宋紫石竹画碑 碑文の大意
この絵の竹は長さはわずか数尺にすぎないが,その生動感にあふれていることは見事である。君赫(宋紫石)の絵は清国の人宋嶽(宋紫岩)に学んだもので,宋嶽は沈詮(沈南蘋)から学び,沈詮は李用雲に学んだ。つまり紫石は正統派中の正統なのである。
 世間には本場の絵を学んだと称する者が多いが,技法もわきまえずへ理屈をいうだけであるが,みな紫石を尊重することにかわりない。
 君赫は姓は宋,名は紫石。江戸の人である。わたし(筆者村瀬栲亭)は紫石の友人である。紫石の門人副殷明が石碑を北野天満宮に建立し,紫の芸術を不朽のものにしようとするというので銘を作った次第である。
 (銘略)