏ガ出土サレテイル | |
撰文 大佐三四五 | |
広江美之助 | |
昭和三十四年三月二十一日建之 上一乗寺区民会 | |
石工小畑郁三 | |
調 査 | 2002年2月13日 |
備 考 |
位置図 | |